02/04/30 19:50   配信総数 30部+α

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             1000本ノック・モニター・レポート

         No.5 特集・民法対策 (月2回刊行予定)

         ― 『1000本ノック』の専用メルマガです。―

@@@@@@@@@@@@@@@@ 平成14年04月30日(火)発行@@@@@@@@@@@@@@@@@

▼皆様、いかがお過ごしですか。前回のレポートより1月が経ち、非常に心苦しい
思いでおります。5月になり、試験日まで172日になろうとしていますが、皆様に
おかれましては、マイペースで学習を進められていることと思います。

▼モニター通信の発行が今回は大変遅れまして、誠に申し訳ありません。深く
お詫び申し上げます。
 現在、5月からのモニター様募集の準備とサイトのリニューアルを行って
おります。1000本ノックの解説・項目の追加作業もいよいよ、再開の運びになり
ました。

▼試験日まで、よろしくお願い申し上げます。

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▼CONTENTS

1 民法の出題状況を押さえましょう・2 民法の勉強時間を中心に

2 宅建合格作戦―時間配分とペース配分の重要性

3 サイトのリニューアルについて

4 学習スケジュール例

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1 民法の出題状況を押さえましょう・2 民法の勉強時間を中心に

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■民法は学習時間全体の3分の1に■

 ある予備校の調査によれば、「合格者の平均学習時間」は、 約300時間で、

そのうち民法にかけた時間は約100時間ということでした。学習時間の3分の1を

民法にかけていることがわかります。この時間をどう見るか、ということを今回の

テーマにしてみたいと思います。

 比率においても、民法の学習時間が全体の3分の1というのは、以前には見られ

なかったことと思われます。

 30点から34点という、合格点の大幅な上昇の背景には、このようなことも大きい

と思われます。

■全体の学習時間■

 自由国民社の「今年こそ宅建!」編集部の昨年の受験者の調査では、

▼200時間以下

 50時間以内 0%、100時間程度 8.57%、200時間まで 17.14%

▼200時間〜300時間

 300時間まで   34.25%

▼300時間以上   40.00%

(今年こそ宅建2002年版・VOL.2)

となっており、合格者の学習時間は徐々に上昇傾向にあります。

 これは、「今年こそ宅建!」編集部の1999年の受験者への調査と比較すると

よくわかります。、

 100時間まで  16.3%

 200時間まで  23.3%

 300時間まで  27.9%

 300時間以上  32.5%

  (今年こそ宅建2000年版・VOL.2)

比べてみてわかるのは、200時間までのどの階層も減少しており、300時間以上

の階層が増加していると言う事です。

 宅建試験の学習時間はひところ200時間あれば十分と言われていた時期があり

ます。その頃は、民法も現在のように難化しておらず、民法で合否が決まると

言われていました。宅建業法や法令上の制限はみな高得点の為、やさしい民法で

点をとらないと差がつかないことからそのように言われてきました。しかし、

最近は民法が難化していることから、逆に権利関係・税法その他の得点での比重

が高まっているように思われます。

■民法の学習テクニック■ 

―基本的な項目はしっかり身につける―

☆焦らず

☆急がずに、じっくりと

☆重点項目、頻出項目を徹底的に

 当然のことながら、難問全部ができなくてはいけないということではありません。

民法範囲全部正解ということは不可能ですし、10〜11問のなかで7点前後が精一杯

だと思われます。(民法は、昨年それまでの10問から11問に増加。)

 学習時間の上でも無制限に民法に時間をかけることはできませんし、時間的な

制限がある中で、効果的な時間配分を考える必要があろうと思います。

 そのためには、まず重要度に応じて、学習項目の色分けをする必要があります。

・過去問頻出のテーマは完璧にインプット

(得点しやすい基本的な問題は 確実に得点GET)

・過去問頻出のテーマの問題を実戦感覚で身につける

  (角度を変えたらわからない、ということのないように)

・過去問頻出ではない項目はどこか把握

  (知識の絞り込みには必要)

・未知のものに余り時間をかけない

  (過去問未出のものは、学習リスクが大きい)

 → 1000本ノックでは、民法編・権利の変動篇とも、

   重要なものと判断されるものに絞り込んであります。

 学習方法としては、民法は短期集中での速成栽培は難しいため、長期間に渡って、

少しずつ基本書と過去問の反復学習を繰り返すというものしかないと思います。

 民法の要点をマル暗記したとしても、それでそのまま、得点が上がるということ

はなく、定着には熟成期間が必要です。また、学習が進んでから位置付けがはっきり

し、関連事項にも目がいくようになります。同じことでも、学習が進んでから見直す

ことで、思わぬ発見もあります。要点としては、急いで終わらせずに、地道にやって

いくということではないかと思います。民法の学習時間が増えている要因としては、

この「熟成栽培」が意識されるようになってきていることと無関係とは思えません。

 → Echo の宅建民法シロートなりの闘い方

 http://tokagekyo.7777.net/echo-land/strategy.html

■民法の難化による学習時間の増加■

 受験指導機関の方の言葉ではなく、大学で法律を教えている方のコメントも

みてみましょう。

 大東文化大学の野口昌宏教授によれば、平成13年の宅建試験について「総合的には

昨年度よりやや易しいと見ることができるようだ」としながらも、「民法・権利関係

を中心に難問が多く出題された」とおっしゃっています。

 http://www.daito.ac.jp/~mnoguchi/takken/takken_bunseki.htm

 昨年受験した方は肌身でお感じになっていると思いますが、これまでの予備校

が言っている民法の難化ということが法律学専攻の大学の教授からも指摘されて

いることがわかります。野口先生の分析によれば、「2001年度の権利関係は、

例年にも増して難しかった」とコメントしています。

 この中で野口先生は、民法では、基本書の精読は当然として基本的な判例

への理解も必要であるとおっしゃっています。

 ≪毎年判例が出題されるので、最高裁判所の基本判例は必ず押さえておき、

  基本書に出てくる条文は必ず六法を開いて参照する習慣をつけることが

  勉強の基本である。≫

また、宅建試験の権利関係については、

 ≪最近の宅建試験は、権利関係をきちんと勉強していないと合格できない難しい

  試験になっている。≫

ともコメントし、注意をうながしています。

■難問化の正体■

 最近の難問化ということも、よく考えてみる必要があります。

 昨年の問題の難問化は、囲繞地通行権(他の資格試験では頻出)、

組合契約、定期贈与契約などの新顔は除くにしても、代理・錯誤・物権

変動・抵当権・敷金返還請求権・借地権などの問題は、実は過去問の焼き直し+

深化であり、「過去問範囲の知識の幅の広がり」という側面を持っています。

 → 昨年の難問化は次号から分析予定。

 事例問題が多いのも、「単なるマル暗記では得点させない」という問題作成者の

意図が感じられます。過去問のマル暗記では対応できなくなっているということも

言えるように思われます。≪事例を分析して解かせる≫という流れがあります。

 → 昨年の錯誤の問題は、「判例による意思表示の研究」で分析してあります。

   http://tokagekyo.7777.net/will/sakugo-2.html

   

 ここは、非常に注目すべき事と思います。過去問を演習するにしても、しっかり

したバック・ボーンで問題を解くことを要求しているように見うけられるからです。

単なるマル暗記では、問題文の事例を正確に分析できません。

 これまでの民法の学習法は、

  ・マル覚えしたものがそのまま7割は出題されるので、重要過去問のマル覚え

   でよい

というものが多かったのですが、今後は、

  ・重要過去問の背景知識や基礎知識の習得による、正確な事例の分析

がカギを握っているように思われます。

 考えてみますと、宅建の基本書と言われるものの中には、判例であることを

明示していないものもみうけられ、受験者はある程度は、対策を練る必要があり

そうです。

◎学習時間の増加は、勿論、演習時間の増加が大きいと思いますが、アウトプット

だけでなく、インプットにもじっくり時間をかけてきている傾向もあると思います。

■民法の条文と判例■

 本屋さんに行くと、判例六法というものがあります。民法だけでなく、他の

法律の条文と判例も掲載してあります。しかし、宅建の受験のために、このような

大部のものは使いにくいため、もっとコンパクトなもののほうがわかりやすいと

思います。

 宅建試験が難化しているといっても、いたずらに出題範囲を広げ、また出題レベル

を上げているわけではなく、これまでの出題に関連したものが新たに出題されている

に過ぎず、民法の全範囲に広がっているわけではないからです。

 宅建試験での民法は、宅地建物の取引に関連したものしか出題されないと言い切って

もよいものであり、基本書や過去問と全く関連性がないものが出題される可能性は

かなり少ないものと思われます。

 したがって、基本的な判例を押さえるといっても、徹底的に調べるという態度のもの

ではなく、あくまでも学習の補充と言う位置付けに止まるものと思われます。基本書や

過去問で目にした項目を確認する程度で十分だと思われます。

 このように考えてみますと、市販されているものの中では、民法の条文を解説した

ものとしては、以下のものが宅建受験者には使いやすいと思われます。

・自由国民社 口語六法全書 民法 \1,650(税抜き)

・東京リーガルマインド 完全整理 択一六法 民法 \2,000(税抜き)

・自由国民社 択一式受験六法 民法編 \2,000(税抜き)

 三つとも基本的な判例は押さえてありますが、ただ解説に温度差があり、

条文がカタカナ表記・ひらがな表記と異なっていて、3冊とも特色があります。

個人差もあるため、自分にとってわかりやすいものをお選びください。

 また、これは無理に揃える必要もなく、気になった時に本屋さんで立ち読みする

程度でも十分だと思います。要は、民法学習の意識の仕方が問題になっているわけで

あり、専門書を読む必要はないわけですから。

◎民法の条文の検索

http://www7.big.or.jp/~fujiko/web_minpo.htm

また、民法の位置付けや性格については、以下のものが役に立つと思われます。

・有斐閣ブックス エッセンシャル民法*1 民法入門・総則 [第2版]

   永田眞一郎・松本恒雄・松岡久和 (有斐閣) \2,000 (税抜き)

 この本は、もともとは大学一年生に民法の骨格を教える為の教科書なので

 専門書のように、読むのが苦痛と言うことはありません。

 コラムや図表などで、意外なところで民法が生きていることを目の当たりに

 すると、民法が面白くなるかもしれません。

▼活用法としては、やはり、基本書や過去問で気になるところをパラパラめくって

参考資料にする程度だと思います。要は、基本書や過去問の記述を相対化して

見られる背景知識を徐々にアタマにいれて、民法の思考方法に慣れるという意味で

必要なものと思われます。民法の思考方法は基本書だけではなかなか身につくもの

ではないと思われるからです。

 宅建の民法の学習のやりにくさの原因として、基礎知識や背景知識が不足している

状況で知識を詰めこまざるを得ないということがあります。有斐閣ブックスのエッセ

ンシャル民法*1 民法入門・総則 [第2版] は、このようなときに、アタマを

解きほぐすには恰好のものと思います。もちろん、これは一つの例であり、ほかにも

マンガなどの入門書もあります。民法でアタマが疲れているときには、癒してくれる

ものがあれば、勇気百倍です。

◎大学の民法の参考ページ例

http://www.rsch.tuis.ac.jp/~naruse/online/law/c_law_1.html

●メルマガの「不動産の物権変動」は連載がそろそろ終わりますが、次のシリーズと

して、「契約法」を予定しています。

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2 宅建合格作戦―時間配分とペース配分の重要性

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民法や税法その他については、長期に学習するものと考えていいのですが、

宅建業法や法令上の制限では、7月までに一通りの学習を終わらせておく必要が

あります。

 これは、細かく覚えるところが多いため何度も繰り返して演習しないと得点が

望めません。短期学習の場合は一通り見るのがやっとですが、半年以上と言う

学習期間においては、何度でも繰り返せるというメリットがあります。

 宅建業法や法令上の制限は取りこぼしが許されないだけに、一度は集中して

早めに終わらせて、問題の反復演習の時間を十分確保する必要があります。

 1000本ノックの法令制限では平成の過去問ほぼ全てを掲載していますし、また

宅建業法編でも基本的なものはほとんどカバーしてあります。ぜひ、お早めに

この二つの分野は、お手持ちの過去問集とともに1000本ノックをご活用下さい。

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3 サイトのリニューアルについて

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 サイトのリニューアルは、まだまだ時間がかかりそうです。今回のリニュー

アルでは予定していたものが多く、コンテンツとしては、以下のものを新たに

アップロードしました。

◆宅建試験の受験ガイド

 http://tokagekyo.7777.net/takken/shiken-guide.html

 これは、昨年の受験ガイドを手直しして、以下のものを追加してあります。

(註1)試験協力機関一覧 、(註2)試験案内で規定されている試験内容、

(註3)指定講習受講者の5問免除、(註4)「需給に関する法令及び実務」の出題

(註)都道府県の所管課一覧

 5問免除制度についても、最近はいろいろ言われてきているようですが、

実は、それほど、一般受験者にとっては脅威ではないことも指摘しておきました。

5問免除者を除いた一般受験者の合格率なども掲載しておきましたので、ご確認

ください。

◆宅建試験のFAQ

 http://tokagekyo.7777.net/takken/faq-top.html

▼今更ながらとお思いかも知れませんが、受験ガイド・FAQとも、ご覧になれば、

何か発見があるかもしれません。宅建試験では、試験や合格後の手続について、

不明な事が多く、一通りのことはカバーしてあります。本来、これは「受験ガイド」

本の領域だと思いますが、ものによってはそのガイド本や他のサイトでも指摘して

いないものもあります。これは、ひとえに当サイトの閲覧者の方々のご協力あっての

ものであり、深く深く感謝申し上げます。

◆サイト情報関係と操作性の改善

 学習記事以外では、サイト情報の開示のページを新設し、サイトの性格や

了解事項を確認してあります。

 http://tokagekyo.7777.net/equipment/index.html 

◆1000本ノックの更新について

 操作性の改善が、現在、サイト更新作業の中で大きな比重を占めています。

(この中では、色調整がうまく進まず、思いのほか長期間になっています。)

このため、思うように更新が進まず、ご迷惑をおかけしております。ただ、

先週でほぼ大きなものは終えた為、今後は1000本ノックの校訂・追加作業に

専念できます。

 ☆1000本ノックのパネルとして以下のページを用意しました。

 http://tokagekyo.7777.net/1000/index.html

 

 ここでは、1週間単位のアクセス状況と更新状況をお知らせしています。

 アクセス状況 http://tokagekyo.7777.net/1000/index.html

 更新状況   http://tokagekyo.7777.net/1000revised-enlarged.html

◆法改正対応について

 今年は、都市計画法と建築基準法を除けば、大きな改正はありません。

そのため、今年は法改正については余り気にする必要はないものと思われます。

(微細部分については若干ありますが、これはさほど気にするほどのものとは

言えないと思います。メルマガの法改正2002をご参照下さい。)

毎年のように、税法の改正が話題になりますが、今年は宅建試験範囲では、

ほとんど税法改正がなく、この点では余り心配する事はなさそうです。

 区分所有法の改正とマンションの建替えの円滑化に関する法律の施行が、

この秋に予定されています。マンション管理士・管理業務主任者の試験では

対策を考える必要がありますが(マンション管理士の試験範囲は12月1日施行

のものでした)、宅建試験では、この二つについては考える必要がありません。

(今年の試験範囲は、平成14年4月1日現在に施行されているもの)

 法改正については、今年改正・施行のものよりもむしろ、この3年間くらいの

改正・施行されたものに注意を向けたほうがよさそうです。基本書によっては、

この3年間の改正施行のものについて余り指摘していないものもあるからです。

以下のページをご覧になる事をお薦め致します。

 http://tokagekyo.7777.net/kaiseihou/index.html

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4 学習スケジュール例      

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7月までにマスターすることを前提にして、毎月提案させていただきます。

ゆっくり過ぎるとお思いかもしれませんが、これぐらいのゆとりがないとアタマに

入るものではないと思います。お使いの過去問集のほかに、1000本ノックの該当

箇所を参照されると効果的です。

■4月〜5月の民法

 契約法・手付・条件と期限

 買戻し・債務不履行・危険負担・解除・担保責任・

 債権譲渡・代物弁済・相殺

■4月〜5月の法令上の制限

 国土利用計画法・土地区画整理法・農地法・宅地造成等規制法

■4月の宅建業法

 広告・媒介契約・重要事項説明・告知義務・クーリングオフ・自ら売主制限・

 手附の制限・報酬規定・業者間の取引

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●1000本ノック活用のヒント●

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 を選択すると、画面がタテに長くなります。

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1000本ノック・モニター・レポート No.5

 ご意見、ご感想などは、以下までどうぞ。

 webmaster@tokagekyo.7777.net

 http://www.tokagekyo.7777.net/msgpro310/

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