今回の正解です
1. 【正解:X

2. 【正解:
X

3. 【正解:X

4. 【正解:

5. 【正解:X

次の記述は民法の規定および判例によると○か、×か。

1.「公序良俗に反する契約は取消すことができる。」

【正解:×】
公序良俗に反するものは、取消ではなく、「無効」です。

<「公序良俗違反」とは>
一般大多数の人が、道徳面において守るべきであろうと常識的に思うことに反するこ
とを指します。
(例)愛人契約、賭け麻雀

 無効とは、誰からも、また誰にも主張できるものですが、公序良俗に反する契約が履行された場合には、不法原因給付(708条)により、「不法な原因のため給付をした者は その返還を請求できない」とされていることに注意してください。

 (公序良俗)
第90条  公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。

(不法原因給付)
第708条  不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。

2.「AがBと通謀してAの不動産の登記名義をBにうつし、Bはこの不動産をCに
売却した。Aは、AB間の契約の虚偽表示の無効をCに対抗することはできない。」

【正解:×】
Aは、善意(無過失であることを要しない)のCに対しては、所有権を主張できず、
Cが所有者になります(判例)。
本問では単に“C”としかかかれておらず、「善意の」という文言が抜けています。


3.「意思表示に錯誤があった場合、その行為は無効にならないが、その錯誤が法律
の重要な部分に関して重大な過失があった場合には、無効を主張できる。」

【正解:×】
法律の要素に錯誤(ウッカリ/勘違い)がある意思表示は「無効」です。
しかし、表意者に“重大な過失”があれば表意者自身が無効を主張することができま
せん。
なお、「重大な過失」であるかどうかは、裁判所が判断します。

<「法律行為の要素」とは>
 法律行為全体から見て、「決定的に重要なポイント」となる部分をいいます。
 具体的には、錯誤に気づいたならば、普通の人なら、その意思表示そのものをしな
かったであろう、と考えられる程度に重要な事項をいいます。
(例)小切手で債務を払うときに100,000円を“1,000,000円”としてしまった場合。

<関連>
錯誤による売買契約によって、
・動産の占有を取得した者から、善意の取引行為によって動産を取得した第三者には
対抗できない。
・不動産の占有を取得した者から取得した第三者は、たとえ善意で登記を備えていて
も対抗できる。


4.「人に嘘をついても、相手方がその嘘の意思表示を信じてしまったときは、表意
者は、その意思表示が無効であることを主張できない。」


【正解:○】
嘘とは、自分の本心(真意)と違うことを言うこと(心裡留保)です。
しかし、相手は、嘘かどうかわかりませんから、その嘘を信じるしかありません。
心理留保された意思表示は原則として「有効」です。が、相手が真意を知っている
か、知ることができる立場であるときは「無効」です。


5.「相手の詐欺の結果おこなった意思表示であれば、その取消を善意の第三者に対
抗することができる。」

【正解:×】
相手に騙されておこなった場合、相手には取消しできますが、善意の第三者までにそ
の取消しを対抗することはできません。


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