法令上の制限 基礎編
建築基準法・道路規制の問題4 地方公共団体と道路規制
正解・解説
【正解】
1 | 2 | 3 |
× | ○ | × |
都市計画法の改正により創設された準都市計画区域の区域内でも都市計画区域と同じ規制が適用されます。 |
次のそれぞれの記述は、建築基準法の規定によれば○か、×か。 |
1.「地方公共団体は,土地の状況等により必要な場合は、建築物の敷地と道路と
の関係について建築基準法に規定された制限を、条例で緩和することができる。」
H12-24-3
【正解:×】
◆条例による、建築物の敷地と道路との関係の制限の附加 以下に見るように、地方公共団体は、都市計画区域・準都市計画区域内の建築物の敷地と道路との関係について、建築基準法に規定された制限を、条例で附加することはできますが、緩和する事はできません。 ◆単体規制との比較も重要です。→図表参照
<根拠条文>43条2項 地方公共団体は、特殊建築物、階数が3以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物又は延べ面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合においては、その延べ面積の合計。第4節、第7節及び別表第3において同じ。)が1000平方メートルを超える建築物の敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係についてこれらの建築物の用途又は規模の特殊性により、前項の規定(43条1項の接道義務の規定)によつては避難又は通行の安全の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、必要な制限を付加することができる。 【類題】 H4-22-4、H8-25-4 |
●条例による接道義務の制限の附加(都市計画区域・準都市計画区域内) | ||
どこの条例か | 対象となる建築物 | |
制限の附加 | 地方公共団体 | ・特殊建築物、
・階数が3以上である建築物、 ・政令で定める窓その他の開口部を有しない ・延べ面積が1000平方メートルを超える建築物 |
↑
間違いやすい点 (思い違いに注意!) |
・道路規制全体の規定について制限するのではない。 ・対象となる建築物は限定されています。 ・どんな要因・理由でも制限を附加できるのではなく、 前項の規定(43条1項の接道義務の規定)によつては 避難又は通行の安全の目的を充分に達し難い と認める場合においては、と言う制限がかけられている ことに注意してください。 |
●条例による制限の附加と緩和のまとめ(単体規定の場合) | ||
どこの条例か | 国土交通大臣の承認 | |
制限の附加 | 地方公共団体 | 40条には記載なし |
制限の緩和 | 市町村 | 要する |
2・「私道の所有者が私道を廃止し、又は変更する場合、その私道に接する敷地に与え
る影響のいかんによっては、特定行政庁から、その廃止又は変更を禁止し、又は制限
されることがある。」H6-22-3
【正解:○】
◆「私道の変更又は廃止」に対する制限 これも思い違いの多いところです。 条文を見てもわかるように、私道の所有者が私道の廃止・変更することに対して特定行政庁が行う禁止や制限は、その私道の変更・廃止によって接道義務の規定・地方自治体による接道義務規定の制限への附加の規定に抵触する場合にのみ行われます。 どんな場合にも、私道の廃止・変更に禁止がかけられるのではありません。 <根拠条文> 第45条1項 私道の変更又は廃止によつて、その道路に接する敷地が第43条第1項の規定(接道義務の規定)又は同条第2項の規定(地方自治体による接道義務の規定の制限の附加基く条例の規定)に抵触することとなる場合においては、特定行政庁は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができる。 |
●接道義務に関連するもののまとめ |
1) 条例による、建築物の敷地と道路との関係の制限の附加
(43条1項の接道義務の規定)によつては避難又は通行の安全の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、必要な制限を付加することができる。 2.「私道の変更又は廃止」に対する制限 私道の変更又は廃止によつて、 「接道義務の規定」又は 「地方自治体による接道義務の規定の制限の附加に基く条例の規定」 に抵触することとなる場合においては、 特定行政庁は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができる。 |
3.「都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域で都道府県が指定する区域内では、
地方公共団体は条例で、建築物又はその敷地と道路との関係の規定を都市計画区域・
・準都市計画区域内の規定より厳しいものにすることができる。」
【正解:×】
◆両区域以外の区域内の建築物に係る制限(施行令136-2-8の1項) いわゆる単体規定は都市計画区域に限らず、全国一律の基準でしたが、建築基準法第41条の2から始まる、第3章は別名、「集団規定」とも呼ばれています。 この集団規定の中には、今回の道路規制、用途制限、容積率、建蔽率、高さ制限、防火地域などが含まれています。この集団規定は、本来、「都市計画区域及び準都市計画区域内」に限り適用されるものですが(法41条の2)、例外として、両区域外の区域についての建築物・敷地・構造などへの制限について、扱っている箇所があります。それが本設問内容に絡んでいます。 両区域以外の区域で都道府県が指定する区域内では、地方公共団体は条例で、建築物又はその敷地と道路との関係の規定を建築基準法の規定より厳しいものにしてはいけないことになっています。 本設問では、逆に「厳しいものにすることができる」と書いてある為、不適切です。 ●根拠条文 1.建築基準法68条の9 (都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物に係る制限) 都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内で、都道府県が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内においては、地方公共団体は、その区域の土地の利用状況等を考慮し、適正かつ合理的な土地利用を図るために必要と認めるときは、政令で定める基準に従い、条例で建築物又はその敷地と道路との関係、容積率、建築物の高さその他の建築物の敷地又は構造に関して必要な制限を定めることができる。 2.施行令136の2の8の1項 建築物又はその敷地と道路との関係 建築基準法43条〜45条の規定による制限より厳しいものでないこと。 |