法令上の制限 基礎編

建築基準法・単体規定の問題3 建築設備

正解・解説


【正解】

× × ×

次のそれぞれの記述は、建築基準法の規定によれば○か、×か。

1.「高さ31mを超える建築物には、周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き、

有効に避雷設備を設けなければならない。」

【正解:×

◆避雷設備(33条)

 高さ“31m”ではなく、「20mを超える建築物には、有効に避雷設備(避雷

針とアースなど)を設けなければなりません

【類題】 

高さ25mの建築物には,周囲の状況によって安全上支障がない場合を除き,

有効に避雷設備を設けなければならない。H12-22-2

2.「高さ20mを超える建築物には、非常用の昇降機を設けなければならない。」

【正解:×

◆非常用の昇降機(34条) 

 高さ“20m”ではなく、「31mを超える建築物には、非常用の昇降機(エレ

ベーターなど)を設けなければなりません。

【類題】H11-22-4(高さ12m), H12-22-3

【類題】

高さ25mの建築物には,安全上支障がない場合を除き,非常用の昇降機を設けな

ければならない。H12-22-3 

3.「地方公共団体は、土地の状況により必要と認める場合においては、国土交通大

臣と協議して、条例で区域を限り、建築基準法の建築物の敷地、構造又は建築設備

の規定による制限を緩和することができる。」

【正解:×

◆市町村の条例による緩和

 市町村は、土地の状況により必要と認める場合においては、国土交通大臣の

承認を得て条例で区域を限り、以下の規定の全部若しくは一部を適用せず

又はこれらの規定による制限を緩和することができます。

 ×地方公共団体 → ○市町村、

 ×国土交通大臣と協議 → ○国土交通大臣の承認を得て 

市町村の条例による制限の緩和(41条)
・19条 敷地の安全及び安全

・21条 大規模の建築物の主要構造部

・28条 居室の採光及び換気

・29条 地階における住宅等の居室

・36条 技術的水準

 居室の採光面積、天井及び床の高さ、床の防湿方法、階段の構造、便所、防火壁、防火区画、消火設備、避雷設備及び給水、排水その他の配管設備の設置及び構造並びに浄化槽、煙突及び昇降機の構造に関して、この章の規定を実施し、又は補足するために安全上、防火上及び衛生上必要な技術的基準は、政令で定める

市町村の条例による緩和ができないもの(41条)
特殊建築物で、劇場、映画館、病院、ホテル、学校、体育館、百貨店、ナイトクラブ、倉庫、自動車車庫、修理工場などの用途に供する部分の床面積の合計が100平方メートルを超えるもの

木造以外の建築物で、

2以上の階数を有するか、又は延べ200平方メートルを超えるもの

4.「地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の

用途若しくは規模に因り、建築基準法の規定又はこれに基く命令の規定のみに

よっては建築物の安全、防火又は衛生の目的を充分に達し難いと認める場合に

おいては、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上

又は衛生上必要な制限を附加することができる。」

【正解:

◆地方公共団体の条例による制限の附加(40条)

 本設問の記述の通りです。

●条例による制限の附加と緩和のまとめ
どこの条例か 国土交通大臣の承認
制限の附加 地方公共団体 40条には記載なし
制限の緩和 市町村 要する

単体規定とは、一つ一つの建築物が、全国一律に適合していなければならない規定です。しかし、中には、地方の状況により、建築物の敷地、構造又は建築設備の1部の規定には、市町村の条例による緩和、地方自治体の制限の附加もあります。

◆おつかれさまでした

 単体規定の平成年間の独立した問題である過去問は、ほぼ解き終えました。皆様も過去問を解いた時に、法改正があったかどうか、確かめるようにしてください。条文番号の載っている問題集なら、調べる事ができます。

 ほかのセクションもそうですが、問題を解いて解説を読む繰り返しを3〜4回やれば、大体の所はアタマにはいります。


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