法令上の制限 基礎編

都市計画法(概容)に関する問題

再開発等促進区


再開発等促進区を都市計画に定める場合に必要とされる土地の区域の条件に該当しないものは,都市計画法の規定によれば,次のうちどれか。(マンション管理士・平成15年・問22改)

1.「現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり又は著しく変化することが確実であると見込まれる土地の区域であること。」

2.「土地の合理的かつ健全な高度利用を図るため,適正な配置及び規模の公共施設が整備された区域であること。」

3.「当該区域内の土地の高度利用を図ることが,当該都市の機能の増進に貢献することとなる土地の区域であること。」

4.「用途地域が定められている土地の区域であること。」

【正解】

×

【正解:

◆再開発等促進区の区域指定要件

 この問題は,都市計画法15条の5第3項ソノママの出題です。指定要件は次のようになっています。

一  現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると見込まれる土地の区域であること。

二  土地の合理的かつ健全な高度利用を図るため、適正な配置及び規模の公共施設を整備する必要がある土地の区域であること。

三  当該区域内の土地の高度利用を図ることが、当該都市の機能の増進に貢献することとなる土地の区域であること。

四  用途地域が定められている土地の区域であること。

 本問題では,肢2が都市計画法の条文と異なっているので肢2が×です。

再開発等促進区とは,地区計画区域の中で,市街地の再開発又は開発整備の必要な区域を定め,道路,公園,広場などの公共空間を整備することにより,容積率などの建築物に関する制限を緩和し,土地の高度利用と都市機能の増進とを図ろうとするものです。

 沿革 再開発等促進区は,再開発地区計画(昭和63年創設)及び住宅地高度利用地区計画(平成2年創設)を統合し,平成14年に創設されました。〔再開発地区計画及び住宅地高度利用地区は廃止されました。〕

建築規制で緩和されるもの 建築基準法68条の3

 容積率・建ぺい率・高さ制限 ⇒ 地区整備計画

 道路斜線・隣地斜線・北側斜線・用途規制 ⇒建築審査会の同意を得て,緩和を特定行政庁が許可

地区計画(再開発等促進区)を決定して計画的に土地利用転換を誘導

 兵庫県 http://web.pref.hyogo.jp/keikaku/kankyou/tikukei5.html
 東京都 http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2003/06/70d6n104.htm

○東京都の再開発等促進区を定める地区計画等の案の作成手続に関する条例
 http://www.reiki.metro.tokyo.jp/honbun/g1011204001.html

○再開発等促進区の概要
 http://www.sumai-info.jp/machi/seido/kisei/68-3saikaihatsu.html

都市計画法の条文チェック 12条の5 第3項〜第5項
第3項  次に掲げる条件に該当する土地の区域における地区計画については、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とを図るため、一体的かつ総合的な市街地の再開発又は開発整備を実施すべき区域(以下「再開発等促進区」という。)を都市計画に定めることができる。

一  現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると見込まれる土地の区域であること。

二  土地の合理的かつ健全な高度利用を図るため、適正な配置及び規模の公共施設を整備する必要がある土地の区域であること。

三  当該区域内の土地の高度利用を図ることが、当該都市の機能の増進に貢献することとなる土地の区域であること。

四  用途地域が定められている土地の区域であること。

第4項  次に掲げる条件に該当する土地の区域における地区計画については、劇場、店舗、飲食店その他これらに類する用途に供する大規模な建築物(以下「特定大規模建築物」という。)の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施すべき区域(以下「開発整備促進区」という。)を都市計画に定めることができる。

一  現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実であると見込まれる土地の区域であること。

二  特定大規模建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、適正な配置及び規模の公共施設を整備する必要がある土地の区域であること。

三  当該区域内において特定大規模建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進を図ることが、当該都市の機能の増進に貢献することとなる土地の区域であること。

四  第二種住居地域、準住居地域若しくは工業地域が定められている土地の区域又は用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)であること。

第5項  再開発等促進区又は開発整備促進区を定める地区計画においては、第二項各号に掲げるもののほか、当該再開発等促進区又は開発整備促進区に関し必要な次に掲げる事項を都市計画に定めるものとする。

一  土地利用に関する基本方針

二  道路、公園その他の政令で定める施設(都市計画施設及び地区施設を除く。)の配置及び規模

【参考】第12条の4 第2項 地区計画等については、都市計画に、地区計画等の種類、名称、位置及び区域を定めるものとするとともに、区域の面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとする。

 施行令(地区計画等について都市計画に定める事項)

第7条の3  法第12条の4第2項 の政令で定める事項は、区域の面積とする。

【参考】第12条の5 第2項  地区計画については、前条第二項に定めるもののほか、都市計画に、第一号に掲げる事項を定めるものとするとともに、第二号及び第三号に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。

一  主として街区内の居住者等の利用に供される道路、公園その他の政令で定める施設(以下「地区施設」という。)及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画(以下「地区整備計画」という。)

二  当該地区計画の目標

三  当該区域の整備、開発及び保全に関する方針

【参考】 施行令

(再開発等促進区又は開発整備促進区を定める地区計画において定める施設)

第7条の5  法第12条の5第5項第2号 の政令で定める施設は、道路又は公園、緑地、広場その他の公共空地とする。

第6項  再開発等促進区又は開発整備促進区を都市計画に定める際、当該再開発等促進区又は開発整備促進区について、当面建築物又はその敷地の整備と併せて整備されるべき公共施設の整備に関する事業が行われる見込みがないときその他前項第二号に規定する施設の配置及び規模を定めることができない特別の事情があるときは、当該再開発等促進区又は開発整備促進区について同号に規定する施設の配置及び規模を定めることを要しない。


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