題名:平成17年・問24 投稿者:十影 投稿日時:2006/7/16(日) 23:53:46 |
【問24】 宅地造成等規制法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、この問における都道府県知事とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び特例市にあっては、その長をいうものとする。
1 国土交通大臣は、都道府県知事の申出に基づき、宅地造成に伴い災害が生ずるおそれの著しい市街地及び市街地となろうとする土地の区域を宅地造成工事規制区域として指定することができる。
2 宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事は、擁壁、排水施設又は消防の用に供する貯水施設の設置その他宅地造成に伴う災害の発生を防止するため必要な措置が講じられたものでなければならない。
3 造成主は、宅地造成等規制法第8条第1項の許可を受けた宅地造成に関する工事を完了した場合、都道府県知事の検査を受けなければならないが、その前に建築物の建築を行おうとする場合、あらかじめ都道府県知事の同意を得なければならない。
4 都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内の宅地で、宅地造成に伴う災害の防止のたる必要な擁壁が設置されていないため、これを放置するときは宅地造成に伴う災害の発生のおそれが著しいものがある場合、一定の限度のもとに当該宅地の所有者以外の者に対しても擁壁の設置のための工事を行うことを命ずることができる。
正答率 28.6%
【問24の解き方】 宅地造成等規制法は,やさしい問題が諸法令で出題されて単独問題では出題されなかった年が過去に何年か続いたために,余り学習していない受験者が多い。出題者はその辺の事情には極めて明るく,用意周到に手堅く保全関係の問題を出題した。
肢1,肢2はすぐ切れるが,肢3には少し迷った方がいるかもしれない。
肢4については,どの基本書にも書いてある基本知識のはずだが,意外に正答率が低い。学習不足の受験者が多かったものと思われる。
1 × 宅地造成工事規制区域の指定
宅地造成工事規制区域は,都道府県知事 (又は指定都市等の長。以下,同じ。)が定めるので誤り。なお,宅地造成工事規制区域は,<宅地造成に伴い災害が生ずるおそれの著しい市街地及び市街地となろうとする土地の区域>に指定するという後半部分の記述は正しい(宅地造成等規制法・3条1項)。
2 × 宅地造成に関する工事の技術的基準等 制度趣旨で考える問題。
宅地造成工事規制区域内において行なわれる宅地造成に関する工事は,政令で定める技術的基準に従い,擁壁又は排水施設の設置その他宅地造成に伴う災害を防止するため必要な措置が講ぜられたものでなければならない(宅地造成等規制法・9条1項)。
消防の用に供する貯水施設の設置は,宅地造成に伴う災害とは関係ないのだから,災害の防止のため必要な措置の中には入っておらず,誤りであることはすぐわかる。
▼9条1項の規定により講ずべきものとされる措置のうち政令で定めるものの工事<高さが5mを超える擁壁の設置,切土・盛土をする土地の面積が1,500平方メートルを超える土地における排水施設の設置>は,政令で定める資格を有する者の設計によらなければならない(宅地造成等規制法・9条2項,施行令17条)。
▼宅地造成工事規制区域内の宅地の所有者・管理者・占有者は,宅地造成(宅地造成工事規制区域の指定前に行なわれたものを含む。)に伴う災害が生じないよう,その宅地を常時安全な状態に維持するように努めなければならない(宅地造成等規制法・15条1項)。
▼都道府県知事は,宅地造成工事規制区域内の宅地について,宅地造成に伴う災害の防止のため必要があると認める場合には,その宅地の所有者・管理者・占有者等に対し,擁壁又は排水施設の設置又は改造その他宅地造成に伴う災害の防止のため必要な措置をとることを勧告することができる(宅地造成等規制法・15条2項)。
3 × 工事完了の検査前の建築行為
造成主は,宅地造成等規制法第8条第1項の許可を受けた宅地造成に関する工事を完了した場合,宅地造成に関する工事の技術的基準等に適合しているかどうかについて,都道府県知事の検査を受けなければならない(宅地造成等規制法・12条1項,9条1項)。
その検査の前に建築物の建築を行おうとする場合,あらかじめ都道府県知事の同意を得なければならないとする規定は宅地造成等規制法にはない。
4 ○ 改善命令
本肢では,当該宅地の所有者以外の者に対しても擁壁の設置のための工事を行うことを命ずることができるというのがポイント。災害防止のためには,所有者以外の者にも命令することができるようにしておかないと実効性が薄いということを理解しておけば,本肢が正しいことがわかる。
都道府県知事は,宅地造成工事規制区域内の宅地で,宅地造成に伴う災害の防止のため必要な擁壁又は排水施設が設置されていないか又はきわめて不完全であるために,これを放置するときは,宅地造成に伴う災害の発生のおそれが著しいものがある場合に,その著しいおそれを除去するため必要であり,かつ,土地の利用状況等からみて相当であると認められる限度において,当該宅地・擁壁・排水施設の所有者,管理者又は占有者に対し,相当の猶予期限をつけて,擁壁・排水施設の設置・改造又は地形の改良のための工事を行なうことを命ずることができる(宅地造成等規制法・16条1項)。
【関連出題歴】昭和52年・肢3,平成6年・問25・肢4,
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題名:Re:平成17年・問24 投稿者:しの 投稿日時:2005/11/21(月) 14:31:22 |
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1×、都道府県知事なので間違い
2×、消防の用に供する貯水施設の設置で悩みましたが、
「この項目はなかったはずだ」と思ったのを信じました
3×、検査前なので間違い
4○、占有者にも命ずる事ができたはず・・・と思い正解
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題名:Re:平成17年・問24 投稿者:koo 投稿日時:2005/11/11(金) 17:09:15 |
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1.都道府県知事が定めるので×と判断
2.消防の用に供する貯水施設の設置で悩みましたが災害防止のためだから、貯水施設も必要なのでは?と逆に考えてしまい、○と判断(結局×でしたね)
3.よく分かりませんでしたが、工事完了の際に知事の検査があるのだから、事前に知事の同意はいらないのでは?と単純に考えました。又、仮に必要であったとしても知事が事前にかかわった上、最後に検査をするほど重要なのであれば「同意」では足らず、「許可」が必要なのでは?とも考えました。以上から×と判断しました。結局同意はいらなかったんですね。
4.所有者以外の者にまで工事命令できるとなるとそれらの者に不利益が及ぶのでは?と考え×と判断。よく考えてみれば個人の利益よりも、災害防止という公共の利益の方を優先するのは当然でしたね。もっとよく考えるべきでした。本問は不正解でした。
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題名:Re:平成17年・問24 投稿者:うみ 投稿日時:2005/11/4(金) 22:12:12 |
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やや難しかったです。
肢1と3はすぐに誤りと判断出来ました。
肢2は迷いましたが、肢4が正しいと思ったので、肢4を選択し、なんとか得点できました。
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