宅建試験 FAQ-4 |
宅建試験の学習ツール・教材のQ&A |
◆学習教材一覧については、宅建学習ツールガイド をご覧下さい。
Q0 昨年受験用の基本書と過去問集をもらいました。今年の受験に使えますか? |
A0 〜 浦島太郎状態にならないようにしましょう。
このご質問は毎年繰り返されるものですが、原則としては、今年の受験のものを使うべきです。 ・法改正による用語やスキームの変化 ・出題傾向の変化 この2つを独力でカバーするのは大変です。また、旧法で覚えたものを前年法改正したものに覚え直すというのも非効率です。 確かに、改正法の出題は、例年そんなに多くはありません。近年では、周知期間の経過を待つかのように、昔から見ると出題は少なくなっています。しかし、法改正は法律の構成そのものを変えてしまうことがあります。 宅建試験では約26万人が出願し、合格者は約3万5千人(平成20年度は、33,946人です。)現行の法律を知らないで受験してしまう「浦島太郎受験生」は、かなり不利になることを覚悟しなければなりません。 ▼法改正が僅かで、また出題傾向にも前年に変化がなかった年では、前年受験用のものでも間に合うかもしれません。しかし、最近は毎年大きな法改正がある状況ですから、その年の受験用の基本書や過去問集を使うのが無難です。 ▼『改正法は試験には出ない』という願望を込めた神話が受験者の一部にあるようです。しかし、平成14年の宅建試験では、準都市計画区域・両区域外での開発許可(平成13年から施行)、土砂災害防止法(平成13年から施行)、風致地区(平成13年から施行)などが現実に出題されており、願望を込めた神話を鵜呑みにするのは極めて危険です。(土砂災害防止法を除いて平成14年から新しく出題範囲になっていたものです。) 平成12年の宅建試験では、法改正前の記述を選択肢の中に入れて「正しいものはどれか」という問題設定にしたものがありました。その問題では自己採点の正答率が5割を切っていた例(32.9%)もありました。合格最低点が35点を超えた現在、知らなかったために失点したというのは致命傷になりかねません。知らなかったのは自分だけということのないように、くれぐれもご注意ください。 |
Q1 学習に最低限必要なものは何ですか。 |
A1 〜
基本書と過去問集は、最低限必要ではないかと思います。 【基本書】=重要事項・頻出事項を整理し、学習者に提示するもの。 注意したいのは、「万全な基本書」は存在しない、ということです。 どの本も、完璧にマスターすれば、宅建試験には対応できます。 【過去問集】=学習する単元ごとに、頻出過去問をまとめ、解説したもの。 ▼学習期間や学習者の個性、必要に応じて、他の教材を加えればいいわけです。 ●法改正情報の冊子の請求は、必ず、早いうちにハガキを出しておきましょう。 早い所で5月末日、遅くとも7月中ごろには、法改正冊子が送られてきます。 |
Q2 学習日記は効果がありますか。 |
A2 〜
その単元をいつ学習したか、何回目か、理解度はどのくらいか、ということは、最低限知っておく必要があります。 学習日記とは言わなくても、その3項目を本の目次や単元の始め、付箋(ポストイット)に書いておけば、学習状況がわかるので、対策が立てやすくなります。 学習日記は詳しく書きすぎてしまうと、時間もかかり、得策ではありません。シンプルなものでいいのではないでしょうか。日記を書くとすれば、学習計画と実際の学習進度との違いが即座にわかる程度で十分だと思います。 また、疑問点などの記録も意外に役に立ちます。 疑問点→どうやって解決したか→その解決結果 これを一覧表にしていくことで、自分なりの弱点の傾向もつかめます。 |
Q3 学習の時間配分について、注意すべき点はありますか。 |
A3 〜
・インプットではなくアウトプットに時間をかけるのが基本だと思います。 基本書では、学習の核となるものを習得し、過去問集・ドリルなどで知識の習得の確認、知識の補充を行うわけですが、一つの知識を多面的な角度から捉え直すには、この問題演習に時間をかけ、何度も、基本書と問題集の往復を行う事が知識の確実な習得になると思います。 ・知識の整理は空き時間を見つけてやりましょう。 通勤時間やお手すきのときに、簡単な概略本などで知識をマメに確認しておくと、知識が印象に残り、位置付けも行われ、知識が熟成していきます。 |
Q4 過去問集を解くのではなくて読み始めましたが、こんなことをしていて大丈夫かなと不安です。 |
A4 〜
過去問集は、出題時そのままの問題配列になっていることが多く、基本書をお読みになった直後に、過去問集の問題を解くと、違和感を感じる事があります。そのため、解くのではなく、まず読むというのも、賢明な選択だと思います。 ただ、闇雲に読むというだけでは、学習効果は望めません。工夫する必要があります。 ・信頼の置ける、権威ある過去問集を使うこと。過去問集は、ただ過去問を並べてあるというだけではありません。さまざまな工夫がなされています。解説を読んで納得できるものを選んでください。 ・過去問のボー読みでは力はつきません。常に新鮮な気持で読みましょう。 ・古すぎる問題には振り回されないこと。宅建試験では法改正や出題事情により、出題傾向が変わることがあり、最近の出題との対比を常にアタマにおいてください。 ・過去問集を読んでいて何か引っかかる事があったら、すぐ基本書で確認して、裏をとるようにする。 ・過去問集で習得した知識は抜書きする。マーカーを引いただけでは不十分です。サブノートを作るのは時間がかかるので、お薦めできませんが、気がついたことやこれはと思ったことは抜書きして、いつも見るようにすると知識の定着に役立ちます。場合によっては対比表や図表にしてみるといいと思います。 ・法改正に気をつける。法改正により出題の問題文での訊き方が変わってくることがあります。 ・常に、解答を導く根拠とは何かということを意識する。そのためにも、何度も基本書に立ち戻り、知識の整理を心がけましょう。 |
Q5 模擬試験・予想問題はやっておく必要がありますか。 |
A5 〜
・試験直前期では、過去問集は全問できて当たり前。 過去問などで十分、問題演習をしているならば、という条件がつきますが、有益だと思います。『ただ試験に合格すればいい』 という消極的、後ろ向きの学習態度では、意外に知識は身につかないものです。どこかでチャレンジ精神や積極性がないと、モチベーションも維持できません。 試験直前期というのは、長期に渡って学習してきた方の中には、中だるみやモチベーションの低下が起きている場合もあります。このような場合、スパイス替わりにもなります。 また、過去問集ばかりを読んだり解いていたりすると、『視点の固定化』も起こり、過去問集をやることがルーティーン・ワーク化して、考える力がスポイルされてしまうこともあります。そのようなときに活を入れるという意味合いもあります。 模擬試験は、得点に一喜一憂せずに、分野ごとの得点力のチェックをしたり、得点できなかったところを徹底的に調べ、本試験で間違えないようにすることも大切です。また、本試験のリハーサルとして、時間配分、マークチェック(マークミスの防止)、問題を解く順番など、模擬試験でしかできないこともあります。 |
Q6 いま使っている基本書は、宅建業法や法令制限はよくわかるのですが、民法や税法その他が手薄なような気がします。基本書を変えたほうがいいでしょうか。 |
A6 〜
どの基本書にも、『他の本には掲載してあるのに、載っていない』ということがありますので、お気になさる事はないと思います。また、過去問を解いていて、これは基本書には書いてなかったはずだが、と思うことは、よくあります。どの基本書も万全ではないのです。 基本書は、効率良く合格する為には何が必要かという点で考え抜かれて、取捨選択し、知識を配列しています。必ずしも、必要な知識全てを掲載しているとは限りません。また、初学者対象の場合は、あれもこれもと始めから知識を鮨詰めにしても、必ずしも親切とは言えず、却って、知識習得を阻害する事にもなりかねません。基本書には、効率のよい知識習得の案内役という重要な役割があります。(受験者が最終的に保持する知識の全てを基本書に期待するのは、基本書には過酷というものです。) まず、学習の核となる重要事項を着実に身に着けさせる、というのが基本書の役割だと思います。知識の補充は、その基本書でなくても、問題集やインターネットなどでいくらでも補充はできます。 民法・税法その他が不安という方は多いと思いますが、これにより基本書を変えるというのは学習が進んだ段階では得策ではないと思います。 なぜならば、基本書をやり直すというのは膨大なエネルギーと時間を使いますし、また、民法・税法その他に関しては、実は余り基本書間に、そんなに大差はありません。 お手持ちの基本書をご信頼されて、むしろ、問題演習に重点をおいたほうが時間の節約になると思います。また、どうしても他の基本書が気になるならば、辞書替わりにもう一つの基本書を使うという方法をおとりになってはいかがでしょうか。 |
Q7 分野ごとの得点配分は、どのようなことに気をつけるべきですか。 |
A7 〜
合格点は、年々変動する為、学習戦略によっても合否が分かれるものと思われます。 宅建業法(16問)・法令制限(10問)は点取り科目というよりは、9割近く取るのが必須です。この2科目を合計して9割得点しても、わずかに23点〜24点にしかならず、満点でも26点にしかなりません。また、この2つの分野で得点できないと、かなり苦しい戦いになります。 また、本試験で35点以上を取るには、権利関係(15問)、税法その他(9問)の2つで、確実に13点以上をとる必要があります。どうやって、この2つの分野を攻略するかが、課題になると思います。 合格点が35点前後の場合は、宅建業法(16問)・法令制限(10問)では受験者間では余り得点差がつかず、権利関係(15問)、税法その他(9問)での得点の影響力が大きいものと思われます。 |
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