Brush Up! 権利の変動篇

担保責任の過去問アーカイブス 

隠れた瑕疵・除斥期間 昭和56年・問6


不動産の売買契約が行われた後,売買の目的物である不動産に隠れた瑕疵があったことが判明した場合,買主は契約の解除または損害賠償の請求をすることができるが,民法の規定によればこの契約の解除または損害賠償の請求をなし得る期間は,次の記述のいずれとされているか。(昭和56年・問6)

1.「不動産の引渡しの時から1年以内。」

2.「不動産の引渡しの時から2年以内。」

3.「買主が瑕疵がある旨を知った時から1年以内。」

4.「買主が瑕疵がある旨を知った時から2年以内。」

【正解】

× × ×

【正解:

◆隠れた瑕疵の担保責任追及の除斥期間

 売買の目的物に『隠れた瑕疵』があったとき,買主は,発見したときから1年以内であれば,損害賠償請求や,契約の目的を達成できないならば解除をすることができます。

 行使方法について,判例では解除や損害賠償請求は裁判外の意思表示でもよいとしています。(最高裁・平成4.10.20)

関連・解除による代金返還請求と損害賠償の消滅時効

 解除の原状回復による代金返還請求は,意思表示の時を起算点として10年の消滅時効に服することになります。

 しかし,損害賠償請求については,判例では,債務不履行から生じた債権なので,意思表示の時を起算点とするのではなく,引渡しのときから10年の消滅時効にかかるとしています。(最高裁・平成13.11.27)

〔判例要旨〕 平成13.11.27

 買主の売主に対する『瑕疵担保による損害賠償請求権』は,売買契約に基づいて法律上生ずる金銭支払請求権であるから,消滅時効の規定の適用(167条1項)があり,この消滅時効は、買主が売買の目的物の引渡しを受けた時から進行する。

 したがって,買主が引渡しより10年以上経過してから瑕疵に気がついても,損害賠償請求はできない。〔ただし,住宅品確法などで当事者間に10年を超える担保責任の定めがある場合を除く。〕

    買主  損害賠償  解除  除斥期間
 隠れた瑕疵  善意無過失      知ったときから1年
 悪意  Φ  Φ   Φ
●瑕疵担保責任の特別法での除斥期間

 宅建業法・40条 目的物の引渡しの日から2年以上とする特約の場合を除いて,民法の規定(570条・566条3項)よりも買主に不利になる特約は禁止

 住宅品質確保法・88条・2条 「新築住宅の基本構造部分」について瑕疵担保責任を負う期間を最短10年最大20年としてこれに反する特約で買主に不利なものは無効。 


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