Brush Up! 権利の変動篇
契約総合の過去問アーカイブス 期間の計算方法 昭和53年
平成15年7月5日午後1時30分に,Aは友人Bから3ヵ月の約束で,現金10万円を借りた。Aは,次のどの期限までに返還すればよいか。(昭和53年) |
1.「平成15年10月4日午後1時30分まで」 |
2.「平成15年10月4日午後12時まで」 |
3.「平成15年10月5日午後1時30分まで」 |
4.「平成15年10月5日午後12時まで」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | × | ○ |
【正解:4】 ◆期間の計算方法
時間の長さを期間といいます。期間の計算方法については,『法令,裁判上の命令又は法律行為に別段の定めがある場合を除いて』,民法139条〜143条の規定が適用されます。(138条) ●起算点 ●月(▲+1)日 午前零時 期間の単位が日・週・月・年のときは,午前零時から始まらない限り,初日は不参入なので,本問題の7月5日午後1時30分から3ヵ月を計算するには,7月6日午前零時が起算点になります。〔起算日は7月6日〕 ●期間の満了日 応答日 (●+□)月(▲+1) その週・月・年の始めの日の午前零時から起算しないときは,最後の週・月・年の起算日に応答する日の前日で満了します。 したがって,起算日が7月6日ならば3ヵ月に応答する日は10月6日で存在するので,その前日の10月5日午後12時が,期間の満了点になります。
※応答日がないケースとは,起算日に応答する日が計算上で,例えば,2/29,2/30,2/31,4/31,6/31,9/31,11/31になってしまい存在しない場合です。
※起算日と応答日を求めれば,上記で一応,期間満了時は出せますが,奥は深いです。 過去に遡る場合にも類推適用されます。 ■条文での考え方 (下の例の★だけ見ておけば十分です。) 日・週・月・年を単位とするとき → 暦法的計算法 (一月=30日等と計算しない。) 時・分・秒が単位のとき → 自然的計算法 ◆起算点
◆期間の満了点
※応答日がないケースとは,起算日に応答する日が計算上で2/29,2/30,4/31,6/31,9/31,11/31になってしまい存在しない場合です。
(例) ・時・分・秒が単位 : 今から24時間後というときは,その瞬間からカウントします。★ ・日が単位 : 『7月5日午前9時から3日以内』(一日の途中で始まる)★初日不算入 → 起算点は,7月6日午前零時,期間の満了点は7月8日午後12時 ・日が単位 : 『7月5日午前零時から3日間』(午前零時から始まる)★ → 起算点は,7月5日午前零時,期間の満了点は7月7日午後12時 ・週・月・年を単位 : 『7月5日午後1時30分から3ヵ月』★初日不算入 → 起算点は,7月6日午前零時,期間の満了点は10月5日午後12時 ・週・月・年を単位 : 『7月5日午前零時から3ヵ月』★ → 起算点は,7月5日午前零時,期間の満了点は10月4日午後12時 ・週・月・年を単位 : 『7月1日午前零時から3ヵ月』 → 起算点は,7月1日午前零時,期間の満了点は9月30日午後12時 ・週・月・年を単位 : 『7月1日午前9時から3ヵ月』初日不算入 → 起算点は,7月2日午前零時,期間の満了点は10月1日午後12時 ・週・月・年を単位 : 『1月30日午前9時から1ヵ月』初日不算入 → 起算点は,1月31日午前零時,期間の満了点は2月末日午後12時 ・週・月・年を単位 : 『1月29日午前9時から1ヵ月』初日不算入 → 起算点は,1月30日午前零時,期間の満了点は2月末日午後12時 ・週・月・年を単位 : 『3月30日午前9時から1ヵ月』初日不算入 → 起算点は,3月31日午前零時,期間の満了点は4月30日午後12時 ・週・月・年を単位 : 『3月31日午前9時から1ヵ月』初日不算入 → 起算点は,4月1日午前零時,期間の満了点は4月30日午後12時 ▼民法の例外 ・年齢計算ニ関スル法律=年齢は出生の日より之を起算する。 民法の期間計算とは異なり、初日を参入します。 |