Brush Up! 権利の変動編

債務不履行 履行遅滞

正解・解説


【正解】

× × ×

AはAの父親の恩人であるBにA所有の土地を売却し、その代金のうちの500万円は、将来Aの父親が死亡し、その死亡した日から1ヵ月以内に決済する約束をしていた。Bが当該500万円について履行遅滞となるのは、次のうちいずれの時からか。(昭和54年)

1.「Aの父親が死亡した日から1ヵ月を経過した日。」

2.「Aの父親が死亡した日から1ヵ月を経過した後、Aの父親が死亡したことをBが知った日。」

3.「Aの父親が死亡したことをBが知ったときから1ヵ月を経過した時。」

4.「Aの父親が死亡し、Bに対して催告した後1ヵ月を経過した時。」

    履行期 (遅滞責任の発生時)  消滅時効の起算点
 確定期限  期限が到来した時  期限が到来した時
 不確定期限  期限が到来し、かつ
 債務者がそのことを知ったとき
 (催告を必要としない)
 期限が到来した時
 期限の定めなし  原則として、
 履行の請求を受けたとき
 (いつでも履行請求できる)
 債権が成立した時

返済期限の定めのない消費貸借・・・履行遅滞は履行の催告後、相当の期間が経過
した後に地帯を生じる。消滅時効は貸借成立のときから「相当な期間」が経過した時を起算
点とする。(591条)

停止条件付の債権・・・履行遅滞は停止条件が成就したことを債務者が知ったときから、
消滅時効の起算点はその条件が成就したとき。

◆不確定期限 → 「期限の到来+知ったとき」が履行遅滞の発生時

 A(売主――Bう(買主)

将来Aの父親が死亡し、その死亡した日から1ヵ月以内に決済する約束
         ↓
 到来することは確実であっても,いつになるかわからない
         ↓
      不確定期限

 不確定期限つきの債務の場合は、期限が到来し(その事実が発生)、かつ債務者がそのことを知ったときから履行遅滞になります。

 本問題では、「Aの父親が死亡したときから1ヵ月を経過した時」が期限であり、「Bがそのことを知ったとき」、Bは履行遅滞になります。 

 したがって、2の「Aの父親が死亡した日から1ヵ月を経過した後、Aの父親が死亡したことをBが知った日」に、Bは履行遅滞になります。


債務不履行のトップに戻る

Brush Up! 権利の変動に戻る