Brush Up! 権利の変動篇
正解・解説
遺言に関する問題4
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
次の記述のうち,正しいものはどれか。(昭和49年) |
1.「遺言によって,相続分の指定の委託はできない。」
【正解:×】 ◆相続分の指定の委託 相続分の指定がある場合は、相続分の割合について法定相続分に優先し、法定相続分の規定は適用されません。 被相続人(遺言者)は、遺言により、遺留分の規定に違反しない限り、相続分を自ら指定し、または、第三者に相続分の指定を委託することができます。(902条) したがって、×になります。 |
2.「遺言によってのみ,相続分の指定ができる。」
【正解:○】 ◆相続分の指定 相続分の指定(902条1項)、遺産分割の禁止(908条)、遺言執行者の指定(1006条1項)は、必ず遺言でしなければなりません。遺言でするのは、相続人間で紛争が起きるのを回避するためです。 |
●参考問題 |
1.「相続分の指定は,遺言によってのみなしうる。」(司法試験・平成47年・問73) |
【正解:○】 |
3.「遺言の撤回は,遺言の方式によってのみすることができる。」
【正解:×】 ◆遺言の撤回 遺言者は、いつでも遺言の方式に従って、遺言の全部又は一部を撤回することができます。(1022条)この遺言の撤回は、以下に見るように、必ずしも遺言の方式によってのみとは言えません。 → 前の遺言と後の遺言で抵触するものがあるときは、抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したとみなします。(1023条1項) → 遺言をした後に、遺言と抵触する生前処分その他の法律行為をすると、抵触する部分についてはその行為をもって遺言を撤回したものとみなします。(1023条2項) → 遺言をした後に、故意に遺言書を破棄したときは、破棄した部分については遺言を撤回したものとみなします。(1024条) ▼対比しましょう 受遺者=遺贈の承認及び放棄は、原則として撤回することができません。(989条) |
4.「被保佐人は,遺言することができない。」(類・昭和54年)
【正解:×】 ◆制限能力者の遺言 遺言者は、遺言をするときに遺言能力を有しなければなりません。(963条) 1) 満15才に達した者は遺言をすることができます。(961条) 2) 遺言には、制限行為能力者制度の適用がありません。(962条) したがって、本肢の被保佐人も遺言をすることができます。 |
●参考問題 |
1.「被保佐人が,保佐人の同意を得ないでした不動産を遺贈する旨の遺言は有効である。」(司法試験・平成49年・問85) |
【正解:○】 |
2.「満15才に達した者は,父母の同意を得なくても,遺言をすることができる」。 (平成11-1-4) |
【正解:○】
◇参考・司法試験択一・平成10年・問23 遺言により財産を処分するためには,行為能力は必要ではないから,未成年がする場合にも,遺言能力があれば,法定代理人の同意を得る必要はない。【正解:○】 |