Brush Up! 権利の変動篇

正解・解説

委任の基本問題2


【正解】

×

委任に関する次のそれぞれの記述は、民法の規定によれば、○か、×か。
                                   (昭和59年・問11)

1.「委任契約は、原則として、委任者または受任者のいずれにおいても、いつでも

解除することができる。」(昭和63,平成2,9,14)

【正解:

◆各当事者の解除権

 委任契約は、解除権放棄の特約がなければ、当事者のどちらからでも、またいつでも何ら特別の理由がなくても、解約できます。(民法651条)

 しかし、当事者の一方が相手方にとって不利な時期に委任契約を解除したときは、原則としてその損害を賠償しなければなりません。(651条2項)

2.「委任は、委任者または受任者の死亡、または破産手続開始の決定によって

終了するほか、受任者が後見開始の審判を受けたことによっても終了する。」

(昭和55,63,平成9,13) 【関連:平成7年】

【正解:

◆委任契約の終了 

 当事者(委任者・受任者)の死亡・破産手続開始の決定により委任契約は終了しますが、委任者が後見開始の審判を受けても委任契約は終了しません。(民法653条) 

●委任契約の終了事由
 死亡  破産手続開始の決定  後見開始の審判
 委任者  終了  終了  終了しない
 受任者  終了  終了  終了

委任による登記申請の代理権は,本人(委任者)の死亡によっても消滅しません。本人が死亡したときに遺族が登記申請に協力してくれないなどのトラブルを避けるためです。(不動産登記法・第26条3項)←平成14年・問15出題

3.「委任契約の解除の効果は遡及せず、受任者が委任契約の解除前にした

法律行為は、解除後もその効力を有する。」

【正解:

◆委任契約の解除の効果

 委任契約が解除されると、解除の効果は、将来に向かってのみ生じます。遡及効は認められていません。(民法652条)

この規定は、もともとは賃貸借の規定で、委任に準用されたものです。(民法620条)

4.「受任者は、報酬の有無、多少にかかわらず、自己のためにすると同一の注意を

もって、委任事務を処理する義務を負う。」(昭和63,平成9,14)

【正解:×

◆善管注意義務違反

 受任者は、報酬の有無・多少にかかわらず、善良なる管理者の注意をもって委任義務を処理する義務を負っています。(民法644条)

 この義務違反により損害が生じた場合、委任者は、受任者に損害賠償を請求できます。 


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