Brush Up! 権利の変動篇
時効の基本の過去問アーカイブス 昭和63年・問3
時効に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,正しいものはどれか。(昭和63年・問3) |
1.「時効により取得することのできる権利は,所有権のみである。」 |
2.「時効が完成したときは,その効力は,起算日に遡る。」 |
3.「時効は,当事者の請求によってのみ中断する。」 |
4.「確定判決で確定した権利は,時効で消滅することはない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
1.「時効により取得することのできる権利は,所有権のみである。」
【正解:×】 ◆取得事効 ・所有権以外の財産権−“物権”だけではなく,“債権”にもある。 真実の権利者ではなくても,特定の財産権を時効期間、平穏かつ公然と継続して行使した者は時効によって当該権利を取得することができます。(163条)
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2.「時効が完成したときは,その効力は,起算日に遡る。」
【正解:○】 ◆時効完成の効果−効力は時効期間の開始時に遡る 時効が完成するとその効力は起算日に遡ります。(144条)
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●類題 |
時効は,当事者が援用することにより,時効完成の日に遡って効力を生じる。(司法試験・択一・昭和44年) |
【正解 : ×】
×・・・時効完成の日 → ○・・・時効期間の起算日 |
3.「時効は,当事者の請求によってのみ中断する。」
【正解:×】 ◆時効の中断事由 時効の中断事由となるのは、原則として、裁判上の請求またはそれに準じる以下のものです。「当事者の請求によってのみ中断する」のではありません。
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4.「確定判決で確定した権利は,時効で消滅することはない。」
【正解:×】 ◆確定判決後の消滅時効 確定判決で確定した権利であっても、時効は再びゼロから進行し、所定の期間が経過すると、時効によって消滅する場合もあります。 10年よりも短い消滅時効の期間が規定されているものでも、確定判決で確定した権利についてはその消滅時効の期間は一律10年になります。(174条の2) |