Brush Up! 権利の変動篇

正解・解説

隔地者間の契約の成立に関する問題 4


【正解】

× × ×

Aは、平成14年2月1日に、自己所有の土地を、Bに売却しようとして3箇月の承諾の期間を定めてBに申し込んだ。その後、Aは同年2月7日にその申込みを取り消そうとした。承諾期間の定めのある申込みに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(昭和44年)

1.「Aは、Bが承諾しないうちは申込みを取り消すことができる。」

2.「Aは、平成14年5月1日までは申込みを取り消すことができない。」

3.「Aは、相当の期間が経過すれば申込みを取り消すことができるので、2月7日には申込みを取り消すことができる。」

4.「Aは、相当の期間が経過すれば申込みを取り消すことができるが、2月7日では申込みを取り消すことができない。」

◆承諾期間内の「申込の取り消し」はできない

 承諾期間を定めた申込は、その期間内は申込を取り消すことはできません(民法521条1項)

 したがって、承諾期間の3箇月が経過した5月1日までは取り消すことはできないので、2.がになります。

申込みの取り消しができない期間
(申込みが相手方に到達する前は、その申込みを取り消すことはできます)
承諾期間の定めのある申込み 承諾の期間内は取り消すことはできない。(民法521条1項)
承諾期間の定めのない申込み 承諾の通知を受けるのに要する相当な期間は取り消すことができない。(民法524条)

 承諾期間内は申込を取り消すことはできないため、1.は、「Aは、Bが承諾しないうちは申込みを取り消すことができる。」となっているので、×になります。

 3.4.では「相当の期間が経過すれば申込みを取り消すことができる」となっており、これは承諾期間の定めのない申込みの場合のことなので×になります。

●承諾期間の定めのある申込みの効力

 申込           承諾期間が経過        

 ――――――――――――――――――――

  申込の撤回不可    込の効力は消滅(承諾適格なし)

                 承諾不可     

                 →遅れて届いた承諾は新たな申込とみなすことができる


契約の成立のトップに戻る

Brush Up! 権利の変動に戻る