Brush Up! 権利の変動編

正解・解説

共有に関する基本問題1


【正解】

× ×

1.「各共有者は,他の共有者の同意がなければ共有物の変更はできないが,持分の

処分は単独でもできる。」

【正解:

◆変更行為と持分の処分

共有物の変更は、他の共有者の同意がなければできませんが、

自己の持分は、所有権絶対の法則によって、自由に処分できます。

2.「各共有者は,管理の費用を均分に負担する義務がある。」

【正解:×

◆持分に応じて、管理費用の負担

各共有者は、「その持分に応じて管理の費用を負担する義務はありますが、

持分が等しいか、また特約等がなければ、均分(平等)にはなりません

 たとえば、A・B・C3:4:5の持分で共有しているときに、管理費用の負担は、均分ならば、1:1:1になりますが、持分に応じての負担ならば、3:4:5になります。

宅建の試験では、このような言葉の錯視を狙った問題が目立つので、ダマされてはいけません

3.「共有者の1人が死亡したとき,その持分は他の共有者に帰属し,国庫等その他

の者に帰属することはない。」

【正解:×

◆共有者が死亡した場合−マル暗記だとハマってしまう言葉の落とし穴

死亡した共有者に、相続人がいない場合は他の共有者に帰属しますが、相続人が

いたときはその相続人に帰属します。

 つまり、“相続人なくして死亡したとき”が設問から抜け落ちているので、マチガイ

なります。

共有者の1人が,その持分を放棄したとき又は相続人なくして死亡したときは,その持分は他の共有者に帰属します。(255条)

共有者の1人が,その持分を放棄
共有者の1人が,相続人なくして死亡したとき
(ただし,特別縁故者がいない場合)
   その持分は他の共有者に帰属

4.「5年以内なら,共有物を分割しない契約をすることができる。」

【正解:

◆不分割契約

個人財産の所有権を長期間制限するのは、たとえ共有物であろうと、所有権絶対の

原則から好ましくないので、最長5年に制限されています。また、更新することもできま

すが、その場合でも最長5年に限られます。

 具体的な事例でいえば、例えば親族が死亡したとき、その想い出の家屋敷その他

を、相続の規定によって、すぐに分離・分割することは忍びないので、「とりあえず5年

間はそのままにしておきませんか」、などというケースが該当するでしょう。


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