Brush Up! 権利の変動篇

正解・解説

相続の過去問アーカイブス 昭和53年 相続人の範囲(同時死亡の推定・代襲相続)


【正解】

× × ×

には妻と嫡出子C・Dがおり,には妻と嫡出子がいる。ところがは,昭和53年5月21日午前10時頃飛行機事故により死亡した。同日には谷川岳を登山中に転落死したが,時間は9時から10時にかけてであり,のいずれが先に死亡したかは不明である。の相続人となる者の組み合わせとして正しいものは次のうちどれか。

1.「B・C・D

2.「B・D

3.「B・D・E・F

4.「B・D・F

【正解:

 ―――――
 死亡 |
  ――――
  |     |
      ――
      死亡
         

◇法定相続分

 【第1順位】 子  → 【第2順位】 直系尊属 → 【第3順位】兄弟姉妹(887,889条)

 配偶者は、これらの者と同順位で、常に相続人になる。(890条)

 子は、嫡出子・非嫡出子を問わず第1順位。

 直系尊属は、被相続人に子またはその代襲相続者がいると、相続人にはならない。

 兄弟姉妹は、子・直系尊属がいると、相続人にはならない。

配偶者と子が相続人のときは、配偶者1/2、子全体1/2

嫡出子が複数いる場合は、各自の相続分は相等しい(非嫡出子はその1/2)

 がほぼ同時に死亡し、その先後が不明な場合は、民法では、同時に死亡したものと推定し(32条の2)、同時死亡者間ではお互いに相続関係を生じないとしました。(相続人は相続開始のときに生存していなければならないので、と同時死亡の推定を受けたの相続人にはならない。)

 しかし、には子がいるので、の代襲相続人としての財産を相続することができます。(代襲相続は、被相続人の子が、「被相続人の死亡による相続の開始以前」に死亡したときにとなっていて、被相続人の子が被相続人と同時に死亡した場合も含んでいるからです。) (887条2項,3項)

 の妻は、配偶者として常にの相続人になりますが、の配偶者であるの代襲相続人にはなれません。

 したがって、の相続人となる者は、の妻の嫡出子の嫡出子(の代襲相続人)の3人になります。以上から、正しい組合せは

代襲相続

 被相続人の死亡以前に、相続人となるはずの「子」・「兄弟姉妹」が相続権を失ったとき(死亡・廃除・欠格事由)に、その者(被代襲者)の直系卑属(相続人となるはずの者が兄弟姉妹のときはその子に限る)がその者に代わって相続すること。(ただし、代襲相続人は被相続人の直系卑属でなければならないことに注意。)

 要注意 : 相続放棄では、代襲相続を生じない

●被相続人の子が
  
相続人になるべき時           
●被相続人の兄弟姉妹が
  
相続人になるべき時

代襲相続人は子の直系卑属

 被相続人
 |
 相続人となるはずの者
 |死亡
 
 |
 
○直系卑属・・・子・孫・曾孫・玄孫〜

代襲相続人は兄弟姉妹の子に限る。

  ――――――――
  |           |
  被相続人    相続人となるはずの者
             |死亡
             

(被相続人に、子・直系尊属がいないときは、
兄弟姉妹が相続人になる。)


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