Brush Up! 権利の変動篇
正解・解説
相続の過去問アーカイブス 昭和62年 相続人の範囲
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
Aが死亡し,相続が開始した。Aには,両親B,C,配偶者Dがおり,AとDとの間に子E,Fがいる。また,AとGとの間に非嫡出子Hがいる。廃除される者や欠格事由を有する者がいない場合,民法の規定によれば,以下の組合せのうち,すべての相続人を挙げているものはどれか。 |
1.「D・E・F」 |
2.「D・E・F・H」 |
3.「D・E・F・G・H」 |
4.「B・C・D・E・F」 |
【正解:2】 ◆相続人の範囲の決定 B―――C
本問題でいうと,父母BCはAの妻子がいるので法定相続人にはなれず,Gは配偶者ではなく愛人なので相続人にはなれません。〔内縁関係の愛人で特別縁故者として相続人になることがあるのは,被相続人に父母兄弟姉妹,妻子の全てがいないときです。〕 この原則から、相続人となるべき者は、D・E・F・Hの4人。したがって、正解は2。 相続分率は,妻Dは1/2,E+F+Hの子全体で1/2で,E : F : H =2 : 2 : 1 に分けます。 この結果,嫡出子E ,Fは1/2×2/5=1/5,非嫡出子 Hは1/2×1/5=1/10 になります。 ▼AとDが離婚していると,Dは相続人にはなれず,この場合の相続人は,E・F・Hの3人になります。このときの相続分率は嫡出子E ,Fは2/5,非嫡出子 Hは1/5。 |
●嫡出子と非嫡出子の相続分率の公式 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
嫡出子 m人、非嫡出子 n人がいる場合の、 嫡出子・非嫡出子の1人が相続する法定相続分率は、以下の公式で計算します。 (1) 被相続人の配偶者がいる場合 相続人 : 妻、嫡出子 m人、非嫡出子 n人
(2) 被相続人の配偶者がいない場合 相続人 : 嫡出子 m人、非嫡出子 n人
(1),(2)とも、m = 0, または n = 0 のような特殊な場合でも成り立つ。 |