Brush Up! 宅建業法

正解・解説

重要事項説明に関する問題

●平成13年に追加された事項


【正解】

× × ×

 宅地建物取引業者Aが行う宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に関する次の記述は、宅地建物取引業法の規定によれば、○か、×か。

1.「Aは,建物 (建築工事完了前) の売買の契約を行うに際し,建物の完成時における

主要構造部,内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造について

の図面を渡したのみで,当該図面の説明はしなかった。」

【正解:×

 宅建業法では、重要事項を記載した書面の他に図面を必要とするときは、図面を交付して説明しなければいけないことになっています。(宅建業法35条1項、同項5号)

 宅建業法35条1項5号では、

「当該宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造その他国土交通省令で定める事項」

となっており、施行規則16条では、以下のものが指定されています。

・宅地の場合=宅地の造成工事完了時における当該宅地に接する道路の構造及び幅員

・建物の場合=建築工事完了時における、

         当該建物の主要構造部,

         内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造

 したがって、本肢の場合、この規定に違反することになります。

2.「Aは,マンションの分譲を行うに際し,当該マンションの管理規約案に「分譲業者で

あるAは当該マンションの未販売住戸の修繕積立金を負担しなくてもよい」とする規定

があったが,これについては説明しなかった。」

【正解:×

  本肢の内容は、平成13年3月31日に施行された、『宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する省令』により、「重要事項説明」に新規のものとして追加されました。(施行規則16条の2第5号)

新築マンション分譲時に定められるマンション管理規約案のうち、購入者に

とって金銭的に不利になる条項、例えば、

・当該1棟の建物の計画的な維持修繕のための費用、

・通常の管理費用その他の当該建物の所有者が負担しなければならない費用

特定の者にのみ減免する旨の規約の定めがあるときは、その内容

 したがって、本肢の場合、この規定に違反することになります。

金銭的に不利になる条項とは、具体的には、『販売業者である宅建業者は分譲マンションの未販売住戸の修繕積立金や管理費を負担しなくてもよい』とする規約などを示すものとされています。

区分所有建物の売買における重要事項説明での管理費に関係するものとしては、この規定のほかに、次のものがあります。(施行規則16条の2第7号)

・当該建物の所有者が負担しなければならない通常の管理費用の額

区分所有建物の売買における重要事項説明での修繕に関係するものとしては、この規定のほかに、次のものがあります。(施行規則16条の2第6号)

 当該一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額

3.「Aは,中古マンションの売買の媒介を行うに際し、当該マンション修繕の実施状況

について、当該マンションの管理組合及び管理業者に確認したところ,修繕の実施状

況の記録が保存されていなかったため,購入者にこの旨説明し,実施状況については

説明しなかった。」

【正解:

 本肢の内容は、平成13年3月31日に施行された、『宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する省令』により、「重要事項説明」に新規のものとして追加されました。(施行規則16条の2第9号)

 中古マンションの修繕実施状況が記録されている場合は、その内容

 修繕の実施状況の記録が保存されていない状態では、実施状況について説明することは不可能であり、この場合は、実施状況の記録がない旨の説明をすることで十分だと考えられます。

 したがって、本肢の場合、この規定に違反しないことになります。

区分所有建物の売買における重要事項説明での修繕に関係するものとしては、この規定のほかに、次のものがあります。

・当該一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額(施行規則16条の2第6号)

・当該一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用、通常の管理費用その他の当該建物の所有者が負担しなければならない費用を特定の者にのみ減免する旨の規約の定めがあるときは、その内容(施行規則16条の2第5号)

4.「Aは,建物の売買の契約を行うに際し,当該建物は住宅の品質確保の促進等に関

する法律の住宅性能表示評価を受けた新築住宅であったが,その旨説明しなかった。」

【正解:×

 本肢の内容は、平成13年3月31日に施行された、『宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する省令』により、「重要事項説明」に新規のものとして追加されました。(施行規則16条の4の3第5号)

 平成12年7月に施行された住宅性能評価制度を利用した新築住宅である場合は、その旨

 『住宅の品質確保の促進等に関する法律』で創設された『住宅性能評価制度』を利用した新築住宅であるか否かについて消費者に確認させるため、説明すべき重要事項として追加されました。

 したがって、本肢の場合、この規定に違反することになります。

なお、当該評価の具体的な内容についてまでは説明義務はないとされています(国土交通省・解釈と運用)が、実務上では、通例説明している宅建業者は多いものと思われます。

▼国土交通省・住宅の品質確保の促進等に関する法律

 http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/hinkaku/hinkaku.htm


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