Brush Up! 宅建業法
正解・解説
宅地建物取引業者の業務に関する問題1
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | ○ | × |
宅地建物取引業法の規定によれば、次の記述は○か、×か。
1.「宅地建物取引業者が業務上取り扱ったことにつき知り得た秘密を守る義務(以下
守秘義務という)に関する規定は、宅地建物取引業者はもちろんのこと、その使用人
その他の従業者にも適用され、また取引業を営まなくなった後、又はその使用人その
他の従業者でなくなった後であっても適用される。」
【正解:○】 宅地建物取引業者(使用人等も)は、その職業柄、他人の秘密を知る機会も多く、 業務上知り得た秘密をペラペラと他人に告げるようでは、誰も業者に真実を告げること がなくなり、その結果、不動産取引の公正と円滑な流通が阻害されることになるため、 このような規定が設けられました。 業者を廃業若しくは退職した後においても、知り得た秘密を守る義務が課せられて います。 |
2.「宅地建物取引業者は、取引対象の家屋の住人が、死亡率の高い特殊な伝染病
の患者であることを知ったとき、当該家屋を下見に来た者に対し、その秘密を漏らして
も、守秘義務に関する規定違反とはならない。」
【正解:○】 「他に漏らしてはならない秘密」とは、 ・取引に直接関係のない第三者に告げるという「対象となる人」と、 ・取引に直接関係のない秘密という「対象事項」 が該当します。 本問の場合、「下見に来た人」とは、当該家屋を購入または借りるなどの目的で来た 者であり、もし、その下見に来た者が、当該家屋の住人が悪性の伝染病患者と知った なら、おそらく契約は締結しないことでしょう。 したがって、『取引に直接関係ある人』に、取引に直接関係のある『重要な事項』を知ら せないことは、守秘義務どころか、知っていて故意に告げないという『重要な事項等の事実 の不告知(第47条1号)』に該当し、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、または これの併科に処されます。 |
3.「正当な理由なくして、その業務上知り得た秘密を漏らした宅地建物取引業者若し
くは宅地建物取引業者の使用人であっても、それにつき、告訴がなければ罰金に処さ
れることはない。」
【正解:○】 守秘義務の規定に違反すると宅建業者及び使用人とも50万円以下の罰金に処されます が、告訴(被害者等による訴え)がなければ裁くことができないため、罰金に処されません。 被害者等にとって「あんな事、どうってことない」という事柄に関してまで処罰することは 適当ではないからです。(83条2項) ← 告訴がなければ公訴を提起することはできない。 |
4.「宅地建物取引業者は、裁判の証人として証言を求められたとき、税務署等の職員
から所得税法の規定に基づき質問を受けたときなどは、正当な理由があるとみなされ、
その業務上知り得た秘密を告げなければならない。」
【正解:×】 「正当な理由がある場合でなければ、業務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない」と いうことは、「正当な理由があったら、告げなければならない」というわけではありません。 あくまでも「告げることができる」ということを理解しましょう。 参考までに、告げることを強要することは日本国憲法で認められている、 不利益な供述の強要禁止にも反します。 |