Brush Up! 宅建業法篇

正解・解説

営業保証金と保証協会に関する問題5


【正解】

× ×

宅地建物取引業法に規定する営業保証金、宅地建物取引業保証協会に関する次の

記述は正しいか。

1.「本店の他に1支店を有する宅地建物取引業者が、弁済業務保証金分担

金を、政府がその債務につき保証契約した債券(政府保証債)にて、宅地建

物取引業保証協会に納付するには、その債券の額面金額は100万円でなけれ

ばならない。」

【正解:×

 弁済業務保証金分担金の額は、

・主たる事務所=60万円

・その他の事務所=1事務所につき30万円

なので、本問の場合は90万円となります。

 しかし、当該分担金は、営業保証金とは違い、「現金(金銭)」でのみ納

付しなければなりません。

 なお、営業保証金として直接供託する場合は、政府保証債でも納付でき、

その場合の評価額は、額面金額の9割となります。 

2.「宅地建物取引業保証協会の社員となった者は、国土交通大臣の指定す

る弁済業務開始日以降においては、宅地建物取引業者が供託すべき営業保証

金を供託することを要しない。」

【正解:

 宅地建物取引業保証協会の社員となれば、弁済業務開始日以降について

、営業保証金の供託は不要です。

 つまり、支店ナシの宅地建物取引業者の場合、直接供託する場合は1,000

万円は必要ですが、保証協会の社員となれば60万円で済みます。 

3.「宅地建物取引業保証協会は、弁済業務保証金分担金の納付を受けたと

きは、その日から2週間以内に、その納付を受けた額に相当する額の弁済業

務保証金を、法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所に供託しなければな

らない。」

【正解:×

 弁済業務保証金の供託は、法務大臣及び国土交通大臣が定める供託所(現

在は東京法務局)にしますが、その供託すべき期間は「1週間以内」です

 なお、この保証金の供託は、各社員から納付される“分担金”の場合とは

異なり、金銭の他に省令で定める有価証券でも納付することができます。 

4.「弁済業務保証金分担金を120万円納付している宅地建物取引業保証協

会の社員と、宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた

債権に関し、2,000万円の範囲内において、当該宅地建物取引業保証協会が

供託した弁済保証金について弁済を受ける権利を有するが、その権利を実行

しようとするときは、その弁済額につき、当該宅地建物取引業保証協会の認

証を受けなければならない。」

【正解:

 弁済業務保証金分担金を120万円納付している業者とは、本店(60万円)及

び2つの支店(30万円×2)を持つ者であり、その者が、社員でなければ供

託すべき金額2,000万円(=1,000万円+500万円×2)が弁済限度額となり、

その権利を実行するときは、当該保証協会の認証を受けなければなりません

<参考>

弁済業務保証金の「認証」「還付」の流れ

[1] 債権者が、判決等確実な弁済理由を持った上で、保証協会に対して“認

  証申請書”を提出する。

[2] 保証協会の「認証」。

[3] その認証書によって、供託所が債権者に「還付」する。

[4] 保証協会は、当該社員へ「還付充当金を納付すべき通知」を行う。

◆弁済業務保証金の還付の手続

 取引の関係者〔債権者〕――――――→保証協会

                1)認証の申出     2)認証

  3)還付請求↓↑4)還付             

 供託所〔東京法務局〕      

◆弁済業務保証金が還付された後の補充供託の手続

1) 保証協会→供託所

 供託所〔東京法務局〕      

   ↓ 還付についての通知書の送付            

 国土交通大臣                    

   ↓ 供託所からの通知書に 奥書をして送付 

 保証協会

    還付額に相当する弁済業務保証金の供託

    (国土交通大臣からの通知書の送付を受けた日から2週間以内)           

 供託所〔東京法務局〕

2) 保証協会→社員

 保証協会

    還付充当金を納付すべき旨の通知

 保証協会の社員〔宅建業者〕

 社員は、この通知を受けた日から2週間以内に、還付充当金を保証協会に納付。

 納付しない場合は、保証協会社員としての地位を失う。

還付充当金は、弁済業務保証金の当該還付額

<ついで>

営業保証金の「還付」までの流れ

[1] 債権者→裁判所の判決

[2] 供託所へ「確定判決(書)」その他の通知書を持っていく。

[3] 供託所から「還付」

[4] 供託所は、供託物を還付した“通知書”を免許した「大臣」又は「知 

  事」へ送付。

[5] 供託所は、当該業者へ「追加供託をすべき旨の通知」を行う。


営業保証金・保証協会のトップに戻る

Brush Up! 宅建業法篇のトップに戻る