Brush Up! 宅建業法篇

正解・解説

業務上の規制に関する問題3


【正解】

× ×

1.「宅地建物取引業者が自己の所有に属しない宅地又は建物につき、みずから売主と

なる売買契約規定に違反して、売買契約を締結したとき、100万円以下の罰金に処される。」

【正解:×

監督処分として指示処分のほか、1年以内の業務停止処分、悪質であれば、免許取消

処分等の行政処分がされますが(65条2項4項、66条1項9号)宅地建物取引業法により直接罰則は適用されません

2.「宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建築物の工事の完了前においては、開発許

可、建築確認等の一定の処分がなければ、みずから当事者、若しくは当事者を代理して、

その売買若しくは交換の契約を締結し、又はその売買若しくは交換の媒介をしてはならな

いが、貸借の代理又は媒介についてはこの限りではない。」

【正解:

◆契約締結時期の制限

 予定通りの物件が完成するかどうか、まだわからないので、開発許可等一定の処分が

なければ、未完成物件に関し、売買、交換契約をすること(その媒介・代理)はできません(36条)

(相手方が宅建業者でも、開発許可等一定の処分がなければ、契約を締結することはできないことに注意。)

         開発許可・建築確認等の

         政令で定める処分

 ――――――――●――――――――――

           →|  

 売買・交換の契約は
 締結できない。
 (媒介・代理も)

 開発許可などの政令で定める処分があった後、自ら売主として、宅建業者でない者と売買・契約を締結するには、手付金等保全措置を講じなければならないことにも注意してください。(相手方が宅建業者のときは手付金等保全措置を講じることなく、売買契約を締結できる。)

 しかし「貸借」に関する規制はありません。つまり、アパート等の貸借契約の場合、

入居前に、巨額な金銭(ウン千万円のような)は授受されないのが通常であり、

危険性はナイと考えられたためです。

(ただし、借地や高層ビル、商業施設などでは敷金・保証金が巨額になることがありますが、

宅建業法制定時にはどうやら想定していなかったようです。)

3.「宅地建物取引業者は、宅地又は建物に関する広告をするときは、取引態様を明示し

なければならないが、当該広告を見た者から店頭(事務所等)において注文を受けた場合

は、この限りではない。」

【正解:×

 「広告をした後、1年後に売れた」など、広告の時と注文を受けた時とは、時間的なズレ

があるのが通常であり、『みずから売主』と広告した取引業者が、資金繰り等の都合によ

り、他の業者に売却し、みずからは代理業者となることもありえます。それにより報酬額

も異なり(みずから売主は報酬ゼロ、媒介報酬は片手分、代理報酬は両手分)、相手方

保護の見地から、広告の時に取引態様を明示し、“その広告を見たかどうか”には関係

なく、注文を受けたときも必ず取引態様を明示します(34条2項)

4.「宅地建物取引業者Aは、媒介物件の売却の依頼を直接受けた宅地建物取引業者が

作成した広告を、そのまま掲載して、A名義のチラシを作成し、配布した場合でも、その

広告内容によっては責任を問われることがある。」

【正解:

売却依頼をしてきた業者が作成した広告を宅地建物取引業者Aが採用して、A名義で

配布すれば、責任の所在は当然Aにあり、

誇大広告の禁止事項(第32条)

広告の開始時期の制限(第33条)

取引態様の明示義務(第34条)

の違反等に該当すれば、1年以内の期間を定めてその業務の全部、又は一部の停止を

命じられることもあり、また、情状が特に重いと認められるときは免許の取消処分がされる

こともあります。


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