Brush Up! 宅建業法篇
正解・解説
自ら売主の制限に関する問題3 手付金等・損害賠償
【正解】
1 | 2 | 3 | |
○ | ○ | × |
宅地建物取引業者が自ら売主となるときの次の記述は、宅地建物取引業法によれば ○か×か。 |
1.「宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に
際し、手附を受領したとき、その手附がいかなる性質のものであっても、当事者
の一方が履行に着手するまでは、買主は、その手附を放棄して、当該宅地建物
取引業者は、その倍額を償還すれば、当該契約の解除をすることができる。」
【正解:○】 本問の記述が手附(解約手付)の基本事項であり、この規定に反する特約で 買主に不利なものは、無効となります。 |
●自ら売主の宅建業者が手附による解除をするには、倍額を償還する |
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で土地付建物の売買契約を締結した場合に、当該契約に 「当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、Aは受領した手付を返還して、契約を解除することができる」 旨の特約を定めた場合、その特約は無効である。(平成18年・問39・肢3) |
【正解 : ○】
◆自ら売主の宅建業者は,受領した手付の倍額を償還する 手付による解除をするには,自ら売主の宅建業者は受領した手付の倍額を買主に償還しなければならず,これより買主に不利な特約は無効です(宅建業法39条2項,3項)。 本肢の場合,「売主であるAが受領した手付を返還して、契約を解除することができる」としているため,この特約は無効です。 |
2.「宅地建物取引業者Aが、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約に際
して、宅地建物取引業者でないBから手附を受領したとき、Bが解除するに
は、Aに解除の意思を通知すれば足り、Aが解除するには、Bに解除の意思
表示をするだけでは足りない。」
【正解:○】 Bが解除するには、その旨の意思表示でOKです(その結果手附の没収)が、 Aが解除するには、その意思表示ダケでは足りず、その倍額を償還(現実に 提供)しなければなりません。 |
●手附による解除で,損害賠償や違約金の請求をすることはできない |
宅地建物取引業者Aは、自ら売主として売買契約を締結したが、履行の着手前に買主から手付放棄による契約解除の申出を受けた際、違約金の支払を要求した。これは宅地建物取引業法に違反しない。 (平成18年・問41・肢1) |
【正解 : ×】
◆手付による解除での違約金支払の禁止 手付放棄による解除(解約手付)では,違約金や損害賠償の請求をすることはできません。これに反する特約は禁止されています(宅建業法39条2項,3項)。 したがって,<買主から手付放棄による契約解除の申出を受けた際,違約金の支払を要求>することは,宅建業法に違反します。 |
3.「宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において
損害賠償の額の予定及び違約金の双方を定めるときは、それぞれ、代金額の10分の
2を超えていなければ、双方で代金の額の10分の2を超えていてもよい。」
【正解:×】 損害賠償の額の予定及び違約金を定めるとき、これらを“それぞれ”ではな く「合計」した額が、代金額の10分の2を超える定めをしてはなりません。 |
●損害賠償の額と違約金の合算した額は代金の20%を超える定めをすることはできない |
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で土地付建物の売買契約を締結した場合に、当該契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の10分の2を超える定めをしてはならない。(平成18年・問39・肢2) |
【正解 : ○】
◆損害賠償額の予定等の制限 債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し,または違約金を定めるときは,これらを合算した額が代金の額の10分の2を超える定めをすることはできません(宅建業法38条1項)。 |