Brush Up! 宅建業法篇

正解・解説

自ら売主の制限に関する問題5 損害賠償額・違約金


【正解】

× ×

 宅地建物取引業者A(以下「A」という)が、みずから売主となる宅地又は

建物の売買契約において、一般買主を相手に、損害賠償額の予定又は違約金

の取り決めを行うにあたり、次のそれぞれの記述は○か、×か。

1.「損害賠償額につき定めをしないとき、売買契約の各当事者は、その受

けた損害額及びその損害が相手方の責任によって生じたこと、その損害の発

生が予見可能であったこと等を立証すれば、当該損害を受けた者は、代金額

の10分の2にかかわりなく、請求することができる。」

【正解:

 損害賠償額の“予定がない”ときは、民法の規定が適用され、売買契約の各

当事者は、その受けた損害額及びその損害が相手方の責任によって生じたこ

と、その損害の発生が予見可能であったこと等を立証すれば、代金額の10分

の2に関係なく、請求できます。

●損害賠償の額の予定がないとき
 宅地建物取引業者が自ら売主としてマンション (販売価額 3,000万円) の売買契約を締結した場合に、は、宅地建物取引業者であるとの売買契約の締結に際して、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額の定めをしなかった場合、実際に生じた損害額1,000万円を立証により請求することができる。(平成17年・問43・肢3)

【正解:

◆損害賠償の予定額を定めなかった場合

 1,000万円は販売価額 3,000万円の約33%である。

 自ら売主の宅建業者は,宅建業者ではない者との売買契約の締結に際して,損害賠償の予定額を定める場合には代金の額【消費税等も含む】の20%以内という制限がある(宅建業法38条1項)

 しかし,は宅建業者なので,この制限は適用されない。は,実際に生じた損害額1,000万円を立証により請求することができるので,正しい。

が宅建業者ではない場合

 宅建業法では,損害賠償の予定額の定めをしなかった場合に損害賠償金や違約金として受け取ることのできる金額に制限はないので,が宅建業者ではない場合であっても,代金の額の20%以内という制限は適用されない

2.「違約金の額を代金額の10分の3と定めたとき、当該特約は無効となる

が、無効と知らずに、違約した者が当該違約金を支払った後においては、当

該違約者は、無効をもって主張することはできない。」

【正解:×

無効となるのは、代金額の10分の2を超える部分ダケです。

 たとえ支払った後であっても、その“超えた部分”は、「不当利得(民法

第703条)」、非債弁済(民法第705条)などの訴えにより、取り戻すことも

できます。

●損害賠償の額と違約金の合算した額は代金の20%を超える定めをすることはできない
 宅地建物取引業者が自ら売主としてマンション (販売価額 3,000万円) の売買契約を締結した場合に、は、宅地建物取引業者でないとの売買契約の締結に際して、当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を600万円、それとは別に違約金を600万円とする特約を定めた。これらの特約はすべて無効である。」(平成17年・問43・肢4)

【正解:×

◆代金の額の20%を超える部分が無効になる

 損害賠償額の予定等の制限は,損害賠償の予定額とは別に違約金を定める場合にも適用され,その場合は合計金額で判断する(宅建業法38条1項)

 合計額が代金の額の20%を超える場合は,代金の額【消費税等も含む】20%を超える部分のみが無効になる(宅建業法38条2項)

 損害賠償の予定額600万円,違約金600万では合計1,200万円となり,代金の額の40%になる。代金の額の20%を超える部分(800万円を超える部分である400万円)のみが無効になるので,本肢は誤りである。

3.「損害賠償額の予定若しくは違約金に関する特約事項は、宅地建物取引

業法第35条の重要事項書面の記載事項ではないが、同法第37条書面の交付の

とき、定めがあれば記載しなければならない。」

【正解:×

 損害賠償額の予定及び違約金に関する事項は、マサに重要な事項なので、

定めのあるナシにかかわらず、宅地建物取引業法に規定する重要事項書面の

記載事項です。

 なお、37条書面については、定めがあれば記載しなければならない事項

なり(=定めがナイのに記載しても意味ナシ)、設問文の後半は正しくなり

ます。

 


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