正解・解説
売買契約締結の制限に関する問題3
【正解】
1 | 2 | 3 |
× | × | ○ |
1.「宅地建物取引業者は、工事完了前の宅地建物について、工事完了後に
所有権保存の登記をする旨の契約(予約も含む)をしているとき、みずから
売主となって、宅地建物取引業者でない者に、手付金等の保全措置なくして
売買契約を締結することができる。」
【正解:×】 ◆工事“完了前”の宅地・建物を売買する場合に、手付金等の保全措置を講 じなくてもよい場合… ア.買主への所有権の“登記(移転・保存)”がなされたとき (登記をした買主はもう安全!) イ.宅地建物取引業者が受領する手付金等の額が、代金の“5%以下”で かつ“1,000万円以下”のとき →代金の5%以下であっても、1,000万円を超える場合は、手付金等 の保全措置を講じなければならない 本問の場合、「登記の約束」をしているに過ぎないので、手付金等の保全 措置を講じなければ売買契約を締結することはできません。 「買主が所有権の登記をしたとき」でなければ、保全措置なくして契約を 締結してはなりません。 |
<参考> ◆「手付金等」とは… (宅地建物取引業法での定義) 『業者自らが売主』である場合に限り ア.「代金の全部または一部」として授受される金銭 イ.「手付金(あるいは)その他の名義をもって」授受される金銭で、売 買代金や交換差金に充当されるものであり、「契約の締結の日」以後 当該宅地・建物の“引渡前”に支払われるもの →つまり、宅建業法において、 手付金“等”と呼ばれるものは「代金の一部に充当されるもの」であると 言えます。 さらには、代金全額を受け取っても、「引渡」をしていない限り、それは 手付金“等”の扱いとなります →業者が売主なら、「手附」の額は“20%以内”で押さえられているのに 手付金“等”と呼ばれると、物件の引渡までのすべての金額の総額が該当 することになります。 (注意!)「重要事項の説明」をしないで受領した「申込金」は、「手附」 の扱いはされず、“預り金”となります。 ※「手附」「手付金等」「支払金」「預り金」等ややこしい言葉が出てきま すが、基本書でそれぞれの言葉の違い、関連をしっかりと理解しましょう。 |
2.「宅地建物取引業者がみずから売主となって、宅地造成中の土地を2億
5,000万円で宅地建物取引業者でない者に売却する契約を締結し、1,200万円
の手付金を受領した場合、その手付金について、保全措置を講じる必要はな
い。」
【正解:×】 ◆工事“完了前”の宅地・建物を売買する場合に、手付金等の保全措置を講 じなくてもよい場合… ア.買主への所有権の“登記(移転・保存)”がなされたとき (登記をした買主はもう安全!) イ.宅地建物取引業者が受領する手付金等の額が、代金の“5%以下”で かつ“1,000万円以下”のとき →代金の5%以下であっても、1,000万円を超える場合は、手付金等 の保全措置を講じなければならない 本問の場合、手付金の額が代金の“5%以下”ではあるものの、1,000万円 を超えているので、保全措置が必要です。 |
3.「宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業者ではないBに、宅地建物取
引業者でない売主の所有に属しない宅地建物を、売主を代理して売却するこ
とができる。」
【正解:○】 本問の場合、Aは別の売主が所有する宅地建物の売買を“代理”しているわ けであり、「みずから売主」というワケではないので、売却することはでき ます。 |