税法その他 基礎編
地価公示の問題4
正解・解説
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
○ | ○ | × | × | ○ |
次のそれぞれの記述は、地価公示法の規定によれば○か、×か。 |
1.「公示価格は、標準地の単位面積当たりの正常な価格、すなわち、土地に
ついて、自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立
すると認められる価格を示すものであり、公共事業の用に供する土地の取引価
格の算定の規準となるものである。」
【正解:○】
◆公示価格 公示価格とは、土地について、自由な取引が行われるとした場合における通常 成立すると認められる単位面積(1平方メートル)当たりの価格をいい、土地 収用法等により公共事業を行う場合、土地取得価格の算定の「規準」となります。 |
2.「公示価格は、一般の土地の取引価格に対する指標となるものであり、国
又は地方公共団体がその所有する土地の取引を行う場合においても、公示価格
を指標として取引を行うよう努めなければならない。」
【正解:○】
◆土地を取引する者の責務としての指標 都市および、その周辺において、土地取引を行おうとする者は、取引の対象土 地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を 「指標(目指すべき目標=努力目標)」として取引を行うよう努めなければな らず、取引を行う者が国や地方公共団体であっても、変わりありません。 |
3.「国土利用計画法に基づき都道府県知事に土地の所有権の移転の届出が
あった場合において、当該知事が勧告をする判断の基準となる当該土地の所有
権の相当な価額は、公示価格を規準として算定した当該土地の価格に、その価
格に一定の割合を乗じて得た価額を増額した価額とされている。」
【正解:×】
◆国土法届出での勧告の判断規準 公示価格を「規準(より厳密にのっとるべきモノサシ)」として算定した土 地所有権の価格が「相当な価額」として適正か否かが判断されます。 つまり公示価格は「客観的に適正な価格と推定されるもの」であり、その公 示価格(=適正価格)を規準として算定した価額に、一定の割合を増額した価 額ではありません。 |
4.「標準地の正常な価格とは、当該土地に建物がある場合にはその建物が存
しないものとして通常成立すると認められる価格をいうので、標準地の利用の
現況は、官報で公示すべき事項に含まれていない。」
【正解:×】
◆官報に公示すべき事項 ア.標準地の所在地 イ.標準地の単位面積当たりの価格及び価格判定基準日(=1月1日) ウ.標準地の地積と形状 エ.標準地及びその周辺の利用の現況等 つまり、建物が存在しないものとして、更地価格で公示された土地に、実際に は建物が存在するとき、その旨(地上権若しくは借地権の設定)はもちろんの こと、前面道路の状況、水道、ガス等供給施設及び下水道の整備状況、鉄道そ の他交通施設との接近の状況、都市計画法その他法令上の制限など、利用の現 況も公示しなければなりません。 |
5.「公示価格のほかに、公的土地評価には、相続税評価及び固定資産税評価
があり、国は、これらの評価について相互の均衡と適正化が図られるように努
めなければならない。」
【正解:○】参考問題 公的な土地評価に対する国民の不信感(税法によっては、同じ土地価格が時 価の3割とか8割などと異なること)を除去するため、設問文の記述の内容は 土地基本法第16条で規定されています。 参考までに、相続税の評価額は「路線価」を基準に算定されますが、この他 に「基準地価」というものがあり、これは各都道府県の財務局が、標準地以外 の公示価格にもれた土地の価格を同じ方法により算出するものです。 |