法令上の制限 基礎編

建築基準法・防火地域と準防火地域

●防火地域

正解・解説


【正解】

× × ×

建築基準法の規定によれば、次の記述は○か、×か。

1.「防火地域内においては、建築物は必ず耐火建築物としなければならない。」

【正解:×

◆防火地域の耐火措置

 原則としては、

建築物の規模に応じて耐火建築物または準耐火建築物とすることになっています。

必ず耐火建築物と言うわけではありません。

2.「防火地域内においては、階数が2以下で、延べ床面積が100平方メートル

以下であれば、耐火建築物・準耐火建築物ではない木造建築物にすることができる。」

【正解:×

◆防火地域の耐火措置

 単なる木造建築物ではダメです。

 本問の場合は、「耐火建築物」「準耐火建築物」のどちらかにしなければなりません。

 「防火地域内」では、階数が「3以上」、又は延べ面積が「100平方メートルを超え

」建築物は、原則として、耐火建築物で、これ以外は、耐火建築物or準耐火建築物

になっています。

「防火地域・準防火地域内の制限」は、重要でもありかつヤヤコシイところでもあります。時間をかけて繰り返し学習し、「完全マスター」を目指して下さい

3.「延べ面積が150平方メートルで、かつ、地上2階建ての住宅を、防火地域内

に建築する場合には、準耐火建築物とすればよい。」(H2-22-1)

【類題】H1-22-1、H6-24-1、H9-23-1

【正解:×

◆規模による耐火措置の違い

防火地域内」では、階数が「3以上」、又は延べ面積が「100平方メートルを超え

」建築物は、原則として、耐火建築物としなければなりません。

 なお、防火地域内においては、それ以外のものであっても、

少なくとも準耐火建築物としなければなりません。(法61条)

 本問の場合、階数は2なのでこれだけなら準耐火建築物でもよいのですが、

延べ面積が規定を超えているので、必ず耐火建築物としなければなりません。

規模による耐火措置の違い
 建築物の規模(住宅など用途は問わない)   耐火措置
  地階を含む階数が3以上  耐火建築物
  延べ面積が100平方メートル超える  耐火建築物
  上のいずれにも該当しないもの  耐火建築物または準耐火建築物
◆この規定には、例外があります。 設問4↓参照。

4.「高さが2mの門については、防火地域内に建築する場合であっても、木造と

してもよい。」(H2-22-3)

【正解:

◆超えると以上の区別

 本設問の場合、「木造」と言う表現は、「耐火建築物 or 準耐火建築物」ではないことを意味しています。

 「高さ2メートル以下の門又は塀」は以下により、耐火措置は適用されない為、○。

防火地域の建築物の耐火措置の例外規定(法61条但し書)
延べ面積が50平方メートル以内の平家建の附属建築物で、

外壁及び軒裏が防火構造のもの

 高さ2メートルを超える門又は塀で不燃材料で造り、又は覆われたもの
 高さ2メートル以下の門又は塀

このほかにも、「卸売市場の上家又は機械製作工場で主要構造部が不燃材料で造られたものその他」などがありますが、省略しました。

5.「防火地域内にある広告塔で、高さが3mをこえるものは、その主要な部分を

不燃材料で造り、又はおおわなければならない。」(H1-22-3)【類題】H6-24-4、H11-22-2

【正解:

◆看板、広告塔等の防火措置

 防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で、

建築物の屋上に設けるもの

又は

高さ3メートルを超えるものは、

その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければなりません。(法66条)

<注意>建築物の屋上に設けるものを忘れ勝ちなので、ご注意を! 


引き続き、準防火地域の問題を解く

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