法令上の制限 基礎編
開発許可に関する問題6
開発許可・不許可の処分
正解・解説
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
× | ○ | ウ | オ | ウ |
次のそれぞれの記述は、都市計画法の規定によれば○か、×か。 |
1.「開発許可の申請をした場合には、遅滞なく、許可又は不許可の処分が行わ
れるが、許可の処分の場合に限り、文書で申請者に通知される。」
【正解:×】 許可処分・不許可処分とも、必ず文書で申請者に通知することになっています。 (法35条1項・2項) 不許可処分をするときは、原則として、その理由も示すことになっています。 (行政手続法・8条) 法33条の開発許可基準、法34条の市街化調整区域での開発許可基準を 調べておきましょう。(法33条→平成5・9・10・12、法34条→平成4・9・12) 法33条の許可基準は、開発目的別に、自己用・自己用以外にわかれており、 自己用はさらに、居住用とそれ以外にわかれています。(平成12年出題) 開発許可の申請、開発許可の流れもアタマにいれておく必要があります。 ◆許可になった場合 開発許可の申請→ 開発許可 → 工事開始〜工事完了 開発許可基準による審査 ↓ ↓ 工事完了届 開発登録簿 ↓ 検査 ↓ 適合 検査済証 ↓ 工事完了公告 ・開発許可申請の前にやっておくべきことも押さえておきましょう。→頻出 ・開発許可〜工事完了届の間の学習項目としては、 変更の許可・工事の廃止・地位の承継 などがあります。(頻出) ◆不許可になった場合 (不服申立)→平成6 法50条 不許可 → 審査請求 → 開発審査会 → 裁判所 (裁決) (処分の取消の訴え) 開発許可が不許可になったとき、申請者はまず、開発審査会に審査請求を します。(50条1項) 注意! 開発許可処分であつても、審査請求はできます。 開発審査会は、受理日より2ヶ月以内に裁決をしなければなりません。(50条2項) 裁決を行うときには、あらかじめ、審査請求人・処分庁その他の関係人又は これらの者の代理人の出頭を求めて、公開による口頭審理を行わなければ いけません。(50条3項) 開発審査会の裁決の後でなければ、裁判所への処分取消の訴えはできません。(52条) |
2.「開発許可の不許可処分に対する不服申立ての審査請求は、開発審査会
に対して行い、更に、開発審査会の裁決に不服のある者は、裁判所に対して
処分取消の訴えをすることができる。」
【正解:○】審査請求前置主義 設問文の記述の通りです。審査請求前置主義といいます。 なお、開発審査会は、開発不許可処分に対して不服のある者から審査請求 を受理した場合、受理した日から「2カ月以内」に裁決しなければなりません。 ≪開発許可・不許可≫ 書面によることが必要。特に、不許可の場合は、その理由も 通知しなければなりません。 ≪不服申立≫ 開発許可処分の場合にも、「審査請求」はできます。この場合も、 裁判所への開発許可の取消しの訴え(公害等調整委員会に裁定の申請を することができる事項に関する訴えを除く)は、開発審査会の裁決を経たあと でなければ提起することはできません。 →これがそのまま、平成7年に出題されました。ご注意を! 「あれ? 不許可処分のときだけ審査請求をするんじゃないの?」と思った方に は、例えば、開発許可が下りたことで不利益を被る人やその開発行為に反対 の人がいることも思い起こしていただくと理解が早まると思います。
≪注意!≫ 不服の理由が鉱業、採石業又は砂利採取業との調整に関するものであるときは、 不服の申立は「開発審査会」ではなく、「公害等調整委員会」です。 |
●過去問類題 |
1.「開発許可処分については、開発審査会の裁決を経ることなく、常に直接その取消しの訴えを提起できる。」(H13-19-4)
【正解:×】 |
3.「開発審査会は、開発不許可処分に対して不服のある者から審査請求を
受理した場合、受理した日から( )に、裁決をしなければならない。」
ア.1カ月以内
イ.1カ月から2カ月の間
ウ.2カ月以内
【正解:ウ】 さらに不服のある者は、裁判所に対して処分取消の訴えをすることができます。 |
4.「開発許可申請書の記載事項でないものは( )である。」
ア.開発区域の位置及び規模
イ.予定建築物又は特定工作物の用途
ウ.開発行為に関する設計
エ.工事施工者
オ.総費用の額
【正解:オ】 “総費用の額”は開発許可申請書の記載事項ではありません。 なお、“ウ”の開発行為に関する設計の設計図書(図面)は、 1 ha以上の場合は、 一定の有資格者が作成したものでなければなりません。 無資格者が作成した設計図書により開発許可がなされ、発覚したときは、開発許可 権者は、その許可を取消し、変更し、その効力を停止するなど必要な措置をとることを 命じることができます。(無資格者なのに設計図書を作成した者についての罰則は、 都市計画法上では規定はありません。) <注意!> 開発区域内に立てる予定の「建築物(住宅・工場・店舗・ビル)」あるいは 「特定工作物」の『用途』も開発許可申請書の記載事項ですが、 「建築物」や「特定工作物」の“規模”までは記載事項とはなって いません。 |
5.「開発登録簿を調製し保管する者は( )である。」
ア.開発許可を受けた者
イ.市町村長
ウ.都道府県知事
【正解:ウ】 都道府県知事は、「開発登録簿」を調製(作って用意すること)し、必要事 項を登録して、保管しなければなりません。 |