法令上の制限 基礎編
開発許可に関する問題8
工事完了・開発登録簿
正解・解説
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
× | ○ | × | × | × |
次のそれぞれの記述は、都市計画法の規定によれば○か、×か。 |
1.「開発許可を受けた開発区域内の土地については、工事完了の公告があ
るまでは、分譲することができない。」
【正解:×】 開発許可を受けた開発区域内の土地において、工事完了の公告があるまで 制限を受けることは、「建築物の建築すること等」であって、分譲すること はできます。 なお、建築物であっても、 ア.工事用の仮設建築物 イ.当該開発行為に関する特定工作物 ウ.当該開発許可に同意していない者が建てる、その開発とは無関係である建築物 は建てることができます。 |
2.「開発許可を受けた者は、開発行為に関する工事を完了したとき、その
旨を都道府県知事に届出なければならず、届出を受けた都道府県知事は、遅
滞なく検査し、開発許可の内容に適合したと認めるときは、開発許可を受け
た者に検査済証を交付し、その旨を公告しなければならない。」(類・H3-20-2)
【正解:○】 開発許可を受けた者は、開発区域の全部について開発行為に関する工事を 完了したときは、その旨を都道府県知事に届けなければなりません。 なお、以下のことも覚えておきましょう。 ・開発区域を複数の工区に分けた時は、各工区が工事を完了したときに届け出る。 ・公共施設に関する部分は、その公共施設に係る工事が完了したときに、届け出る。 <参考> ◆完了公告後の2つの効果 [1] 開発行為等により新たに設置された公共施設の管理は、公告の日の翌日 に原則として市町村の手に移る。 [2] 公告後、開発許可の際に示した予定建築物等以外の建築物等の新築が禁 じられる。但し、知事が許可した場合や用途地域等が定められている場 合は、許される。 |
●条文をチェック |
第36条
1 開発許可を受けた者は、当該開発区域(開発区域を工区に分けたときは、工区)の全部について当該開発行為に関する工事(当該開発行為に関する工事のうち公共施設に関する部分については、当該公共施設に関する工事)を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。 2 都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、遅滞なく、当該工事が開発許可の内容に適合しているかどうかについて検査し、その検査の結果当該工事が当該開発許可の内容に適合していると認めたときは、国土交通省令で定める様式の検査済証を当該開発許可を受けた者に交付しなければならない。 3 都道府県知事は、前項の規定により検査済証を交付したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、当該工事が完了した旨を公告しなければならない。 |
3.「都道府県知事はは開発許可を受けた者から当該開発行為に関する工事
完了の届出があった場合、遅滞なく検査し、その結果を検査済証をもって通
知しなければならない。」
【正解:×】 検査済証の交付の目的は「工事が許可内容に適合して完了した」という証明で あり、開発行為が開発基準に不適合であれば、検査済証は発行されません。 つまり、完了検査をすれば自動的に検査済証が交付されるというものでは ありません。 本設問は、完了検査の結果を検査済証をもって通知…となっているので×に なります。完了検査の検査済証が交付されたということは完了検査が適合したという ことなのです。 |
4.「都道府県知事は、開発登録簿を調整し、利害関係人の閲覧に供するよ
うに保管し、かつ、請求があったときは、その写しを交付しなければならない。」
【正解:×】イジワル問題 “調整”ではなく「調製(作って用意する)」し(46条、また“利害関係人”でし はなく、それより範囲の広い「公衆」の閲覧です。(47条5項) 開発登録簿の登録事項は、要チェック! 特に、「予定建築物等の用途」に関しては、 ≪用途地域等が既に決まっている場合には登録不要≫ である点に注意しましょう。 |
5.「都道府県知事は、市街化区域内の土地について開発許可をしたときは、当該
許可に係る開発区域内において予定されている建築物の用途、構造及び設備を
開発登録簿に登録しなければならない。」
【正解:×】 市街化区域、調整区域、非線引き区域、準都市計画区域、両区域外と区域がどこであろうと、予定されている建築物の用途は、開発登録簿の記載事項です。 しかし、用途は≪用途地域等が既に決まっている場合には登録不要≫です。 予定されている建築物の構造及び設備は、記載事項ではありません。 |
開発登録簿の登録事項 (47条1項) |
開発登録簿は都道府県が調製し、また常に公衆の縦覧に供するように保管し、 かつ、請求があつたときはその写しを交付しなければならない。←平成6年出題 登録事項 1.開発許可の年月日 2.予定建築物等(用途地域等の区域内の建築物及び第一種特定工作物を除く) の用途 [構造・設備は登録事項ではない←平成12年出題] 3.公共施設の種類、位置及び区域 4.開発許可の内容 これら以外には、以下のようなものがある。 5.41条1項の規定による制限の内容(用途地域の定められていない土地の区域 における開発許可をする場合に、都道府県知事が必要と認めた制限。建ぺい率、 建築物の高さ、壁面の位置その他建築物の敷地、構造及び設備に関する制限) ←平成9年出題 6.国土交通省令で定める事項 ・開発許可に基づく地位を承継した者があるときはその者の住所・氏名など 7.工事完了検査の結果、開発許可の内容に適合するときはその旨の附記 8.41条2項但し書、もしくは42条1項但し書の規定による許可があったとき、 又は42条2項の協議が成立したとき 9.取消、変更等の処分をして登録事項に変動を生じたときは必要な修正 |