法令上の制限 基礎編
建築基準法・建築確認
●中間検査・台帳整備と書類の閲覧制度
正解・解説
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
○ | ○ | ○ | ○ | × |
都市計画法の改正により創設された準都市計画区域の区域内でも都市計画区域とほぼ同じ規制が適用され、建築確認の規定も適用されます。 |
建築基準法の規定によれば、次の記述は○か、×か。 |
1.「特定行政庁は、建築主事及び指定確認機関がなした確認、中間検査、完了
検査に係る建築物等に関して、国土交通省令で定めた事項を掲載した台帳を整備
しなければならないが、閲覧の請求があった場合は、国土交通省令で規定された
書類を閲覧させなければならない。」
【正解:○】
◆台帳の整備義務と閲覧制度 本問の記述の通りです。(12条5項、93条の2項など) 建築後にこっそり用途転用をしたり、違法な追加建築をしたりするのを防止・監視する ことが狙いです。 この制度は、行政側の努力だけでなく、建築物を購入する側からも閲覧できるよう にして、違反建築物の防止に役立たせようと言う意図のもとに作られたものです。 ▼特定行政庁は台帳の整備を義務付けられています。 台帳には建築確認や検査などの処分履歴が記載されており、このうち 建築計画概要書 処分概要書 を閲覧する事ができます。(施行規則 11条の7の1項) ●新旧比較
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2.「特定行政庁は、建築物が滅失あるいは除却などにより存在しなくなるまで当該
建築物にかかわる書類を閲覧に供さねばならず、閲覧場所および閲覧に係る規定
を定め、告示しなければならない。」
【正解:○】
◆台帳の保存期間 本問の記述の通りです。(施行規則 11条の7の4項) 閲覧に、10年間とか保存期間の年限を定めたら、閲覧制度の意味がありません。 |
3.「特定行政庁は、建築物に関する工事のうち当該工事の施工段階に、建築主
事等が建築基準規定に適合しているか検査することが必要なものを特定工程とし
て指定し、指定された建築物は、建築主事又は指定確認機関の中間検査を受け、
中間検査合格証を交付されなければ、特定工程後の工程に係る工事は、施工で
きない。」
【正解:○】
◆中間検査の創設 90年代、施工不良、違反建築物への関心が高まっていた折しも、95年1月17日に起きた阪神・淡路大震災では、被災建築物44万棟、死者6,400名に及ぶ被害が出ました。気象庁は慌ててそれまでなかった震度7という基準まで作ったのですが、この震災は人災だと言う人もいて、施工不良への世論の高まりが、この中間検査という制度を作ったとも言えます。 中間検査は、このような施工の不備による違反建築物を排し、建築物の安全性や品質の確保を期して、施工段階での検査をするものです。これまでは、計画段階での建築確認、工事後の完了検査のみでしたが、施工中にも監視するシステムが作られたわけです。 中間検査の対象となる建築物や中間検査を行う特定工程は、「階数が3以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配置する工事の工程」、「地域の建築物や建築の動向又は工事に関する状況その他の事情により、特定行政庁が指定した工程」です。
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4.「特定行政庁は、指定確認検査機関より、中間検査において、その建築物
及び敷地が建築基準関係規定に適合しない旨の報告を受けたときは、遅滞なく、
違反是正命令その他必要な措置を講ずる。」
【正解:○】
◆違反是正命令 本問の記述のとおりです。(7条の4・第7項) 中間検査が民間機関による儀式的なものになれば、中間検査の存在意義が風化します。 |
5.「中間検査は特定行政庁に指定された特定工程のみが対象であり、特定工程
時点での建築物全体や敷地の状況等は含まれない。」
【正解:×】
◆中間検査の意義 中間検査とは、当該特定工程進行時点で判断し得る、建築基準関係規定全てに及んでおり、建築物全体だけでなく、敷地の状況への判断も含まれます。ただ単に、特定工程のみを検査するのでは、中間検査を創設した意味がありません。 |