法令上の制限 基礎編

形態規制・容積率

●容積率の計算問題

正解・解説


【正解】

×

次のそれぞれの容積率の記述は、建築基準法の規定によれば○か、×か。

1.「下図のような近隣商業地域と第ニ種住居地域にまたがる敷地に建築物を

建築する場合、適用される建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)

の最高限度は、 260パーセントである。

 ただし、他の地域地区等の指定、特定道路及び特定行政庁の許可による影響

はないものとする。」 H4-22-1

<見取り図>

 |←5m→|―――――――――――――――――
 |     |近隣商業地域   | 第1種      | 
 |     | 120平方メートル | 住居地域    |
 |     |            | 80平方メートル |
―       ―――――――――――――――――
               ↑
               5m
               ↓
――――――――――――――――――――――――

都市計画により指定された容積率の最高限度

 近隣商業地域 40/10, 第2種住居地域 20/10

【正解:

◆計算方法を正確にしましょう

容積率計算の前提

敷地面積がそのまま使えるか→セット・バックはないか

容積率の緩和措置はあるか→ 住宅地下室の延べ面積不算入など

前面道路の幅員12m未満→前面道路幅による容積率

都市計画で指定された容積率は、問題文中で与えられる             

前面道路による容積率

第1種、第2種低層住居専用地域→ 4/10×前面道路の幅員(m)

上記外の住宅系用途地域

  → 原則 4/10×前面道路の幅員(m)

     ただし、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内

     にあっては、6/10×前面道路の幅員(m)

 ▼高層住居誘導区域内の一定の要件を満たす建築物は除きます。

用途地域指定のない区域及び住居系以外の用途地域

 → 原則 6/10×前面道路の幅員(m)

   ただし、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内

   にあっては、4/10 または 8/10×前面道路の幅員(m)

1) 近隣商業地域  都市計画により指定された容積率の最高限度・・・40/10

 前面道路幅による容積率=5m×6/10=30/10  40/10

 この2つのうち、小さいのは、30/10 なので、これが計算に使う容積率。

2) 第2種住居地域 都市計画により指定された容積率の最高限度・・・20/10

 前面道路幅による容積率=5m×4/10=20/10  20/10

 これは2つとも同じ数値の20/10 なので、これが計算に使う容積率。

3) 容積率の計算各用途地域の容積率×各用途地域の面積/敷地面積 の和

 30/10 ×120/200 + 20/10×80/200

= 3/1 ×60/100 + 2/1×40/100 ←分母が100になるように約分します。

=(180+80)/100

= 260/100 ・・・・これが、求める容積率 よって、本設問は

2.「敷地Aのみを敷地として建築物を建築する場合、容積率の最高限度は

200パーセントとなる。

 ただし、他の地域地区等の指定、特定道路及び特定行政庁の許可は考慮しない

ものとする。」 H10-22-1

<見取り図>

                         |←6m→|   
 |――――――――――――――――      |
 |第1種       | 準工業地域 |      | 
 |住居地域    |           |     |
 | 180平方メートル |120平方メートル |     |
 ―――――――――――――――――       −――――
               ↑
               4m
               ↓
―――――――――――――――――――――――――――

敷地A : 都市計画において定められた容積率の最高限度 20/10

【正解:×

◆前面道路幅による容積率の制限

 前面道路幅が4m<12m なので、前面道路による容積率を計算する必要がある。 

  第1種住居地域 都市計画により指定された容積率の最高限度・・・20/10

 前面道路幅による容積率=4m×4/10=16/10  20/10

 2つのうち小さい数値は16/10 なので、これが容積率になる。  

前面道路による容積率

第1種、第2種低層住居専用地域→ 4/10×前面道路の幅員(m)

上記外の住宅系用途地域

  → 原則 4/10×前面道路の幅員(m)

     ただし、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内

     にあっては、6/10×前面道路の幅員(m)

 ▼高層住居誘導区域内の一定の要件を満たす建築物は除きます。

用途地域指定のない区域及び住居系以外の用途地域

 → 原則 6/10×前面道路の幅員(m)

   ただし、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内

   にあっては、4/10 または 8/10×前面道路の幅員(m)

3.「敷地Aと敷地Bをあわせてーの敷地として建築物を建築する場合、容積率の

最高限度は 264パーセントとなる。ただし、他の地域地区等の指定、特定道路

及び特定行政庁の許可は考慮しないものとする。」 H10-22-1

<見取り図>

                         |←6m→|   
 |――――――――――――――――      |
 |第1種       | 準工業地域 |      | 
 |住居地域    |           |     |
 | 180平方メートル |120平方メートル |     |
 ―――――――――――――――――       −――――
               ↑
               4m
               ↓
―――――――――――――――――――――――――――

敷地A : 都市計画において定められた容積率の最高限度 20/10

敷地B : 都市計画において定められた容積率の最高限度 40/10

【正解:

◆容積率の按分計算

前面道路による容積率

第1種、第2種低層住居専用地域→ 4/10×前面道路の幅員(m)

上記外の住宅系用途地域

  → 原則 4/10×前面道路の幅員(m)

     ただし、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内

     にあっては、6/10×前面道路の幅員(m)

 ▼高層住居誘導区域内の一定の要件を満たす建築物は除きます。

用途地域指定のない区域及び住居系以外の用途地域

 → 原則 6/10×前面道路の幅員(m)

   ただし、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内

   にあっては、4/10 または 8/10×前面道路の幅員(m)

問題文の条件

●セット・バックはない。→敷地の面積は、変わらない。

●合わせて一の敷地。前面道路は2つある。

●前面道路幅は、4m, 6mのうち広いほう6mを使う。間違えやすい。

1) 準工業地域  都市計画により指定された容積率の最高限度・・・40/10

 前面道路幅による容積率=6m×6/10=36/10  40/10

 この2つのうち、小さいのは、36/10 なので、これが計算に使う容積率。

2) 第2種住居地域 都市計画により指定された容積率の最高限度・・・20/10

 前面道路幅による容積率=6m×4/10=24/10  20/10

 この2つのうち、小さいのは20/10 なので、これが計算に使う容積率。

3) 容積率の計算各用途地域の容積率×各用途地域の面積/敷地面積 の和

 20/10 ×180/300 + 36/10×120/300

= 20/10 ×60/100 + 36/10×40/100 ←分母が100になるように約分します。

=20/10 ×6/10 + 36/10×4/10

=(120+144)/100

= 264/100 ・・・・これが、求める容積率 よって、本設問は 


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