法令上の制限 基礎編

建ぺい率に関する問題3 建ぺい率の計算問題

正解・解説


【正解】

× ×

建築物の建ぺい率(建築面積の敷地面積に対する割合)の関する次の記述は、

建築基準法の規定によれば○か、×か。

1.「下図のような近隣商業地域と第1種住居地域にまたがる敷地に建築物を建築する

場合、適用される建築物の建ぺい率の最高限度は、72パーセントである。ただし、街区

の角にある敷地として特定行政庁の指定を受けているものとし、他の地域地区等の指定

及び特定道路による影響はないものとする。」H4-23-2  

<見取り図>

 この見取り図において、都市計画で定められている建ぺい率は、

 近隣商業地域 8/10、第1種住居地域 6/10 とする。

 |←5m→|―――――――――――――――――
 |     |近隣商業地域   | 第1種      | 
 |     | 120平方メートル | 住居地域    |
 |     |            | 80平方メートル |
―       ―――――――――――――――――
               ↑
               5m
               ↓
――――――――――――――――――――――――

【正解:×

◆計算方法を正確にしましょう

建ぺい率計算の前提

敷地面積がそのまま使えるか→セット・バックはないか

建蔽率の緩和措置はあるか→1) 防火地域+耐火建築物なら、1/10加算

                    2) 特定行政庁の角地の指定なら、1/10加算

問題文の条件

●セット・バックはない。→敷地の面積は、変わらない。

●防火+耐火建築物 ではない。→ 1/10加算しない。

●街区の角にある敷地として特定行政庁の指定がある2つとも1/10加算

1.面積を確かめる。  

   近隣商業地域 120平方メートル   第1種住居地域 80平方メートル

2.建ぺい率を確かめる。

   近隣商業地域 8/10+1/10=9/10

   第1種住居地域 6/10+1/10=7/10

3.加重平均を求める

          9/10 × 120/200 + 7/10 × 80/200  ←分母が100になるように約分

          =9/10 × 6/10 + 7/10 × 4/10  

         =(54+28)/100=82/100 ←これが、2つ合わせた建ぺい率

<もし、両方とも1/10を加算しないと…>

  8/10 × 120/200 + 6/10 × 80/200

         =8/10 × 6/10 + 6/10 × 4/10

         =(48+24)/100=72/100  ←これが、問題文にある数値

2.「下図のような敷地A(第一種住居地域内)及び敷地B(準工業地域内)にあわせ

てーの敷地として住居の用に供する建築物を建築する場合、当該建築物の建ぺい

率 (建築面積の敷地面積に対する割合) の最高限度は74パーセントとなる。

ただし、他の地域地区等の指定、特定道路及び特定行政庁の許可はないもの

とする。」H10-22-4

<見取り図>

 この見取り図において、都市計画で定められている建ぺい率は、

 第一種住居地域、準工業地域とも、 6/10 とする。

                         |←6m→|   
 |――――――――――――――――      |
 |第1種       | 準工業地域 |      | 
 |住居地域    |           |     |
 | 180平方メートル |120平方メートル |     |
 ―――――――――――――――――       −――――
               ↑
               4m
               ↓
―――――――――――――――――――――――――――

【正解:×

◆計算する必要があるか、考えてから解く

問題文の条件

●セット・バックはない。→敷地の面積は、変わらない。

●防火+耐火建築物 ではない。→ 1/10加算しない。

●街区の角にある敷地として特定行政庁の指定はない→1/10加算しない

本問では、第一種住居地域、準工業地域では、建ぺい率は同じ6/10

               ↓

  同じ建ぺい率では、加重平均しても、変わらない

               ↓

  したがって、計算する必要はない

 上の理由で、本設問は、瞬時に、6/10, 60%になります。

 防火+耐火、 or 街の角にある敷地として特定行政庁の指定があれば、

 第一種住居地域、準工業地域の建ぺい率に1/10加算した7/10になり

 防火+耐火、 街の角にある敷地として特定行政庁の指定が共にあれば、

 第一種住居地域、準工業地域の建ぺい率に2/10加算した8/10になります。

◆建ぺい率が同じでセット・バックがあったら、どうなるか?

 この場合も、建蔽率が同じなら、計算する必要はありません


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