法令上の制限 基礎編

建築基準法・単体規定の問題1 主要構造物・構造計算

正解・解説


【正解】

× × × ×

次のそれぞれの記述は、建築基準法の規定によれば○か、×か。

1.「主要構造部とは、壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいう。」

【正解:

◆主要構造部とは

建築物の構造上重要なこの6つの部分を「主要構造部」といいます。(法2条5号)

このように、建築基準法で使う用語の定義があらかじめ、決められています

2.「延べ面積が3,000平方メートルを超える建築物は、柱、壁、はりを木造としても、

耐火構造又は政令で定める技術的基準に適合するものであればよい。」

【正解:法改正に注意!

◆大規模建築物の主要構造部が木材、プラスチックなどの可燃材料

 →耐火建築物の主要構造部の規準に適合するものでなければならない

   (一定の耐火構造を要する)←改正点

   床、屋根、階段を除く主要構造部 要求されているもの
「高さ13m超」、

「軒の高さ9m超」

政令で定める部分の全部又は一部に

木材、プラスチックその他の可燃材料

を用いたもの

耐火構造

(防火上必要な政令で定める

技術的基準に適合する

建築物は除く。)

延べ面積
3,000平方m超
耐火構造

「高さ13m超」、「軒の高さ9m超」の場合は、構造方法、主要構造部の防火の措置その他の事項について防火上必要な政令で定める技術的水準に適合する建築物は、この限りではない。(法21条1項) 

つまり、「高さ13m超」、「軒の高さ9m超」の場合は、2段構えになっています。

  主要構造部 21条1項

  主要構造部 施行令129条2の3

「延べ面積3,000平方m超」には、例外がない事に注意しましょう。

   ↓ 言い換えると

「高さ13m超」、「軒の高さ9m超」、「延べ面積3,000平方m超」

の時は、ただ単にいわゆる木造だけではダメということ。

   ↓ つまり

「高さ13m」「軒高9m」「延べ面積3,000平方メートル(約1,000坪)」

を超える建築物の“壁・柱・はり”は、原則として

耐火構造or政令で定める技術的基準に適合するもの

が要求されます。

▼この単体規定は、市町村の条例による緩和ができます。

公式> 床・屋根・階段を除く主要構造部=壁・柱・はり

3.「高さ13m又は軒の高さ9mを超える建築物は、常に主要構造部である壁を木造

としてはならない。」H7-21-1

【正解:×

「高さ13m超、軒高9m超の主要構造部は木造等は×」の例外

 上で見たように、構造方法や主要構造部の防火の措置などが、防火上政令で定める技術的基準に適合する建築物(政令で定める用途に供するものを除く)のときは木造などでもよい、とされています。 

主要構造部を木造等とする事ができる大規模建築物の技術的水準

(施行令129条の2の3)

・地階を除く階数が3以下
・主要構造部が準耐火構造
・建物の周囲(道に接する部分を除く)に、幅員が3m以上の通路(例外あり)
・防火壁の設置を要しない建築物の技術的水準
政令で定める用途=倉庫、自動車車庫

木造建築物などで外壁などの防火措置が必要な規模→1,000平方メートル超

    この箇所には法改正があつたため、注意してください!

 延べ面積1,000平方メートルを超える木造建築物などは

外壁・軒裏で延焼の恐れのある部分防火構造

屋根の構造→火の粉による火災の発生を防止するために必要
         とされる性能に関して建築物の構造及び用途の区分に応じて
         政令で定める技術的水準に適合するもので、
         国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの、
         又は国土交通大臣の認定を受けたもの

         (防火地域又は準防火地域内の建築物の屋根の構造)←63条改正

防火措置を求められています。(法25条) 

4.「建築物には、常に異なる構造方法による基礎を併用してはならない。」H7-21-2

【正解:×困惑問題

◆例外

 原則としては異なる構造方法による基礎を併用してはいけません(施行令38条2項)。

 しかし国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合では適用されません。(施行令38条4項)

5.「高さ13mを超える建築物で、その最下階の床面積1平方メートルにつき100kN

(キロニュートン)超える荷重がかかるものの基礎ぐいの先端は、必ず良好な地盤

に達していなければならない。」H7-21-3

【正解:×困惑問題

◆例外

 原則としては高さ13m又は延べ面積 3,000平方メートルを超える建築物で、その建築物に作用する荷重が最下階の床面積1平方メートルにつき100キロニュートンを超えるものにあっては、基礎の底部(基礎ぐいを使用する場合にあっては、その基礎ぐいの先端)は、良好な地盤に達していなければなりません(施行令38条3項)

 しかし、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合では適用されません。(施行令38条4項)

6.「木造の建築物で階数が3であるものは、必ず構造計算によって、その構造が

安全であることを確かめなければならない。」H7-21-4

【正解:

◆構造耐力(法20条)→構造計算の必要な建築物

 建築物は、自重、積載荷重、積雪、風圧、土圧、水圧、地震その他の震動、衝撃に

対して安全な構造のものとして基準に適合するものでなければなりません。

そのため、「建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合」しなければなりませんが、

以下の建築物では、このほかに、

政令で定める基準に従った構造計算によって確かめられる安全性を要求されています。

木造建築物 「3階以上」

「延べ面積500平方メートル超」

「軒高9m超」

「高さ13m超」 のうちのどれでも

木造以外の建築物 「2階以上」 or

「延べ面積200平方メートル超」

主要構造部(床、屋根、階段を除く)が

石造、レンガ造、コンクリート・ブロック造、

無筋コンクリート造

「軒高9m超」 or

「高さ13m超」

なお、これには例外はありません。

◆3〜6の問題文には、「常に」「必ず」が問題文の中に含まれていました。H27-1では正しいものを選べ、という問題でした。

7.「鉄筋造の建築物でも、延べ面積が 300平方メートルのものであれば、その

設計図書の作成にあたって、構造計算により構造の安全性を確かめる必要は

ない。」H9-25-2

【正解:×

◆整理しましょう

 鉄筋造の建築物木造以外の建築物

 延べ面積 300平方メートル延べ面積200平方メートル超

  したがって、構造計算は必要です。   

【類題】木造2階建て延べ面積が500平方メートルの建築物に関する設計図書

の作成にあたっては、構造計算によって、その構造が安全であることを確かめ

なければならない。」 

◆構造計算により安全性を確かめなければならない建築物(シツコイ?)

ア.木造建築物―→「3階以上」「延べ面積500平方メートル超

          「軒高9m超」「高さ13m超

イ.非木造建築物→「2階以上」「延べ面積200平方メートル超

本問の場合、

・木造

・“階数”が3階未満

・面積も500平方メートルを超えていない

ので、構造計算による安全確認は不要です。

【正解:×


引き続き単体規定の問題2を解く

単体規定のトップに戻る

法令上の制限・基礎編のトップに戻る