税法その他 基礎編

不動産取得税の問題1 不動産取得税とは

正解・解説


【正解】

× × × × ×

不動産取得税に関する次のそれぞれの記述は、○か、×か。

1.「海外の不動産の取得に対しても、不動産取得税が課税される場合がある。」

【正解:×H2-31-1

◆不動産の所在する(都)道府県が課税主体

 不動産取得税は、当該不動産の所在地の属する都道府県が、当該不動産の取得

者に課すものです。つまり、海外の不動産の取得は課税対象外です。

<お断り>

不動産取得税は、正式には「道府県税」です。ただ、地方税法施行令第1条2項には、

「この法律中、道府県に関する規定は都に、市町村に関する規定は特別区に準用する」

となっているため、解説中では、都道府県の税という表現にしてあります。

本節では、地方税法は法令名を書かずに条文番号のみの記載になっています。

2.「不動産取得税の徴収は申告納付の方法によることとされているので、都道府

県の条例の定めるところによって不動産の取得の事実を申告又は報告しなければ

ならない。」

【正解:×H7-30-4

◆普通徴収と申告又は報告義務

 不動産取得税の徴収は、「申告納付」ではなく「普通徴収」です。(納税通知書が納税義務者に送付される)

 なお、後半の部分は正しく、不動産の取得の事実その他、都道府県の条例で定める事項を申告又は報告の義務があります。 

3.「不動産取得税は、不動産の取得に対し、その不動産の所在する市町村に

おいて課する税である。」

【正解:× H3-30-1

◆不動産の所在する(都)道府県が課税主体

 不動産取得税は、不動産の取得に対し、当該不動産の所在する都道府県において、当該不動産の取得者に課せられます。

 不動産取得税の課税標準は、固定資産課税台帳に登録されているものについては、その登録価格になります。これにより課税します。

 また、登録されていない不動産(新築など)、増改築、地目の変更等で登録価格によることが不適当な場合は、都道府県知事が固定資産評価基準に基づき算定した価格が課税標準になります。

課税標準 × 税率 = 税額

【類題 H10-28-1,H13-28-1】

●類題
1.「不動産取得税は,不動産の取得に封して,取得者の住所地の都道府県が課す

 る税であるが,その徴収は普通徴収の方式がとられている。」H13-28-1

【正解:×

 ×取得者の住所地  → 〇 不動産の所在地

4.「不動産取得税は、不動産を取得すれば、登記をしていなくても、課税される。」

【正解:H5-29-3

◆登記の有無、有償・無償を問わず、所有権の現実の取得に課税

 登記の有無で不動産取得税が課税されるのではありません。

 不動産取得税は、登記の有無、有償・無償を問わず現実に取得した者

課税されます。

5.「不動産取得税は、相続、贈与、交換及び法人の合併により不動産を取得した

場合には課せられない。」

【正解:× H8-30-3

◆不動産の形式的な取得には非課税

 相続や法人の合併により不動産を取得した場合は形式的な所有権の移転とされ、

不動産取得税は、課せられません。

 しかし、贈与、死因贈与や交換による不動産の取得には課税されます。

6.「委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託において、受託者から委託者

に信託財産を移す場合の不動産の取得については、不動産取得税が課税される。」

【正解:×H12-28-4

◆不動産の形式的な取得には非課税

 この場合は、委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託のケースです。

 委託者→受託者に移った信託財産が、受託者→委託者に戻っただけなので、

形式的な所有権の移転に該当し、不動産取得税は非課税になります。(73条7項4号)

<最近の不動産業界の流れ>

 SPC法や不動産投資顧問業の登録開始、取引一任代理など、最近の不動産業界

の売買・賃借以外の流れを出題反映しようとしている意図が見え隠れします。

●類題
不動産取得税に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(昭和52年)

1 不動産取得税は,地方開発事業団が不動産を取得した場合には,課されない。

2 不動産取得税は,相続による不動産の取得に対しては,課されない。

3 不動産取得税は,償却資産の取得に対しては,課されない。

4 不動産取得税は,交換による不動産の取得に対しては,課されない。

【正解:

 不動産取得税は,相続・法人の合併による不動産の取得を除いて土地及び家屋を現実に取得したことに対して課され(→償却資産には課すことができない),有償・無償を問わない。⇒ 交換による取得にも課される。

 道府県は,国,非課税独立行政法人及び国立大学法人等並びに都道府県,市町村,特別区,地方公共団体の組合,財産区,地方開発事業団,非課税地方独立行政法人及び公立大学法人に対して,また,皇室経済法に規定する皇位とともに伝わるべき由緒ある物である不動産について,不動産取得税を課することができない。(地方税法73条の3)


引き続き、問題2を解く

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