税法その他 基礎編
登録免許税の問題3
登録免許税の軽減措置 地上権などの登記名義人が所有権の移転登記
正解・解説
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
A(個人)は、自己を権利者とする地上権の設定の登記がされている土地をその 土地の所有者であるBから売買により取得した。この場合におけるBからAへの 当該土地の所有権の移転の登記に係る登録免許税に関する次の記述のうち、 正しいものはどれか。(平成8年出題) |
1.「納税義務を負うのは、Aのみである。」
【正解:×】基本問題
◆納税義務者 税法上は、納税義務者は、登記等を受ける者。 2名以上のときは、連帯して納付する義務があります。 売買等の所有権移転登記では売主と買主に連帯納付義務があります。(→実務上は、通常、買主負担です。登記によって対抗力を得るのは買い主なので、取引慣行上それが合理的だと考えられているからです) 当然のことながら、どちらが支払うか、という当事者間での特約は認められています。この特約と税法上の条文を混同してはいけません。 |
2.「課税標準である土地の価額は、その土地について地上権が設定されていな
いものとした場合の土地の価額から地上権の価額を控除した額による。」
【正解:×】 基本問題
◆所有権移転登記の登録免許税の課税標準 固定資産課税台帳の登録価格 不動産の上に所有権以外の権利その他処分の制限が存するときは、当該権利その他処分の制限がないものとした場合の価額によります。土地の上に地上権があるときでも、地上権が設定されていない場合の価額とします。 「地上権が設定されていないものとした場合の土地の価額から地上権の価額を控除した額による」のではありません。 |
3.「税率は、登録免許税法別表第1において不動産の所有権の移転の登記に
係る税率として定められている割合に50/100を乗じて計算した割合である。」
【正解:○】
◆地上権の設定登記のある土地を、その登記の名義人自身が取得 このような場合は、本設問の記述の通り、税額が通常の1/2になります。
<注意> この特例は、地上権の登記名義人以外の者には適用されません。 <根拠条文>不動産等の移転登記の場合の税率の特例 地上権、永小作権、賃借権若しくは採石権の設定の登記がされている土地又は賃借権の設定の登記がされている建物について、その土地又は建物に係るこれらの権利の登記名義人がその土地又は建物の取得に伴いその所有権の移転の登記を受けるときは、当該登記に係る登録免許税の税率は、別表第1第1号(2)の税率欄に掲げる割合に100分の50を乗じて計算した割合とする。(登録免許税法・17条4項) |
●仮登記のある不動産について本登記をするとき | ||||
すでに、所有権移転の仮登記がされている不動産について、本登記を受ける場合は、通常の税率から、1000分の5を控除した税率になります。
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4.「当該登記を受ける場合の納税地は、A又はBのいずれかの住所を選択する
ことができる。」
【正解:×】
基本問題
◆納税地 登録免許税は、原則として、納付の基因となる登記等を受ける時までに納付 しなければなりませんが、 その納税地とは、「納税義務者が受ける登記等の」事務をつかさどる登記所その他 の官署又は団体の所在地です。(登録免許税法・8条) 本設問文では、「納税義務者A、Bいずれかのの住所地」となっているため、不適切。 |