法令上の制限 基礎編

都市計画法(概容)に関する問題6

市町村の都市計画

正解・解説


【正解】

× ×

次のそれぞれの記述は、都市計画法の規定によれば○か、×か。

1.「市町村は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想

並びに都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に即し、当該市町村の都市計画

に関する基本的な方針を定めるが、このとき、遅滞なく公表するとともに、都道府県知事

承認を得なければならない(類題 H10-17-2)

【正解:×

 「承認を得る」ではなく、「通知しなければならない」となります。

 なお、前半部は正しく記述されています。

 市町村における都市計画の総合的なマスタープランとして、

市町村の都市計画に関する基本的な方針が定められます。(都市局長通達)

【過去問での出題例】(平成2年問19肢2)

市町村は、都市計画を決定するとき、議会の議決を経なければならない

【正解:×

都市計画決定の際には、再び議会での議決は必要とされていません。

●条文で確認
(市町村の都市計画に関する基本的な方針)

第18条の2  市町村は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想並びに都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に即し、当該市町村の都市計画に関する基本的な方針(以下この条において「基本方針」という。)を定めるものとする。

 2   市町村は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

 3   市町村は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県知事に通知しなければならない。

 4   市町村が定める都市計画は、基本方針に即したものでなければならない。

2.「市町村が定める都市計画は、都道府県が定めた都市計画に適合することを

要する。」

【正解:

 市町村が定める都市計画は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想に即し、かつ、都道府県が定めた都市計画に適合したものでなければなりません。(法15条3項)

3.「市町村が定めた都市計画が、都道府県が定めた都市計画と抵触すると

きは、市町村長と都道府県の協議によって決定し、国土交通大臣の認可を受

ける。」

【正解:×

  抵触する部分については「都道府県の都市計画が優先」されます。(法15条4項)

≪参考≫

 2以上の都府県の区域にわたる都市計画区域に係わる都市計画は、

国土交通大臣と市町村が定める。

(⇔2以上の都府県の区域にわたる都市計画区域は国土交通大臣が指定する)

●都道府県の都市計画と市町村の都市計画

・市町村が定める都市計画は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想に即し、かつ、都道府県が定めた都市計画に適合したものでなければならない。(法15条3項)

・市町村が定めた都市計画が、都道府県が定めた都市計画と抵触するときは、その限りにおいて、都道府県が定めた都市計画が優先するものとする。(法15条4項)

●市町村の都市計画の決定

 公聴会等の住民の意見の反映案の作成

                        

 住民の意見書の提出      案の公告・縦覧(決定しようとする理由も記載)

                        意見書の要旨の提出

                     市町村都市計画審議会に付議

                     (設置されていないときは、
                     都道府県都市計画審議会)

                        

                     一定の場合、知事と協議する

                  (市では、知事の同意は不要だが、

                      町村では知事の同意が必要)

                        都市計画の決定

                     告示により、効力を生じる

                     関係図書を公衆の縦覧に供する       

●市町村と都市計画
市町村の

都市計画の基本方針の決定

議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想

都市計画区域の整備、開発及び保全の方針

この2つに即しなければなりません。

        ↓

公聴会の開催等住民の意見を反映させるために
必要な措置

        ↓決定

遅滞なく、これを公表

・都道府県知事への通知

        ↓

市町村が定める都市計画は、
基本方針に即したものでなければならない

市町村の

都市計画の決定

(都市計画区域、または、

準都市計画区域内)

・議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想に即したもの

都道府県が定めた都市計画に適合したもの

・都道府県知事と協議して同意を得る(市では同意は不要)

・知事は、

一の市町村の区域を超える広域の見地からの調整を図る観点

又は都道府県が定め、若しくは定めようとする都市計画との適合

を図る観点から、協議を行う

●市町村と都道府県知事のまとめ
市町村の都市計画の基本方針の決定 都道府県知事への通知
市町村の都市計画の決定

(都市計画区域内,準都市計画内とも)

一定の場合、

都道府県知事と協議する

 都市計画法19条3項

 市町村は、都市計画区域又は準都市計画区域について都市計画(都市計画区域について定めるものにあつては区域外都市施設に関するものを含み、地区計画等にあつては当該都市計画に定めようとする事項のうち政令で定める地区施設の配置及び規模その他の事項に限る。)を決定しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に協議しなければならないこの場合において、町村にあつては都道府県知事の同意を得なければならない。

●都道府県の都市計画の案の作成と市町村
第15条の2  

 1 市町村は、必要があると認めるときは、都道府県に対し、都道府県が定める都市計画の案の内容となるべき事項を申し出ることができる。

 2  都道府県は、都市計画の案を作成しようとするときは、関係市町村に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。


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