法令上の制限 基礎編

都市計画法(概容)に関する問題

都市施設

正解・解説


【正解】

×
●ワンポイント―都市施設と都市計画施設
都市計画法の4条(用語の定義)5、6では、

 「都市施設」・・・都市計画において定められるべき第11条第1項各号に掲げる施設

 「都市計画施設」・・・都市計画において定められた第11条第1項各号に掲げる施設

つまり、「都市施設」の中で、

     具体的に都市計画で定められたものを「都市計画施設

と呼んでいることになります。

次のそれぞれの記述は、都市計画法の規定によれば○か、×か。

1.「都市計画には、道路、公園等の都市施設のうち当該都市計画区域内に

おいて必要なものを定めるが、特に必要があれば当該都市計画区域外にも

めることができる。」

【正解:

 美しい街並等に必要なのが道路・公園等の都市施設(公共施設を含み、更

に大きな意味で都市に必要な各施設)ですが、道路や鉄道など当該都市計画

区域外にまで定めなければならない都市施設もあります。

 都市計画区域外に定められる都市施設は、「区域外都市施設」とも言います。

 “どこに都市施設は定められるのか”についてはお手持ちの参考書等で必ず

ご確認下さい。

【改正による用語の変更】

 都市計画区域について定められる都市計画(都市計画区域外に定められる都市施設に関するものを含む)

 という表現になりました。

 これは、都市計画区域外に準都市計画区域が創設されたことによる混同を防ぐ意味で、都市計画区域外にある、11条で規定されている都市施設「都市計画区域について定められている都市計画」に基づくものであることを明示するために規定したものです。

●都市施設とは何か

第11条 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる施設を定めることができる。この場合において、特に必要があるときは、当該都市計画区域外においても、これらの施設を定めることができる。  

一  道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナルその他の交通施設

二  公園、緑地、広場、墓園その他の公共空地

三  水道、電気供給施設、ガス供給施設、下水道、汚物処理場、ごみ焼却場その他の供給施設又は処理施設

四  河川、運河その他の水路

五  学校、図書館、研究施設その他の教育文化施設

六  病院、保育所その他の医療施設又は社会福祉施設

七  市場、と畜場又は火葬場

八  一団地の住宅施設(一団地における五十戸以上の集団住宅及びこれらに附帯する通路その他の施設をいう。)

九  一団地の官公庁施設(一団地の国家機関又は地方公共団体の建築物及びこれらに附帯する通路その他の施設をいう。)

十  流通業務団地

十一  一団地の津波防災拠点市街地形成施設(津波防災地域づくりに関する法律 (平成二十三年法律第百二十三号)第二条第十五項 に規定する一団地の津波防災拠点市街地形成施設をいう。)

十二  その他政令で定める施設 (施行令5条)

  電気通信事業の用に供する施設又は

  防風、防火、防水、防雪、防砂若しくは防潮の施設

2.「都市施設を定める場合、市街化区域及び区域区分が定められていない都市

計画区域(非線引き区域)については、少なくとも道路、公園及び下水道を定める

ものとし、住居系用途地域には義務教育施設をも定めなければならない。」

【正解:

 設問文の記述の通りです。設問1と合わせて整理しておきましょう。

(都市計画法13条1項11号)

<区域区分が定められていない都市計画区域>とは、非線引き区域のことです。

【改正点】

 改正前は、 市街化区域・・・・道路、公園及び下水道

 改正後は、市街化区域及び非線引き区域・・・道路、公園及び下水道

3.「都市施設は、適切な規模で必要な位置に配置することにより、円滑な都市活動

を確保し、良好な都市環境を保持するよう定めることとされており、市街化調整区域

には定めることができない。」

【正解:×

 市街化調整区域については、問題が作りやすいらしく、ヒッカケ問題も多いよう

です。本設問も、調整区域が出ていますが、都市施設の意味を把握していれば、

ヒッカかることはないでしょう。

 都市施設は、原則として、都市計画区域内に定められ(必要ならば、都市計画

区域外にも)ますが、そもそも、例えば調整区域に都市施設がないというのは、

考えられないことです。(上の「都市施設とは何か」を参照)

●法改正の豆知識・都市施設の立体的な範囲、広がる
 現代では、建築物の上空に高速道路があったり、地下に河川が流れていたりすることがあります。このような場合にも、都市計画法が機能できるように、平成13年5月施行の改正で、都市施設を整備する「立体的な範囲(地下、又は空間)」を定めることができるという規定が導入されました。

 立体的な範囲が都市計画に定められると、その範囲内での一定の建築には、都道府県知事の許可を受けなければならなくなり、建築制限を受けることになります。

<都市計画法・11条・3項>

 道路、河川その他の政令で定める都市施設については、2項(註 : ↓参照)規定するもののほか、適正かつ合理的な土地利用を図るため必要があるときは

当該都市施設の区域の地下又は空間について、

当該都市施設を整備する立体的な範囲を都市計画に定めることができる。

 この場合において、地下に当該立体的な範囲を定めるときは、併せて当該立体的な範囲からの離隔距離の最小限度及び載荷重の最大限度(当該離隔距離に応じて定めるものを含む。)を定めることができる。

2項

都市施設については、都市施設の種類、名称、位置及び区域その他政令で定める事項を都市計画に定めるものとする。

 建築基準法の道路の定義も、「地下におけるものを除く」と変更になりました

   (建築基準法・42条参照)

→ 都市計画施設の区域内の建築制限(53条、54条)

→ 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法(大深度地下法)


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