法令上の制限 基礎編

建築基準法・用途規制の問題4

●近隣商業・商業地域

正解・解説


【正解】

× × × × ×

【出題傾向と一口メモ】

 問題文に、「近隣商業区域」、「商業区域」とあっても、この2つのどちらかを建築が可能な建築物の起点にするものは少ない為、他の地域―例えば、準住居地域、を建築可能な用途地域の起点とするのの出題に注意しましょう。

建築基準法の規定によれば、次の記述は○か、×か。

1.「近隣商業地域内においては、床面積の合計が100平方メートルの料理店

を建築することができる。」H7-22-4 【類題】H10-21-3

【正解:×

◆料理店=商業・準工業のみ 料理店・映画館(200平方メートル以上)のグループ

 料理店(キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホールなども)は、その床面積

にかかわらず、「商業地域」「準工業地域」の2つの地域内に限定され、

近隣商業地域内においては建築できません

 ▼ここが近隣商業地域と商業地域の違いになります。

どこから建築可か 工業地域 工業専用
飲食店 第二種低層住居専用地域から

工業地域まで

   ×
映画館(200平方メートル以上)

料理店・ナイトクラブ

商業地域・準工業地域のみ  ×  ×

 なお、「料理店」と「飲食店」とは、法律の扱いが異なることに注意して下さい。

 「飲食店」とは、簡単にいえば飲食する行為そのものが目的で行くところ

あり(飲食業)、第二種低層住居専用地域から工業地域にかけて幅広く建築す

ることができます。

 これに対し「料理店」とは、料亭・割烹料理店などと呼ばれることもあり、

宴会・伎芸(歌舞・音曲)その他、遊興(遊び、エンターテイメント、風営法

関連)することにより、顧客の接待などが目的で行くところです

 したがって、「料理店(料亭)」はキャバレー懐かしい響きですが、ダンスショー

などを鑑賞しながら遊興飲食する店のことなどと同じに扱われ商業地域

び準工業地域(繁華街のイメージ)の2地域に限定されています。

2.「商業地域内においては、原動機を使用する工場で作業場の床面積の合計

が50平方メートルを超えるものは、建築してはならない。」H4-24-2

【正解:×

◆工場(150平方メートル以内)

 「住居系地域内」においては、原動機を使用する工場で

床面積の合計が「50平方メートルを超える」ものは原則として建築できません

が、近隣商業地域と商業地域では“150平方メートル以内”であれば建築できます。

どこから建築可か
自動車修理工場

(150平方メートル以下)

準住居地域から工業専用地域まで
工場(150平方メートル以下) 近隣商業地域から工業専用地域まで

3.「近隣商業地域内においては、床面積の合計が 200平方メートル以下の個室付浴場

であれば、建築することができる。」 H6-23-3

【正解:×

個室付浴場を建築できるのは、商業地域だけです。

  近隣商業地域では、建築できません。

4.「近隣商業地域内においては、映画館(客室部分の床面積が 200平方メートル

以上のもの)、麻雀屋とも、建築することはできない。」1-24-3改

【正解:×

料理店・映画館(200平方メートル以上)のグループ

映画館(200平方メートル以上)は麻雀屋は

どこから建築可か 工業地域 工業専用
映画館(200平方メートル未満) 準住居地域から準工業地域まで  ×  ×
映画館(200平方メートル以上) 近隣商業業地域・商業地域・

準工業地域

 ×  ×
麻雀屋・ぱちんこ屋 第2種住居地域から工業地域まで    ×
カラオケ・ボックス 第2種住居地域から工業専用まで    

5.「近隣商業地域内においては、倉庫業を営む倉庫は、特定行政庁の許可を受けな

ければ、建築することはできない。」H4-23-4

【正解:×

◆営業用倉庫は、準住居地域から○

どこから建築可か
営業用倉庫 準住居地域から工業専用地域まで

 営業用倉庫は、準住居地域から、特定行政庁の許可を受けなくても建築可です。


引き続き、用途規制の問題5を解く

用途規制のトップに戻る

法令上の制限・基礎編のトップに戻る