法令上の制限 実戦篇
建築基準法の過去問アーカイブス 平成2年・問21 建築確認
建築基準法の確認に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(平成2年・問21) |
1.「高さが14mの木造の建築物を改築する場合,改築に係る部分の床面積が100平方メートルのときでも,建築主事の確認を受けなければならない。」 |
2.「延べ面積が200平方メートルの下宿の用途に供する建築物を寄宿舎に用途変更する場合,建築主事の確認を受ける必要はない。」 |
3.「都市計画区域内 (都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。) において,延べ面積が10平方メートルの倉庫を新築する場合,建築主事の確認を受けなければならない。」 |
4.「延べ面積が150平方メートルの自動車車庫について大規模の修繕をする場合,鉄筋コンクリート造1階建てであれば,建築主事の確認を受ける必要はない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | ○ | × |
1.「高さが14mの木造の建築物を改築する場合,改築に係る部分の床面積が100平方メートルのときでも,建築主事の確認を受けなければならない。」 |
【正解:○】昭和61年・問19・肢4,平成2年・問21・肢1,平成7年・問23・肢1, ◆10平方メートルを超える増築・改築・移転 本肢の建築物は<高さが14m⇒高さ13m超>なので,木造の大規模建築物に該当し,改築に係る床面積の合計が10平方メートル超ならば,どの区域にあっても建築確認が必要です。 本肢の場合は,<改築に係る床面積の合計が100平方メートル>なので,建築確認が必要になります。
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2.「延べ面積が200平方メートルの下宿の用途に供する建築物を寄宿舎に用途変更する場合,建築主事の確認を受ける必要はない。」 |
【正解:○】 ◆政令で指定する類似の用途相互間の用途変更は建築確認は不要
延べ面積が100平方メートルを超える特殊建築物に用途変更するには,原則として,建築確認が必要です。(建築基準法・87条1項) しかし,政令で指定する類似の用途相互間の変更の場合は,建築確認の必要はありません。 本肢では,<延べ面積が200平方メートルの下宿(特殊建築物)を寄宿舎(特殊建築物)に用途変更>するので,政令で指定する類似の用途相互間の変更に該当し,建築確認を受ける必要はありません。 |
●政令で定める類似の用途相互間の用途変更−施行令137条の9の2
→このほか既存不適格の建築物(3条2項)の用途変更の規定もある。(施行令137条の10) |
・下宿⇔寄宿舎,ホテル⇔旅館,公会堂⇔集会場,待合⇔料理店,映画スタジオ⇔テレビスタジオ,
●グループ ・百貨店,マーケット,その他の物品販売業を営む店舗, ・劇場,映画館,演芸場 ・キャバレー,カフェー,ナイトクラブ,バー, ●用途地域によるもの ・患者の収容施設のある診療所⇔児童福祉施設等〔第一種・第二種低層住居専用地域にある場合を除く。〕 ・博物館,美術館,図書館〔第一種・第二種低層住居専用地域にある場合を除く。〕 ・体育館,ボーリング場,スケート場,水泳場,スキー場,ゴルフ練習場,バッティング練習場〔第一種・第二種中高層住居専用地域,工業専用地域にある場合を除く。〕 |
3.「都市計画区域内 (都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。) において,延べ面積が10平方メートルの倉庫を新築する場合,建築主事の確認を受けなければならない。」 |
【正解:○】 ◆都市計画区域・準都市計画区域内の新築は,建築確認が必要 本肢は,増築・改築・移転ではなく,新築の問題であることに注意してください。『延べ面積が10平方メートル』という部分にヒッカカらないようにしましょう。 都市計画区域内や準都市計画区域内では,新築ならばどんな建築物でも,建築主事の確認を受けなければいけません。(建築基準法・6条1項4号) ▼正誤には関係ありませんが,倉庫は特殊建築物です。(建築基準法・別表第一(い)欄(5)号) |
4.「延べ面積が150平方メートルの自動車車庫について大規模の修繕をする場合,鉄筋コンクリート造1階建てであれば,建築主事の確認を受ける必要はない。」 |
【正解:×】 ◆特殊建築物の大規模の修繕 本肢の建築物は<150平方メートルの自動車車庫>なので,『100平方メートル超の特殊建築物』に該当し,大規模の修繕をする場合は,建築主事の確認を受ける必要があります。(建築基準法・6条1項1号)
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