法令上の制限 実戦篇
土地区画整理法の過去問アーカイブス 平成5年・問25 換地処分・仮換地
土地区画整理法に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(平成5年・問25) |
1.「換地計画において定められた換地は,換地処分の公告があった日の翌日から,従前の宅地とみなされる。」 |
2.「仮換地の指定に伴い,従前の宅地に存する建築物を移転する必要がある場合,当該建築物の所有者が,自らこれを移転しなければならない。」 |
3.「仮換地が指定されても,土地区画整理事業の施行地区内の宅地を売買により取得した者は,その仮換地を使用することができない。」 |
4.「仮換地が指定されても,従前の宅地を権原に基づき使用することができる者は,換地処分の公告のある日までの間,従前の宅地を使用することができる。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | × | × | × |
1.「換地計画において定められた換地は,換地処分の公告があった日の翌日から,従前の宅地とみなされる。」 |
【正解:○】 ◆換地処分の公告のあった翌日に,換地は従前の宅地とみなされる。 換地処分の公告があつた場合,換地計画において定められた換地は,その公告があった日の翌日から従前の宅地とみなされ,換地計画において換地を定めなかった従前の宅地について存する権利は,その公告があった日が終了した時において消滅する。(104条1項)
|
●換地処分の公告の日の翌日 |
・換地計画で定められた換地が従前の宅地とみなされる。(104条1項)
・換地について定められた所有権・地役権以外の権利は,従前の宅地について存した権利とみなされる。(104条2項) ・従前地に存する地役権は,引き続き従前の宅地の上に存する。(104条4項) ・換地計画で定められた清算金が確定する。(104条8項) ・施行者が保留地を取得する。(104条11項) ・土地区画整理事業の施行により新たに設置された公共施設は,原則として,その公共施設の所在する市町村の管理に属する。(管理すべき者について,他の法律・規準・規約・定款・施行規程に別段の定めがある場合を除く。)(106条1項) |
2.「仮換地の指定に伴い,従前の宅地に存する建築物を移転する必要がある場合,当該建築物の所有者が,自らこれを移転しなければならない。」 |
【正解:×】平成5年・問25・肢2,平成7年・問27・肢3, ◆建築物等の除却・移転 土地区画整理事業の施行者は, ・仮換地を指定した場合, 上記の三つの場合のいずれかにおいて〔上記のいずれも除却・移転が必要になるのはわかることなのでこの三つをいちいち覚える必要はない〕, 従前の宅地又は公共施設の用に供する土地に存する建築物,工作物,竹木土石等を移転,又は除却することが必要になったときは,これらの建築物等を移転,又は除却することができる。(77条1項) ▼施行者は,従前の宅地等の所有者に,相当の期限〔3ヵ月を下らない〕を定め,その期限までに「自ら移転し,又は除却する意思が有るか無いか」を照会しなければならない(77条2項)という規定はあるが,「当該建築物の所有者が,必ず自ら移転しなければならない」というわけではない。 |
3.「仮換地が指定されても,土地区画整理事業の施行地区内の宅地を売買により取得した者は,その仮換地を使用することができない。」 |
【正解:×】 ◆仮換地指定後に宅地を取得した者 仮換地が指定された宅地〔従前の土地〕を売買により取得した者は,その仮換地を使用収益することができるので,誤りである。 |
4.「仮換地が指定されても,従前の宅地を権原に基づき使用することができる者は,換地処分の公告のある日までの間,従前の宅地を使用することができる。」 |
【正解:×】 ◆仮換地指定の効力 従前の宅地について権原に基づき使用し,又は収益することができる者=従前の宅地の所有者等。 仮換地の指定がされると,従前の宅地について権原に基づいて使用収益できる者は,仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで,仮換地については従前の宅地と同じ権利内容で使用収益することができるが,従前の宅地については使用収益することはできなくなる。(99条1項) したがって,<従前の宅地を使用することができる>とする本肢は誤りである。
|
過去問アーカイブス・法令制限に戻る 土地区画整理法の過去問アーカイブスに戻る