法令上の制限 実戦篇

建築基準法の過去問アーカイブス 平成10年・問21 用途制限


建築物の用途制限に関する次の記述のうち,建築基準法の規定によれば,正しいものはどれか。ただし,特定行政庁の許可については考慮しないものとする。(平成10年・問21)

1.「第一種低層住居専用地域内においては,小学校を建築することはできない。」

2.「第一種住居地域内においては,床面積の合計が 1,000平方メートルの物品販売業を営む店舗を建築することはできない。

3.「近隣商業地域内においては,料理店を建築することはできない。」

4.「工業地域内においては,共同住宅を建築することはできない。」

【正解】

× × ×

1.「第一種低層住居専用地域内においては,小学校を建築することはできない。」

【正解:×

◆小学校

 小学校は,工業地域・工業専用地域では,特定行政庁の許可なく,建築することができません。

   どこから建築可か 工業地域 工業専用
 幼稚園・小学校・
 中学校・高等学校
第1種低層住居専用地域から

準工業地域まで

 ×  ×
 大学,高等専門学校,
 専修学校,各種学校,
 病院
第1種中高層住居専用地域から

準工業地域まで

 ×  ×

2.「第一種住居地域内においては,床面積の合計が 1,000平方メートルの物品販売業を営む店舗を建築することはできない。

【正解:×

◆物品販売業を営む店舗

 物品販売業を営む店舗は,その用途に供する床面積の規模によって,特定行政庁の許可なく建築できる用途地域が異なります。ただし,工業専用地域では建築不可なのは共通

 第一種住居地域内では,床面積の合計が 3,000平方メートル以下の物品販売業を営む店舗を建築できるので,本肢は誤りです。

  どこから建築可か 工業地域 工業専用
兼用住宅

(延べ面積1/2以上が居住の用)

(居住以外の用途の床面積が
50平方メートル以内)

第1種低層住居専用地域でも
建築できる。

(飲食店・喫茶店・店舗・
事務所・アトリエ)

   ×
飲食店・喫茶店・店舗

(2階以下,150平方メートル以下)

第2種低層住居専用地域から
飲食店・店舗

(2階以下,500平方メートル以下)

第1種中高層住居専用地域から
飲食店・店舗

(2階以下・500平方メートル
1,500平方メートル以下)

第2種中高層住居専用地域から
飲食店・店舗

(1,500平方メートル
3,000平方メートル以下)

第1種住居地域から

この表で、店舗とは、「物品販売業を営む店舗」です。

3.「近隣商業地域内においては,料理店を建築することはできない。」

【正解:

◆料理店

 近隣商業地域内では,料理店〔商業地域・準工業地域のみ〕は,特定行政庁の許可なく建築することはできません。

料理店 (料亭)・・・商業地域・準工業地域のみ

   どこから建築可か 工業地域 工業専用
料理店・ナイトクラブ・

キャバレー・ダンスホール

商業地域・準工業地域のみ  ×  ×

4.「工業地域内においては,共同住宅を建築することはできない。」

【正解:×

◆共同住宅  

 特定行政庁の許可なく,共同住宅を建築することができないのは工業専用地域です。本肢は,<工業地域内においては,建築することはできない>としているので誤りです。

住宅・兼用住宅(店舗・事務所が一定規模)・図書館・老人ホームのグループ

  どこから建築可か 工業地域 工業専用
図書館、老人ホーム

住宅、共同住宅

第1種低層住居専用地域から

工業地域まで

   ×


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