法令上の制限 実戦篇
土地区画整理法の過去問アーカイブス 平成11年・問23 事業計画(換地計画)
土地区画整理事業の事業計画に関する次の記述のうち,土地区画整理法の規定によれば,誤っているものはどれか。(平成11年・問23) |
1.「事業計画には,施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては,施行地区及び工区),設計の概要,事業施行期間及び資金計画を定めなければならない。」 |
2.「個人施行者が換地計画を定めようとする場合において,その内容が事業計画の内容と抵触するときは,当該個人施行者は,換地計画の認可を受けることができない。」 |
3.「土地区画整理組合の設立に当たって事業計画を定めようとする場合で,公共施設の用に供されている国又は地方公共団体の所有する土地を施行地区に編入しようとするときは,当該土地を管理する者の承認を得なければならない。」 |
4.「市町村が施行する土地区画整理事業について定めるべき事業計画については,施行地区となるべき区域内の宅地の所有者及び借地権者のそれぞれ2/3以上の同意を得なければならない。」 |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
○ | ○ | ○ | × |
1.「事業計画には,施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては,施行地区及び工区),設計の概要,事業施行期間及び資金計画を定めなければならない。」 |
【正解:○】 ◆事業計画で定めるもの 土地区画整理事業の事業計画で定めるものは土地区画整理法6条1項に定められている。本肢は条文そのままの出題である。
(個人施行=6条1項,土地区画整理組合の施行=第16条1項,6条1項の準用,区画整理会社の施行=51条の4,6条1項の準用,都道府県・市町村の施行=第54条,6条1項の準用,国土交通大臣の施行=第68条,6条1項の準用,都市再生機構等の施行=第71条の3第2項,6条1項の準用) |
2.「個人施行者が換地計画を定めようとする場合において,その内容が事業計画の内容と抵触するときは,当該個人施行者は,換地計画の認可を受けることができない。」 |
【正解:○】 ◆換地計画は,事業計画と抵触すると都道府県知事の認可が受けられない 施行者が個人施行者・組合・区画整理会社・市町村・機構等であるとき〔要するに国土交通大臣施行または都道府県施行以外のもの〕は,その換地計画について都道府県知事の認可を受けなければならない。(86条1項) また,都道府県知事は,認可の申請があつた場合においては,以下に該当する事実があると認めるとき以外は,その認可をしなければならない。(86条4項) 一 申請手続が法令に違反していること。 本肢では,この三に該当するので,換地計画の認可を受けることができない。 |
3.「土地区画整理組合の設立に当たって事業計画を定めようとする場合で,公共施設の用に供されている国又は地方公共団体の所有する土地を施行地区に編入しようとするときは,当該土地を管理する者の承認を得なければならない。」 |
【正解:○】 ◆宅地以外の土地の編入には管理する者の承認が必要
個人・土地区画整理組合・土地区画整理会社が事業計画を定める場合に,宅地以外の土地を施行地区に編入しようとするときには,当該土地を管理する者の承認〔国・地方公共団体の承認〕を得なければならない。(7条,17条,51条の5) |
4.「市町村が施行する土地区画整理事業について定めるべき事業計画については,施行地区となるべき区域内の宅地の所有者及び借地権者のそれぞれ2/3以上の同意を得なければならない。」 |
【正解:×】 ◆土地区画整理組合設立の認可申請で必要な同意 都道府県知事に,土地区画整理組合設立の認可を申請するには,定款及び事業計画(又は事業基本方針)について,施行地区となるべき区域内の宅地の所有者及び借地権者のそれぞれ2/3以上の同意を得なければならない。〔同意する所有者・借地権者の地積もそれぞれ2/3以上でなければならない。〕 宅地の所有者の同意者数≧区域内の宅地の所有者の総数×2/3 借地権者の同意者数≧区域内の借地権者の総数×2/3 しかし,都道府県や市町村が施行する土地区画整理事業ではこのような規定はない。 ▼区画整理会社が施行する土地区画整理事業では,規準及び事業計画について,施行地区となるべき区域内の宅地の所有者及び借地権者のそれぞれ2/3以上の同意を得なければならない。〔同意する所有者・借地権者の地積もそれぞれ2/3以上でなければならない。〕 |
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