法令上の制限 実戦篇
建築基準法の過去問アーカイブス 平成18年・問21 道路規制
2項道路・セットバック・前面道路の幅員による容積率の制限・接道義務の適用除外
建築基準法 (以下この問において 「法」 という。) に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(平成18年・問21) |
1 法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道路法による道路は、特定行政庁の指定がなくても法上の道路とみなされる。 |
2 法第42条第2項の規定により道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地が私有地である場合は、敷地面積に算入される。 |
3 法第42条第2項の規定により道路とみなされた道は、実際は幅員が4m未満であるが、建築物が当該道路に接道している場合には、法52条第2項の規定による前面道路の幅員による容積率の制限を受ける。 |
4 敷地が法第42条に規定する道路に2m以上接道していなくても、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて利害関係者の同意を得て許可した場合には、建築物を建築してもよい。 |
<コメント> |
肢3と肢4で迷ったため,正答率が50%を切ったと思われます。 |
●出題論点● |
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | × | ○ | × |
正答率 | 43.2% |
1 法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道路法による道路は、特定行政庁の指定がなくても法上の道路とみなされる。 |
【正解:×】平成13年・問21・肢1, ◆2項道路 都市計画区域または準都市計画区域に編入され,建築基準法の集団規定 (同法第3章) の規定が適用されるに至った際に,現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道であっても,特定行政庁によって指定されれば,建築基準法上の道路とみなされます(建築基準法42条2項)。 特定行政庁の指定がなければ,建築基準法上の道路とはみなされないので,誤りです。
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2 法第42条第2項の規定により道路の境界線とみなされる線と道との間の部分の敷地が私有地である場合は、敷地面積に算入される。 |
【正解:×】平成4年・問22・肢1・肢3,平成6年・問22・肢4, ◆セットバック (道路境界線の後退) 2項道路については,原則として, 道路の中心線からの水平距離2mの線が,その道路と建築物の敷地との境界線とみなされます。 建築物の敷地内であっても,道路の中心線から2mまでの部分は「道路」とみなされ,建築物の建築はもちろん,塀などの築造も認められません。また,建ぺい率や容積率の計算上でも,敷地面積に算入されません。 <参考> この2項道路の道の向い側が、建築物が並ぶような所ではなく、がけ地、河川、線路敷等の場合における敷地と道路の境界線は、道路の中心線から2mの位置ではなく、向い側の道路の境界線(がけ地、河川、線路敷と道路の境界線)から4mの位置になります |
3 法第42条第2項の規定により道路とみなされた道は、実際は幅員が4m未満であるが、建築物が当該道路に接道している場合には、法52条第2項の規定による前面道路の幅員による容積率の制限を受ける。 |
【正解:○】 ◆前面道路の幅員による容積率の制限 幅員12m未満の前面道路による容積率の制限は,その敷地が前面道路に接している建築物が受けます(建築基準法52条2項)。 2項道路も,建築基準法上の道路なので,この前面道路に該当します。 ▼「建築物が当該道路に接道している場合」という表現には抵抗があるかもしれません(建築物が道路に接するのではなく,建築物の敷地が道路に接する)が,肢4が明らかなマチガイなので,この肢3は○にせざるを得ないでしょう。 |
4 敷地が法第42条に規定する道路に2m以上接道していなくても、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて利害関係者の同意を得て許可した場合には、建築物を建築してもよい。 |
【正解:×】昭和59年・問22・肢2,平成8年・問25・肢1, ◆接道義務の適用除外 誤 : 利害関係者の同意 正 : 建築審査会の同意 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で,特定行政庁が交通上,安全上,防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものの敷地については,接道義務は免じられています(建築基準法43条1項)。 |