法令上の制限 実戦篇

土地区画整理法の過去問アーカイブス 平成19年・問24 


土地区画整理法における土地区画整理組合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。  (平成19年・問24)

1 土地区画整理組合を設立しようとする者は、事業計画の決定に先立って組合を設立する必要があると認める場合においては、 5人以上共同して、定款及び事業基本方針を定め、その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができる。

2 土地区画整理組合は、当該組合が行う土地区画整理事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができるが、その場合、都道府県知事の認可を受けなければならない。

3 宅地について所有権又は借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は、当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。

4 土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日から当該組合が行う土地区画整理事業に係る換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更や建築物の新築等を行おうとする者は、当該組合の許可を受けなければならない。

<コメント>  
 肢1と肢4は,比較的受験者によく知られている知識ですが,肢2については余り意識されない知識です。また,正解肢の肢3は条文そのままで,深読みしようとする受験者をかえって戸惑わせる肢でした。
●出題論点●
 (肢1) 組合設立の認可を申請できる人数
 (肢2) 組合で賦課金を徴収するときに,知事の認可を受ける必要はない
 (肢3) 組合の土地区画整理事業

 (肢4) 組合設立の認可の公告〜換地処分の公告のある日までは,建築行為等には当該市の市長の許可が必要。

【正解】

× × ×

 正答率  59.2%

1 土地区画整理組合を設立しようとする者は、事業計画の決定に先立って組合を設立する必要があると認める場合においては、 5人以上共同して、定款及び事業基本方針を定め、その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができる。

【正解:×

◆組合設立の認可

 土地区画整理組合を設立しようとする場合,7人以上の者が共同して,定款及び事業計画 (事業計画の決定に先立つて組合を設立する必要があると認める場合は,定款及び事業基本方針) を定め,その組合の設立について都道府県知事の認可を受けなければなりません(土地区画整理法・14条1項,2項)。⇒ 認可の申請は,施行地区となるべき区域を管轄する市町村長を経由して行う。

 本肢では,「5人以上共同して」となっているので,誤りです。

2 土地区画整理組合は、当該組合が行う土地区画整理事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができるが、その場合、都道府県知事の認可を受けなければならない。

【正解:×

◆賦課金の徴収

 組合は,その事業に要する経費に充てるため,賦課金として参加組合員以外の組合員に対して,金銭を賦課徴収することができます(土地区画整理法・40条1項)

 賦課金の額やその徴収方法については,総会の議決を経なければなりませんが(土地区画整理法・31条7号)賦課することについて都道府県知事の認可を受けなければならないとする規定はありません。

 したがって,本肢は誤りです。

●土地区画整理組合施行で,知事の認可を受けなければならないもの

・組合設立の認可

・換地計画の認可

【換地処分したときは,その旨を知事に届け出る。換地処分について認可を受けるのではないことに注意。】

3 宅地について所有権又は借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は、当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。

【正解:

◆土地区画整理組合

 宅地について所有権または借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は,当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について,土地区画整理事業を施行することができます(土地区画整理法・3条2項)

 本肢は,土地区画整理法3条2項ソノママの文章です。

 「一定の区域」とは何ぞや? と疑問に思う方がいらっしゃると思いますが,個人施行・土地区画整理会社とも,「一定の区域について土地区画整理事業を施行することができる」 となっているので(土地区画整理法・3条1項,3項),余り詮索する必要はなさそうです。

 民間施行では,都市計画事業としても,また都市計画事業ではないものとしても,土地区画整理事業をすることができるので,その辺の事情から『一定の区域』というぼかした表現になったものと思われます。

4 土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日から当該組合が行う土地区画整理事業に係る換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更や建築物の新築等を行おうとする者は、当該組合の許可を受けなければならない。

【正解:×

◆建築行為等の制限

 組合の設立の認可の公告があった日から換地処分の公告がある日までは,施行地区内において,事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更や建築物の新築等を行おうとする者は,当該市の市長の許可を受けなければなりません(土地区画整理法・76条1項)

 本肢は,「組合の許可を受けなければならない」としているので,誤りです。


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