宅建試験
法改正情報
レポートNo.4
  都市緑地保全法
●改正の概略

●都市緑地保全法

 http://www.mlit.go.jp/crd/city/park/hozenho/hozenho.htm

都市緑地保全法・改正の公布と施行

      公布…平成13年5月25日(法律第37号) 施行…平成13年8月24日

都市緑地保全法の法改正では、大きな改正・創設点が三つあります。

・緑地保全地区において許可を要する行為の追加 ★法令制限 : 重要性が高い
・「管理協定制度」の創設 ◎土地取引に関連します
・「緑化施設整備計画認定制度」の創設 売買には関係ない。

→ 都市緑地保全法の一部改正について

都市緑地保全法の出題歴

 緑地保全地区内の土地の形質の変更には、都道府県知事の許可が必要ですが、このことを知っているか問う問題が、平成元年・12年と出題されています。

●緑地保全地区において許可を要する行為の追加

 都市緑地保全法の法改正では、緑地保全地区において許可を要する行為として、
屋外における土石、廃棄物または再生資源の堆積」を新たに規制対象に追加し、
都道府県知事の許可を必要とすることになりました。(施行令で追加)

これは産業廃棄物などを緑地保全地区に放置していたりすることがこれまであり
ましたが、これを禁止する法令がなかったために対応したものです。

これは、もし基本書に記載がないときは、重要な改正点である為、
 基本書に必ず書き加えてください。

 → http://www.mlit.go.jp/crd/city/park/hozenho/h13kaisei/seirei.htm

≪施行令原文≫ 第2条の2 

法第5条第1項第5号 の政令で定める行為は、
屋外における土石、廃棄物廃棄物の処理及び清掃に関する法律
(昭和45年法律第137号)第2条第1項 に規定する廃棄物をいう。
以下同じ。)又は再生資源資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律
第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。以下同じ。)の堆積とする。

≪関連する法改正≫

・首都圏近郊緑地保全法
・近畿圏の保全区域の整備に関する法律
・古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法

「管理協定制度」の創設

●「管理協定制度」の創設の背景

都市の緑化は、温暖化やオゾン・ホールなどの地球環境問題とも絡んで注目され
ており、これまでも都市緑地保全法では、「緑地協定」という制度がありました。

「緑地協定」とは、市街地の良好な環境を確保するために、土地の所有者、及び建築物その他の工作物の所有を目的とする地上権又は賃借権を土地に有する者全員の合意により、緑地協定区域、植栽する樹木等の種類とその植栽する場所、垣または棚の構造、管理に関する事項、5〜30年の有効期間等の必要事項を定め、市町村長の許可を得て締結される協定です。(都市緑地保全法・第14条〜第20条)

この協定は、新たに「緑地協定区域」内の土地の所有者等になった人にも効力を
有します

(この「緑地協定制度」と今回の改正により創設された「管理協定制度」とを
混同しないで下さい。)

 しかしながら、民間で緑地の維持保全をするためには、経費やコストが膨大な
ものになるため、以前より何らかの負担軽減の施策が必要とされてきました。

 今回の改正では、「管理協定制度」と「緑化施設整備計画認定制度」の2つを
創設して、緑地を維持保全していくための民間の費用負担を軽減しようとしています。

●「管理協定制度」→ 土地所有者に対しては相続税の軽減

地方公共団体や緑地管理機構が緑地保全地区内の土地所有者と
緑地の管理に関する協定を締結し、土地所有者に代わって緑地を管理する制度。

 この管理協定が土地所有者等との間で締結された時は、地方公共団体等はその旨を公告する必要があります。(都市緑地保全法 第9条の5)

この公告が出された後に、当該管理協定区域内の土地の所有者になった者に対して
も管理協定の効力が及ぶものとされている
ため(都市緑地保全法 第9条の7)
土地の取引においては重大な影響があります。この点についても注意しなければ
なりません。何も問題のない土地だと思って買ってみたら、その土地が地方自治体等
が管理することになる土地だというのでは大変な事になります。

そのため、宅建業法では、重要事項説明で説明すべき事項に、この管理協定の効力
が追加されました。(宅建業法 第35条1項2号)

●「緑地管理機構」

都道府県知事の指定を受ければ、公益法人だけでなく、NPO(特定非営利活動法人)
でも緑地管理機構になることができます。

●参考・「緑化施設整備計画認定制度」の創設

以下の改正点は、恐らく出題されません。

●「緑化施設整備計画認定制度」の創設→ 固定資産税の軽減措置

緑の基本計画に緑化重点地区として定められた地区内で、
建築物の敷地内(建築物の屋上や空地その他の敷地内)に緑化施設を整備しようとする
場合に、その緑化施設整備計画を市町村長が認定して、固定資産税の軽減措置などで認定事業者に対して支援する施策。

具体的には、敷地面積1,000平方メートル以上であり、
緑化施設の面積が敷地面積の20%以上である場合に、
事業者は緑化施設整備計画を作成して、一定の基準を満たすならば、市区町村長の
認定を受けることができます。

認定を受けた事業者に対しては、認定計画に従って整備された緑化施設について
固定資産税の軽減(5年間、課税標準が1/2に)が行なわれます。

この事業者とは、法人・個人ともなることができます。

国土交通省では、この制度の創設により「ビル屋上の庭園化など都市の緑化は
大きく促進され、建築物の省エネルギーや都市のヒートアイランド現象の緩和に
つながる」と強調しています。

「緑化施設整備計画の手引」について…国土交通省
 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha01/04/040907_1_.html

 http://www.mlit.go.jp/crd/city/park/ryokuka_tebiki/tebiki_gaiyo.html


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