宅建試験
法改正情報
レポートNo.4
 都市開発法 はどう変わったか? 

 (1) 地区計画

●地区計画の定義変更 12条の5 第1項

☆変更点→「、開発し、」が追加

【改正前】

 地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、

 一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区

 を整備し、及び保全するための計画

【改正後】

 地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、

 一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区

 を整備し、開発し、及び保全するための計画

○これは、改正前の12条の5 第2項で、地区計画等の都市計画に定めるものとして

「当該区域の整備、開発及び保全に関する方針」としていたものに表現を合わせたも

のです。現行の12条の5 第2項でも、この規定は変わりません。

→関連 : 地区計画に定めるもの 12条の4 第2項 / 12条の5 第2項

(12条の4 第2項)・地区計画等の種類、名称、位置及び区域、

          その他政令で定める事項(区域の面積;施行令7条の3)

(12条の5 第2項)

・当該地区計画の目標

・当該区域の整備、開発及び保全に関する方針

・主として街区内の居住者等の利用に供される道路、公園その他の政令で定める施設

(「地区施設」という。)及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画(「地

区整備計画」という。)

●地区計画等の変更 12条の4 第1項

☆変更点→ 「住宅地高度利用地区計画」「再開発地区計画」が廃止され、

      「地区計画」に統合。

【改正前】地区計画・防災街区整備地区計画・沿道地区計画・集落地区計画・

     住宅地高度利用地区計画・再開発地区計画

【改正後】地区計画・防災街区整備地区計画・沿道地区計画・集落地区計画

 これにより、旧・12条の6(住宅地高度利用地区計画)は廃止されました。

 

●「再開発等促進区」の創設 12条の5 第3項

○ 再開発等促進区 の定義

 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とを図るため、

 一体的かつ総合的な市街地の再開発又は開発整備を実施すべき区域を

 、以下の条件に該当する土地の区域に都市計画で定めることができる。

1.現に土地の利用状況が著しく変化しつつあり、又は著しく変化することが確実

  であると見込まれる区域であること。

2.土地の合理的かつ健全な高度利用を図る上で必要となる適正な配置及び規模の

  公共施設がない区域であること。

3.当該区域内の土地の高度利用を図ることが、当該都市の機能の増進に寄与する

  こと。

4.用途地域が定められている区域内にあること。

○ 再開発等促進区 に定めるもの (12条の5 第2項)(12条の5 第4項)

(12条の5 第2項)

・当該地区計画の目標

・当該区域の整備、開発及び保全に関する方針

・主として街区内の居住者等の利用に供される道路、公園その他の政令で定める施設

(「地区施設」という。)及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画(「地

区整備計画」という。)

(12条の5 第4項)

・土地利用に関する基本方針

・道路、公園、緑地、広場その他の公共空地(都市計画施設及び地区施設を除く)の

配置及び規模(→施行令7条の5)

●地区計画等の区域内における建築等の規制 第58条の2

☆変更点→ 建築等の届出を要する区域に、「施設の配置及び規模が定められている

      再開発等促進区」が加わり、「住宅地高度利用地区計画の区域」が削除。

【改正前】地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域に限る。)又は

     住宅地高度利用地区計画の区域(第12条の6第2項第2号に規定する施設の

     配置及び規模が定められている住宅地高度利用地区計画の区域並びに住宅地

     高度利用地区整備計画が定められている区域に限る。)内において、

     土地の区画形質の変更、建築物の建築その他政令で定める行為を行おうと

     する者は、当該行為に着手する日の30日前までに、国土交通省令で定める

     ところにより、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日その他

     国土交通省令で定める事項を市町村長に届け出なければならない。

【改正後】地区計画の区域(第12条の5第4項第2号に規定する施設の配置及び規模が

     定められている再開発等促進区又は地区整備計画が定められている区域に

     限る。)内において、

     土地の区画形質の変更、建築物の建築その他政令で定める行為を行おうと

     する者は、当該行為に着手する日の30日前までに、国土交通省令で定める

     ところにより、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日その他

     国土交通省令で定める事項を市町村長に届け出なければならない。

●建築制限の過去問

 都市再開発法で、「再開発地区計画」が廃止されたことにより、これまで

出題されていた「再開発地区計画」での建築制限の問題は出題されなくなります。

しかし、この改正の前からあった都市再開発法での「市街地再開発促進区域」は

変更されていないため、今後はこの規定での出題が考えられます。

【参考問題】

「都市再開発法によれば、市街地再開発促進区域内において、容易に移転または

除却することができる木造二階建ての建築物の建築を行おうとする者は、原則と

して市町村長の許可を受けなければならない」昭和62-28-3、類・昭和58-28-3

【正解:×】× 市町村長→ ○ 都道府県知事

◆市街地再開発促進区域(都市再開発法7条の4第1項)

 市街地再開発促進区域内においては、

・主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これに類する構造物で

 階数が2以下で、かつ地階を有しない建築物で、

 用意に移転し、又は除却することができるもの

の建築をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の

許可を受けなければなりません。 

 ただし、非常災害のため必要な応急措置として行う行為またはその他の法令で

定める軽易な行為については適用されません。

この規定は、第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定・変更に係る

告示又は国の機関による都市計画事業の公告があった後は、当該告示又は公告に係る

土地の区域内においては、適用しない。(都市再開発法7条の4第3項)

●再開発地区計画の過去問の例(平成12年・問17・肢1)

「都市再開発法によれば,再開発地区計画の区域内において,建築物の新築を

行おうとする者は,市町村長の許可を受けなければならない。」

◎再開発地区計画の廃止により、今後は「再開発地区計画」の出題はありません


HOMEに戻る サイトマップに戻る 法改正のTOPに戻る