宅建試験
法改正情報
レポートNo.11
  宅地建物取引業法−報酬規定

●平成16年2月17日通達 

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額
(昭和45年10月23日建設省告示第1552号)

⇒ 総額表示方式の導入に伴い,従来の告示を改めたものです。
第二の「売買又は交換の媒介に関する報酬の額の算定方式」に変更がありました。

構成としては,課税事業者 第二〜第七 (1),免税事業者 第七 (2) 。

●第一 定義 (消費税等相当額の定義)
 この告示において,「消費税等相当額」とは消費税法 (昭和63年法律第108号) 第二条第1項第9号に規定する課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する金額をいう。
 この項は,今回の改正で新たに新設されたものです。

●第二 売買又は交換の媒介に関する報酬の額
 宅地建物取引業者 (課税事業者(消費税法第5条第1項の規定により消費税を納める義務がある事業者をいい,同法第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)である場合に限る。第三から第五まで及び第七(1)において同じ。)が宅地又は建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買又は交換の媒介に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む)は,依頼者の一方につき,それぞれ,当該売買に係る代金の額(当該売買に係る消費税等相当額を含まないものとする。)又は当該交換に係る宅地若しくは建物の価額(当該交換に係る消費税等相当額を含まないものとし,当該交換に係る宅地又は建物の価額に差があるときは,これらの価額のうちいずれか多い価額とする。)を次の表の上欄(ここでは左欄)に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄(ここでは右欄)に掲げる割合を乗じて得た金額を合計した金額以内とする。
 200万円以下の金額  5.25/100 (従来は 5/100)
 200万円を超え400万円以下の金額   4.2/100 (従来は 4/100)
 400万円を超える金額  3.15/100 (従来は 3/100)

●第三 売買又は交換の代理に関する報酬の額
 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買又は交換の代理に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該代理に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)は,第二の計算方法により算出した金額の2倍以内とする。

 ただし,宅地建物取引業者が当該売買又は交換の相手方から報酬を受ける場合においては,その報酬の額と代理の依頼者から受ける報酬の額の合計額が第二の方法により算出した金額の2倍を超えてはならない。

●第四 貸借の媒介に関する報酬の額
 宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は,当該宅地又は建物の借賃(当該貸借に係る消費税等を含まないものとし,当該媒介が使用貸借に係るものである場合においては,当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)一月分の1.05倍に相当する金額以内とする。

 この場合において,居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は,当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き,借賃の一月分の0.525倍に相当する金額以内とする。

●第五 貸借の代理に関する報酬の額
 宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の代理に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該代理に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)は,当該宅地又は建物の借賃の一月分の1.05倍に相当する金額以内とする。

 ただし,宅地建物取引業者が当該貸借の相手方から報酬を受ける場合においては,その報酬の額と代理の依頼者から受ける報酬の額の合計額が借賃の一月分の1.05倍に相当する金額を超えてはならない。

●第六 権利金の授受がある場合の特例
 宅地又は建物(居住の用に供する建物を除く。)の賃貸借で権利金(権利金その他いかなる名義をもってするかを問わず,権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものをいう。)の授受があるものの代理又は媒介に関して依頼者から受ける報酬の額(当該代理又は媒介に係る消費税等相当額を含む。)については,第四又は第五の規定にかかわらず,当該権利金の額(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとする。)を売買に係る代金の額とみなして,第二又は第三の規定によることができる。

●第七 第二から第六までの規定によらない報酬の受領の禁止
 (1) 宅地建物取引業者は,宅地又は建物の売買,交換又は貸借の代理又は媒介に関し,第二から第六までの規定によるほか,報酬を受けることができない。

 ただし,依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については,この限りではない。

 (2) 消費税法第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務を免除される宅地建物取引業者が,宅地又は建物の売買,交換又は貸借の代理又は媒介に関し受けることができる報酬の額は,第二から第六までの規定に準じて算出した額に105分の100を乗じて得た額当該代理又は媒介における仕入れに係る消費税等相当額及び(1)ただし書に規定する額を合計した金額以内とする。

→ 平成9年通達では,免税事業者の仕入れに係る消費税相当額は100分の2.5

→ 免税事業者の報酬は,以下の合計金額以内になります。

 第二から第六までの規定に準じて算出した額×100/105
               +
 仕入れに係る消費税相当額 上記の100分の2.5
               +
 (1)の但書に規定する『依頼によって行う広告の料金』に相当する額

●課税業者の報酬限度額 → これまでと実質的に変化なし

 200万円以下の部分  5.25/100 (従来は 5/100)
 200万円を超え400万円以下の部分   4.2/100 (従来は 4/100)
 400万円を超える部分  3.15/100 (従来は 3/100)

 ⇒ それぞれ従来のものに1.05を乗じたものに過ぎない。従来は外税方式だったので
   実質的に変化はない。

 ⇒ 改定後の速算方式もあるが,覚えるとかえって煩雑なため,従来のもので
   計算したほうが速い。

●課税業者の報酬限度額の速算式〜改定後〜

 200万円以下の価額  価額の5.25%
 200万円を超え400万円以下の価額  〔価額の4.2%+2.1万円〕
 400万円を超える価額  〔価額の3.15%+6.3万円〕

●従来の課税業者の報酬限度額の速算式〜消費税との合算額〜

 200万円以下の価額  価額の5%×1.05
 200万円を超え400万円以下の価額  〔価額の4%+2万円〕×1.05
 400万円を超える価額  〔価額の3%+6万円〕×1.05

●従来の免税業者の報酬限度額の速算式〜みなし仕入れ率との合算額〜

 200万円以下の価額  価額の5%×1.025
 200万円を超え400万円以下の価額  〔価額の4%+2万円〕×1.025
 400万円を超える価額  〔価額の3%+6万円〕×1.025

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