宅建試験
法改正情報
レポートNo.11
  不動産登記法改正

1 オンライン庁・甲区と乙区

●主な改正の概要

 ●オンライン指定庁第1号は上尾出張所

 ・参考・オンラインによる登記事項証明書の送付請求(不動産登記関係)について
 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji73.html

 平成17年3月7日に改正不動産登記法が施行され,平成17年3月22日から,さいたま地方法務局上尾出張所において第一号のオンライン庁として不動産登記オンライン申請(インターネットでの申請)の事務取扱が開始されます。

(昨年の商業登記のオンライン化のときも,まず中野出張所と市川支局が指定され,全国で順次指定という流れでした。上尾出張所が指定されたのは,事件数〔登記申請数〕が少ないという理由によるようです。注意したいのは,上尾出張所は,オンライン申請のみということではなく,従来の紙ベースの申請も並行して扱うことになることです。)

 この後は平成17年度中に全国の約100庁がオンライン庁に順次指定され,3年以内に全ての法務局が「コンピュータ庁」となる予定になっています。

 したがって平成20年にはほぼ全国でオンラインの登記申請ができるようになるものと思われますが,住基ネットや電子認証システム,登記識別情報の管理システムなど同時に並行して整備すべきものが山積しており,全国で完全にオンライン化が可能になるにはまだ時間がかかります。

 また,全国でオンライン化が完了したとしても,各法務局では,紙ベースの登記申請とオンラインの申請が並存します。

 そのため,当面はこれまでと変わらない不動産取引・登記申請手続が続くのでは,という予測もなされています。しかし,書面申請での出頭主義の廃止や予告登記制度の廃止,保証書の制度の廃止,登記原因証明情報の提供(副本申請の廃止)が必要になる等の改正点があったことから,これまでと全く同じというわけにはいきません。

●今回から,不動産登記法の改正についての連載をはじめます

 現在の宅建試験の基本書は昨年の秋に編集されたものが多く,改正対応となっているものもありますが,登記令や登記規則が公布される前のものであることから,不動産登記法のみの記述になっており,登記令や登記規則・準則を踏まえた記述になっているとは言えません。〔今後,年内にも通達・先例などが矢継ぎ早に出てくることが予想されます。〕

 また,当サイトでも,1000本ノック・過去問アーカイブスなどの登記法を扱ったものについては改訂作業を進めていますが,今回の改正は100年に一度の改正であり,単に

 ・新しい用語に代えればいい

 ・廃止した制度については削除すればいい

 などのレベルにとどまるものではなく,安易に改正対応をするのは慎むべきと考えます。登記申請のアーキテクチュアそのものが変わっているので,文言の変更や字句の削除というものでは到底対応しきれるものではなく,そのような対応方法では法律の根幹を見誤る可能性があるからです。

〔用語が同じでも意味合いが異なっているものがあります。登記法については過去問への改正対応そのものが無意味であると仰っている一部の司法書士・土地家屋調査士の先生方もいらっしゃいます。〕

 このため,慎重に改訂作業を進めていきますが,まだまだ時間がかかることが予想されるため,途中経過報告だけはこの連載でしていこうと思っています。

〔過去問によっては改正対応作業そのものが不可能なものも予想され,現在収録している問題を全問改正対応するのは不可能と考えられます。〕

 司法書士・土地家屋調査士の受験の指導機関では,現在,全力を傾けて改正対応の作業をして,受講者の方たちに伝えています。2つとも今年の試験から改正法で出題されますから当然ですが,それだけ今回の改正対応は一筋縄ではいかない面があります。

●甲区・乙区

 平成17年3月7日に改正不動産登記法が施行されましたが,その日以後に登記事項証明書を交付してもらった人はこれまでと同じ甲区・乙区があるので驚いたかもしれません。

・甲区・乙区の区別は廃止されたのではなかったのか?

 権利部については,オンライン庁である上尾出張所で3/22以降に交付される全部事項証明書でも甲区・乙区に分かれています。

 法務局によっては,表題部の下の行に【不動産番号】があります。

 不動産番号

 オンライン庁の指定・未指定に関係なくその準備が整ったコンピュータ庁から
 導入されることに注意。

 つまり,改正によって,甲区・乙区は廃止されたのではありません

従来,甲区・乙区は旧16条1項で規定していました。〔登記用紙を表題部と甲区・乙区に区分していた。〕

 しかし,今回の改正により,登記簿・登記記録などの登記事務に関して必要な事項は法務省令で定めるとなっており(不動産登記法・15条),従来は登記法で規定されていたものの一部を登記規則で規定するようになりました。

 登記法12条では,

 登記記録は,表題部及び権利部に区分して作成する。(不動産登記法・12条)

となっていますが〔不動産登記法の条文そのものからは甲区・乙区という文言はなくなった〕,不動産登記規則4条4項では,

 権利部は,甲区及び乙区に区分し,甲区には所有権に関する登記の登記事項を
 記録するものとし,乙区には所有権以外の権利に関する登記の登記事項を記録
 するものとする。

と規定されています。(不動産登記規則4条4項)


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