宅建試験
法改正情報
レポートNo.01
  '2010法改正出題の展望

●主な改正の概要のアウトライン

 平成22年宅建試験での改正点は,履行確保法追加の出題変更と税法関連を除けば,新規の改正については,比較的小変更の範囲です。しかし,近年の宅建試験では,出題年よりも相当前に施行された改正点(隠れ改正点)が出題されてきているので,過去の改正点についても,十分,注意してください。

法改正対策については,不動産受験新報ブログ(住宅新報社)も,ぜひご覧ください。

●履行確保法  (平成21年10月1日施行)

 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(履行確保法)の創設

1 資力確保の義務付け

 宅建業者は、各基準日(3/31と9/30)において、当該基準日前10年間※1に自ら売主となる売買契約に基づき買主に引き渡した新築住宅について、当該買主に対する特定住宅販売瑕疵担保責任の履行を確保するため、住宅販売瑕疵担保保証金の供託または住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結※2をしていなければならない(履行確保法11条1項)

※1 経過措置で,平成21年10月1日以降当該基準日まで自ら売主として販売した新築住宅について義務付けられる。

※2 基準日から次の基準日までの半年間に販売した新築住宅については,次の基準日までの間に,住宅販売瑕疵担保保証金の供託をするか,または住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結をしなければならないことに注意。

 宅建業者が自ら売主として,新築住宅(売買結締結時点で建設工事完了の日から起算して1年を経過していないもので,かつ,まだ人の居住の用に供したことのないもの)を宅建業者ではない者と売買契約を締結した時は,買主に引渡してから10年間,構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について,瑕疵担保責任を負い,その資力確保として,(1)住宅販売瑕疵担保保証金を供託するか,(2)住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結することが義務付けられた。


売主

買主

資力確保措置

宅建業者

宅建業者ではない

必要※

宅建業者

不要

宅建業者ではない

宅建業者ではない

不要

宅建業者

瑕疵担保責任の資力確保が義務化されるのは,宅建業者が,新築住宅を自ら売主として販売する場合のみである。

 「中古住宅や宅地を自ら売主として販売する場合」、「宅建業者が自ら売主として新築住宅を販売しても,買主が宅建業者の場合」には,資力確保の措置は義務付けられていない。

(注意)
(1)新築住宅であるかどうかは,引渡し時点ではなく,売買契約締結時点で判断される。したがって,引渡したのが建設工事完了の日から起算して1年を経過していても,売買契約締結時点で,建設工事完了の日から起算して1年を経過していなければ(かつ,人の居住の用に供したことがなければ),新築住宅に該当する

(2)住宅は,「人の居住の用に供する家屋又は家屋の部分(人の居住の用以外の用に供する家屋の部分との共用に供する部分を含む。)」をいう(履行確保法2条1項,住宅品確法2条1項)。このため,個人住宅,居住用マンションだけでなく,賃貸住宅,別荘,リゾートマンション,事務所・店舗などとの併用住宅での居住用部分,複合マンションでの居住用部分,及び非居住部分と居住部分で共用する部分も住宅に該当する。

(3) 履行確保法で資力確保措置が義務付けられる瑕疵とは,住宅品確法の規定での瑕疵をいい,住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵〔住宅のうち構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるものの隠れた瑕疵(構造耐力又は雨水の浸入に影響のないものを除く。)をいう。

 ⇒ これ以外の瑕疵について担保責任を負う期間は,宅建業法の規定により,引き渡してから2年以上とすることができる。

(4) 履行確保法での「特定住宅瑕疵担保責任」とは,住宅品確法の規定による瑕疵担保責任をいう。

 住宅品確法の規定による瑕疵担保責任では,民法の瑕疵担保責任(損害賠償・契約の解除)のほか,買主は,瑕疵修補の請求もすることができる。

2 住宅販売瑕疵担保保証金の供託

(1)住宅販売瑕疵担保保証金の供託については,主たる事務所の最寄りの供託所に供託する,有価証券の価額評価,還付による不足額の供託,保管換えなど,営業保証金と同様の規定になっている。

; 保証金の供託については,現金のほか国債証券,地方債証券,国土交通大臣が指定した社債券その他の債券でも,保証金に充てることができる。なお,有価証券の価額(保証金として充当される額)は,有価証券の区分に応じ,以下のように定められている。

国債証券

額面金額

地方債証券又は政府がその債務について保証契約をした債券

額面金額の100分の90

上記以外の債券

額面金額の100分の80

住宅販売瑕疵担保保証金の供託等の届出等

 新築住宅を引き渡した宅建業者は、基準日ごとに(3/31と9/30)、当該基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託または住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について、免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事(信託会社等にあっては、国土交通大臣)に,届け出なければならない。

基準日から3週間以内に、届け出なければならない。なお、この届出書には、当該基準日における新築住宅のうち、当該基準日前6月間に引き渡した新築住宅に関する事項を記載した一覧表を添付しなければならない。また、「新たに供託した住宅販売瑕疵担保保証金の供託に係る供託物受入れの記載のある供託書の写し」、または、「新たに住宅瑕疵担保責任保険法人と締結した住宅販売瑕疵担保責任保険契約を証する書面」 も添付しなければならない。

 (2)住宅販売瑕疵担保保証金の不足額の供託

 供託宅地建物取引業者は,買主の権利の実行その他の理由により,住宅販売瑕疵担保保証金が基準額に不足することとなったときは,不足額の通知を受けた日から2週間以内にその不足額を供託し,不足額を供託したときは,その旨を,供託した日から2週間以内に,免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事(信託会社等にあっては,国土交通大臣)に届け出なければならない。

 (3)住宅販売瑕疵担保保証金の保管替え等

供託宅地建物取引業者が,主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更したときは,以下のように供託しているものによって,対応が異なる(宅建業法の営業保証金の場合と同じ)。

金銭のみで供託している場合

遅滞なく,供託をしている供託所に対し,費用を予納して,移転後の主たる事務所の最寄りの供託所への保管替えを請求しなければならない。

「有価証券」又は「有価証券と金銭」で供託をしている場合

遅滞なく,供託している額と同額の保証金の供託を移転後の主たる事務所の最寄りの供託所にしなければならない。その供託をしたときは,移転前の主たる事務所の最寄りの供託所に供託をしていた保証金を取り戻すことができる。

(4) 住宅販売瑕疵担保保証金の取戻し

 供託宅地建物取引業者は,基準日において,過去10年間の供給した戸数に応じて定められる基準額を超過する場合は,所定の手続により取り戻すことができる。引渡しから10年が経過すれば,瑕疵担保責任を負う必要がなくなるからである(超過額を取り戻すには,あらかじめ,免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事の承認を受ける必要がある)。

(5)住宅販売瑕疵担保保証金の還付手続

 住宅販売瑕疵担保保証金の還付を受けようとする者は,供託所に,供託物払渡請求書を提出するときに,国土交通大臣が交付した技術的確認書(債務名義又は公正証書等がある場合。)または国土交通大臣の確認書(債務名義又は公正証書等がない場合)を添付しなればならない。

(1)新築住宅の買主が還付を請求するには,以下の要件のどれかに該当していなくてはならない。

ア損害賠償請求権について確定判決などにより債務名義を取得した場合

イ 公正証書(損害賠償請求権の存在及び内容について供託宅地建物取引業者と合意した旨が記載されたもの)を作成していた場合(またはその他これに準ずる場合として国土交通省令で定める場合[公証人の認証を受けた私署証書を作成した場合]。施行規則18条),

ウ 住宅販売瑕疵担保保証金について,他の債権者に先立って弁済を受ける権利を有することについて,国土交通大臣の確認を受けた場合(供託宅地建物取引業者が死亡したり破産した場合などで,損害賠償義務を履行することができず,又は著しく困難である場合として国土交通省令で定める場合。施行規則19条)。

(2)還付請求をするには,(1)のアイウに応じて、下記の申請を還付請求する前に,しなければならない。

債務名義・
公正証書等
がある場合
国土交通大臣に技術的確認の申請
それ以外の場合 国土交通大臣に還付請求できる権利があることの確認の申請
(この場合,還付を受けることができる額について確認することも含まれる。)

住宅販売瑕疵担保保証金の還付を受けることができる額について国土交通大臣が技術的に確認することをいう。

住宅販売瑕疵担保責任保険契約

(1)宅建業者が特定住宅販売瑕疵担保責任を履行したときに,その宅建業者の請求に基づき,保険法人がその履行によって生じた宅建業者の損害をてん補する。
てん補率は80%以上だが,宅建業者の悪意又は重大な過失によって生じた瑕疵による宅建業者の損害については保険ではてん補されない(ただし,この場合でも,買主は請求することができ,保険により買主の損害はてん補される)

(2)宅建業者が相当の期間を経過してもなお特定住宅販売瑕疵担保責任を履行しないときに,当該新築住宅の買主の請求に基づき,保険法人がその隠れた瑕疵によって生じた当該買主の損害をてん補する。てん補率は免責金額を除いて100%。

●注意事項●

1 保険金額は1戸について2,000万円以上

2 保険期間は,新築住宅の買主が引渡しを受けた時から10年以上

3 国土交通大臣の承認を受けた場合を除いて,変更又は解除をすることができない。

4 新築住宅の売買契約の 新たな締結の制限

 新築住宅を引き渡した宅建業者は,基準日(年二回)までに,住宅販売瑕疵担保保証金の供託(または住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結)をし,かつ,保証金の供託等の届出もしていなければ,当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後に,新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することはできない。これに違反すると1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金,又は併科となる。

5 告知義務−営業保証金の供託所等に関する説明(宅建業法35条の2)とは別個の規定。

ア 供託宅地建物取引業者は,自ら売主となる新築住宅の買主に対し,当該新築住宅の売買契約を締結するまでに,住宅販売瑕疵担保保証金の供託をしている供託所の所在地その他国土交通省令で定める事項について,これらの事項を記載した書面を交付して説明しなければならない。

イ 住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結した宅建業者は,保険証券またはこれに代わるべき書面を買主に交付しなければならない。この書面を交付していなければ,住宅販売瑕疵担保保証金を供託しなければならない。

6 罰則

自ら売主となる新築住宅の売買契約の新たな締結の制限に違反した場合

1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金,又は併科

保証金の供託等の届出等,保証金の不足額の供託,保証金の供託等の届出等をせず,または虚偽の届出をした場合

50万円以下の罰金

両罰規定 法人の代表者,宅建業者の代理人,使用人その他の従業者が,上記の違反行為をしたとき,その行為者を罰するほか,その法人又は宅建業者である個人に対しても罰金刑を科せられる。

●宅地建物取引業法 
■履行確保法の施行による改正 (平成21年10月1日施行)

(1)重要事項、37条書面の記載事項の追加
 35条の重要事項・37条書面の記載事項に、瑕疵担保履行に関する措置として、以下の二つが追加された。
住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合

・住宅販売瑕疵担保保証金の供託をする供託所の表示及び所在地
・2以上の宅建業者それぞれの販売瑕疵負担割合の合計に対する当該宅地建物取引業者の販売瑕疵負担割合の割合 (当該新築住宅が,2以上の自ら売主となる宅建業者と買主の間で売買契約が締結されたものであるとき)

●住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結する場合

・当該保険を行う機関の名称又は商号,保険期間,保険金額及び保険の対象となる宅地建物の瑕疵の範囲

(2)帳簿の保存期間

閉鎖後5年間当該帳簿を保存
(自ら売主となる新築住宅に係るものについては10年間保存する)

●帳簿の追加 (施行規則18条1項8号)

・宅地建物取引業者が自ら売主となる新築住宅の場合にあつては、次に掲げる事項

イ 当該新築住宅を引き渡した年月日

ロ 当該新築住宅の床面積

ハ 当該新築住宅が,2以上の自ら売主となる宅建業者と買主の間で売買契約が締結されたものであるときは,それぞれの販売瑕疵負担割合の合計に対する当該宅地建物取引業者の販売瑕疵負担割合の割合

ニ 当該新築住宅について、住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結し、保険証券又はこれに代わるべき書面を買主に交付しているときは、当該住宅瑕疵担保責任保険法 人の名称

 (3)監督処分

 履行確保法の一定の違反 (住宅販売瑕疵担保保証金の供託をしていなかった等) についても、指示処分や業務停止処分 (情状が特に重いときは免許取消し)の対象となった。

⇒ 履行確保法では違反した宅建業者に対する監督処分がないため、宅建業法で監督処分する。

■消費者庁及び消費者委員会設置法の施行による改正 (平成21年9月1日施行)

(1) 国土交通大臣免許業者に対する内閣総理大臣の権限規定の創設

国土交通大臣との協議

 国土交通大臣が一般消費者保護の規定((自ら売主の8種制限、媒介契約、35条、37条など))に違反した大臣免許業者に監督処分をするときには、内閣総理大臣と協議しなければならない。

大臣免許業者への調査

 内閣総理大臣は、大臣免許業者に対する監督処分に対して国土交通大臣に意見を述べるため特に必要があると認めるときは、国土交通大臣免許業者に対して、その業務について必要な報告を求め、又はその職員に事務所その他その業務を行う場所に立ち入り、帳簿,書類その他業務に関係のある物件を検査させることができる。

国土交通大臣への協力の要請

 内閣総理大臣は、国土交通大臣免許業者の相手方等である一般消費者の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対して、資料の提供、説明その他必要な協力を求めることができる。

(2))35条の重要事項ー国土交通省令で定める事項 (宅建業法35条1項14号)

改正前の重要事項の国土交通省令で定める事項が,

イ 宅建業者の相手方等が一般消費者[事業を営まない個人の買主・借主](国土交通省令・内閣府令)

ロ それ以外の者[事業者](国土交通省令)

に区分して定められることになった。

 ⇒ 宅建業者の相手方等が一般消費者の場合は,内閣府令でも,重要事項の一部について定めることができるようになった。

■法令上の制限−農地法

●農地法の改正  〔平成21年12月15日施行〕
 (1) 農地又は採草放牧地についての権利取得の届出

 農地法3条の許可が不要なののうち,以下について届出が必要になった。

相続(遺産分割及び包括遺贈を含む。)、法人の合併・分割、時効等で農地・採草放牧地に関する権利を取得した場合

権利取得後、遅滞なく、その農地又は採草放牧地の存する市町村の農業委員会にその旨を届け出なければならない

(2) 農地の賃貸借の存続期間

 農地または採草放牧地の賃貸借の存続期間は50年を超えることができない。

(3) 国・都道府県の自己転用・転用目的の農地・採草放牧地の取得

 国・都道府県の行為であっても、近隣農地の転用を促進する施設用地への転用は農地の減少をもたらすおそれがあるため、改正により、以下のように区分することになった。


4条・5条の許可不要の転用目的(許可不要)

道路農業用用排水施設その他の地域振興上又は農業振興上の必要性が高いと認められる施設であって農林水産省令で定めるもの

原則として4条・5条の
許可を必要とする転用目的
(原則として許可が必要)

学校、専修学校、各種学校の用に供する施設
社会福祉事業、更生保護事業の用に供する施設
病院、診療所、助産所の用に供する施設
・多数の者の利用に供する国・都道府県の庁舎
宿舎

※ ただし、国又は都道府県と都道府県知事との協議(4haを超える農地を農地以外のものにする場合には農林水産大臣との協議)が成立することをもつて4条または5条の許可があったものとみなされる。

 市町村の場合も同様の規定となったが,経過措置で平成22年5月31日までは従来通りの規定となつている。このため,4月1日施行法令が出題範囲とされる宅建試験では出題範囲外となる。

(4)両罰規定の強化

 法人の代表者,代理人,使用人その他の従業者が,その法人の業務又は財産に関し,4条1項,5条1項,原状回復命令等に違反した場合,行為者を罰するほか〔3年以下の懲役または300万円以下の罰金刑〕,その法人に対して,両罰規定として1億円以下の罰金刑を科する(両罰規定の強化)

■法令上の制限−諸法令

●土壌汚染対策法 (平成22年4月1日施行)

 ■区域の創設 

土地の形質の
変更の届出

3,000平方メートル以上の土地の掘削その他の土地の形質の変更をしようとする者は、着手する30日前までに、当該土地の形質の変更の場所、着手予定日その他環境省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない。

形質変更時
要届出区域
(改正前の
指定区域)

・土地の形質の変更をするには、着手する14日前までに、一定事項を都道府県知事に届け出なければならない(通常の管理行為、軽易な行為、非常災害のために必要な応急措置などを除く)。

・形質変更時要届出区域に指定された際、既に土地の形質の変更に着手している者は、その指定の日から起算して14日以内に、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。

要措置区域

・都道府県知事は、土地の所有者等に対し、汚染の除去等の措置(盛土、封じ込め等)を講ずべきことを指示する。
土地の形質の変更そのものが禁止される(通常の管理行為、軽易な行為、非常災害のために必要な応急措置などを除く))。

要措置区域、形質変更時要届出区域のどちらにも指定されていない区域

●自然公園法  (平成22年4月1日施行)

 ■制限される行為の追加 

 国立公園・国定公園の特別地域内で、以下の行為をしようとする場合に環境大臣(国立公園)、都道府県知事(国定公園)の許可が必要になった。


・環境大臣が指定する区域内において木竹を損傷すること
・環境大臣が指定する区域内において当該区域が本来の生育地でない植物で、当該区域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがあるものとして環境大臣が指定するものを植栽し、又は当該植物の種子をまくこと
・環境大臣が指定する区域内において当該区域が本来の生息地でない動物で、当該区域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがあるものとして環境大臣が指定するものを放つこと(当該指定する動物が家畜である場合における当該家畜である動物の放牧を含む。)。

 ■海域公園地区

 「海中公園地区」を「海域公園地区」に改める。

■税法その他

●景品表示法  〔平成21年9月1日施行〕
 
権限者の変更

  

改正前

改正後

表示・景品類

不当表示

公正取引委員会が指定 内閣総理大臣が指定
景品類の制限及び禁止 公正取引委員会が制限、禁止 内閣総理大臣が制限、禁止

公正競争規約

公正取引委員会が認定、または認定を取り消す。

内閣総理大臣及び公正取引委員会が認定,または認定を取り消す。

措置命令
(改正前は排除命令)

公正取引委員会が命じる。

内閣総理大臣が命じる。

適格消費者団体の差止請求権
 適格消費者団体は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して他の事業者に係るものよりも著しく優良であると誤認される表示をする行為を現に行うか、または行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止・予防に必要な措置をとることを請求することができる。

●罰則

罰則の強化

措置命令に違反した者は2年以下の懲役または300万円以下の罰金に処され,情状により,懲役及び罰金が併科される。

両罰規定

法人の代表者,事業者の代理人,使用人その他の従業者が,措置命令に違反したときは,行為者への処罰のほか,その法人または個人事業者に対して3億円以下の罰金刑が科せられる

法人の代表者
に対する罰則

当該法人の代表者が,その違反の計画を知り,その防止に必要な措置を講じなかった場合,または,その違反行為を知り,その是正に必要な措置を講じなかった場合は,当該法人の代表者に対しても,300万円以下の罰金刑が科される。

●税法関連の主な改正

 

■住宅ローン控除 ⇒ 住宅ローン減税制度の概要

平成22年に居住の用に供した場合,以下のように控除される。

借入限度額 控除期間 各年の控除率 最大控除額※
5,000万円 10年間 1.0% 500万円

≪適用要件≫

1)その者が主として居住の用に供する家屋であること

2)住宅の引渡し又は工事完了から6ヶ月以内に居住の用に供すること

3)床面積が50平方メートル以上あること

4)店舗・事務所等との併用住宅の場合は,床面積の1/2以上が居住用であること

5)住宅ローンの償還期間が10年以上あること

6)合計所得金額が3,000万円以下であること

■所得税

(1) 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例

 適用期限を平成23年12月31日まで延長する。

 譲渡資産に価額要件が復活し、譲渡した年の前年、前々年、譲渡した年、及びその翌年、翌々年に、譲渡した住宅と一体として利用していた土地(借地権を含む)や家屋を譲渡した場合に、譲渡資産の譲渡対価の合計額が2億円を超えるときは、特例が適用されないことになった。

(2) 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰り越し控除の特例、特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰り越し控除の特例

 適用期限が平成23年12月31日までに延長された。

■贈与税

(1) 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置
 適用期限を平成23 年12 月31 日まで延長するとともに、住宅取得等資金の贈与を受けた場合に非課税となる贈与額(改正前500万円)を、平成22年中に贈与を受けた場合は1,500万円に引き上げ、1,500万円 (暦年課税では,基礎控除の110万円を合わせると1,610万円)までは非課税となる(23年中に贈与を受けた場合は1,000万円)。※

 なお、適用対象となる者は、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000 万円以下の者に限られることになった。

合計所得金額が2,000 万円以下の者の場合,暦年課税,相続時精算課税のどちらを選択するにしても,この非課税措置をまず適用し,残りの金額について,暦年課税または相続時精算課税が適用される。

(2) 住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例
 特別控除の上乗せ(1,000 万円)の特例を廃止し、非課税上限額は2500万円となる。

 贈与者の年齢要件の特例(年齢制限がない)の適用期限を平成23年12月31日まで延長する。

登録免許税

(1)特定認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率の軽減

 税率の軽減(長期優良住宅0.1%。一般住宅では0.15%)について、その適用期限を平成24年3月31日まで延長する。

不動産取得税

(1)認定長期優良住宅の新築に係る不動産取得税の課税標準の特例

 課税標準の特例措置(認定長期優良住宅1,300万円を課税標準から控除。一般では1,200万円)の適用期限を平成24年3月31日まで延長する。

(2)宅建業者の住宅及び住宅用土地の取得に係る新築みなし取得時期要件の特例
新築住宅を宅建業者等が取得したものとみなす日を住宅新築の日から1年(本則6月)を経過した日に緩和する特例措置の適用期限を平成24年3月31日まで延長する。

固定資産税

(1)新築住宅に対する固定資産税の軽減

 新築住宅に係る固定資産税の額を3年間1/2減額(マンション等では5年間1/2減額)する措置の適用期限を平成24年3月31日まで延長する。
認定長期優良住宅では、税額を5年間1/2減額(マンション等では7年間1/2減額)。

(2) 住宅に係る省エネ改修促進税制
持家を省エネ改修した場合、120平方メートルまでを限度に翌年分の税額を1/3減額する措置の適用期限を平成25年3月31日まで延長する。

(3) 住宅に係るバリアフリー改修促進税制
持家をバリアフリー改修した場合、100平方メートルまでを限度に翌年分の税額を1/3減額する措置の適用期限を平成25年3月31日まで延長する。


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