Brush Up! 権利の変動篇
契約解除に関する基本問題4
正解・解説
【正解】
1 | 2 | 3 | 4 |
× | ○ | × | × |
契約の解除に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,正しいものはどれか。(昭和60年・問4) |
1.「解除権は,法律の規定によって発生するものであり,契約当事者間の約定に
よって発生することはない。」
【正解:×】 ◆解除権は、法律の規定だけでなく、当事者の契約によっても発生する 解除権は、法律の規定によって発生するほか、契約当事者間の約定によっても発生します。(540条1項) たとえば、解除権留保の特約(約定解除権)で、当事者間の契約で解除権をあらかじめ留保しておき、将来、その解除権を行使することによって契約を解除できる旨の定めをすることができます。 |
2.「債務の履行が債務者の責めに帰すべき事由によって不能になったときは,
債権者は直ちに契約を解除することができる。」(H元年-9-4など頻出問題)
【正解:○】 ◆債務者の過失による履行不能 債務の履行が債務者の責めに帰すべき事由によって不能になったときは、債権者は履行期前でも、直ちに契約を解除することができます。(543条) |
3.「解除後の原状回復において,返還すべき金銭があるときは,解除の時点からの
利息を付さなければならない。」(昭和58年-5-4)
【正解:×】 ◆原状回復義務での、金銭の返済には、利息をつける 契約が解除されると、解除によって契約は遡及的に消滅し、契約に基づいてすでになされた給付は、法律上の原因を失うため、その契約で受領されたものは不当利得として返還し、原状を回復する義務を生じます。(545条1項) 受領したものが金銭である場合は、受領の時からの利息をつけて返還します。(545条2項) |
4.「解除権の行使について期間の定めがないときは,相手方は解除権を有する者に
対して相当の期間を定め,その期間内に解除するか否かを確答すべき旨を催告する
ことができ,その期間内に解除の通知がないときは,当該契約は解除されたものと
みなされる。」(類・H10-8-4)
【正解:×】 ◆相手方の催告による解除権の消滅 (547条) 解除権の行使について期間の定めがない場合は、相手方はいつ解除されるかわからない不安定な状態に置かれます。民法では、この相手方を保護するため、相手方は、解除権を有する者に対し、相当の期間内に解除するかどうか確答すべき旨を催告し、その期間内に解除の通知を受けなかったときは、解除権は消滅し、相手方は,契約を解除できなくなる、としました。
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