Brush Up! 権利の変動篇  過去問のSummary

担保責任 : 一部が他人物−問題を解く視点とKEY


アウトライン−善意・悪意に関係なく,買主は,代金減額請求することができる。

    買主  代金減額  解除  損害賠償  除斥期間
 一部他人物売買  善意        知ったときから1年
 悪意    ×  ×  契約時から1年

一部他人物で移転できないときの担保責任の考え方

 善意・悪意の買主・代金減額請求
               └ 買主が善意で,残りでは買うことができないとき解除
               └ 買主が善意:代金減額or解除に合わせて損害賠償請求できる

⇔ 全部他人物との比較

     買主  解除  損害賠償  除斥期間
 全部他人物売買  善意      なし
 悪意    ×  なし

盲点●代金減額請求
 数量不足・一部滅失 → 悪意のときは,減額請求できない〔善意のときだけできる〕

 一部他人物 → 悪意のときでも,減額請求できる。〔善意・悪意どちらもできる〕

どんなときに売主は担保責任を負うか

 売買の目的物の一部が他人の所有であり,
 その部分の所有権を買主に移転できなかったとき
(563)

 〔共有者の一人が自分の持分を超えて売るケースや,自己所有の土地に他人所有の土地を混ぜて売ってしまったケースなど。〕

 ベースとなるのは代金減額

 解除しないならば,代金減額(善意・悪意) 

 残った部分だけでは買わないとき解除(善意)

 損害賠償は善意なら,代金減額・解除と併せてできる。

●チェック
 売買の目的物である土地の一部に他人が所有する土地が含まれていたことにより,買主が当該他人の土地を取得することができなかった場合においては,買主は,売買契約当時,当該土地の一部が他人の土地であることを知っていたときでも,売買契約を解除することができる。(司法書士・平成13年・問16)
【正解 : ×

 一部他人物の解除の要件

 ・善意の買主に限ること。

 ・残った部分だけならば買い受けなかったとき

 悪意の買主は,代金減額請求はできますが,解除することはできません。


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